聡美「私の名前は、綾倉聡美。数学と社会が苦手な中2。自分には自信がなかった」
聡美「この人は、明後日の生徒会役員選挙で生徒会長に当選間違いなしの、学校一の美少女、内田奈緒さん。この人が親友になったことで、私の人生は変わった」
聡美「この人は臼田了くん。私が……想いを寄せている人。かっこいいし、クラスの男子の中で唯一、私のことを悪いあだ名で呼ばない。ただいまこの人に片思い中」
聡美「でも臼田くん、女子に興味がないって言ってるのに、最近、高峰さんと時々登下校一緒なの。きっと高峰さんが強引に誘ってるんだ。許せない」
奈緒「なーんだ、そんなこと。私に任せてよ、聡美」
奈緒「高峰さん、ちょっと」
久美子「あすかっち、お帰り。ラムネ買ってきたよ。アンタの分、それ」
あすか「ありがと」
久美子「あすかっち、アンタ右目の横、青痣になってるけど、誰にやられたの?」
あすか「転んだの」
久美子「……抵抗しなかったってことは女に殴られたんでしょ。なにでやられたの?バット?鉄パイプ?」
あすか「ホウキ。鉄パイプでやられてたら死んじゃうよ」
あすか「たいしたことないよ」
久美子「……わけ話して。やられっぱなしでいいの?」
聡美「この人といれば、どんな望みも叶っちゃう!学校を思い通りにすることも出来るかも!なんとしても奈緒を生徒会長にしなくちゃ」
久美子「……次期生徒会長候補と、了くんに恋する女の子か。ねえあすかっち、どうして了くんを弟だって言わなかったの?そしたら殴られなくて済んだかもよ?」
あすか「……どうしてか自分でも分からないよ」
久美子「とにかくその二人、どこか精神構造おかしいわ」
久美子「今日はポークカレーかあ」
あすか「福神漬け新しいやつだよ」
久美子「あすかっち、その内田(奈緒)さんと綾倉(聡美)さん、アンタにもう学校へ来るなって言ったんでしょ」
あすか「まあね。別に、私は学校行くけど。要するにさ、綾倉さんは了くんが好きだから、奈緒ちゃんに助っ人を頼んだんだよ」
聡美「ねえ奈緒、奈緒ってかっこいいね。あの女に『今度学校に来たら、その身体にあるのよりもっと大きな傷を顔につけてやるから!臼田了くんにももう近づくんじゃないわよ』ってタンカ切ったの、気持ちよかった!正義は勝つんだね」
了くん「ただいま。あれ?あすかっち、青痣どうしたの」
久美子「あすかっち、これは黙ってるわけには行かないからね。あのさー、了くん……」
聡美「今夜はぐっすり眠れそう。私の何度目かの片思い実るかな。明後日、臼田くん、私と一緒に帰ってくれるよね。今度こそ私、幸せになれるんだ」
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聡美ちゃんの幸せは、ほんとうにそこにあるのでしょうか。
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この日から、少しずつあすかっちの周囲がサスペンスチックに変わっていきます。どうか目を開けてご覧ください。















