ノンコ「先に報告しておくわ。高橋さんのお母さんと和解が成立したわ。こういうことはスピーディーにやらないとね」
ノンコ「あんた以下12人の家庭科部の部員には、推薦入学は出せないけど、内申書には今回の件、載せないから一般入試で頑張ってちょうだい。あんたは1年生の時も上級生と揉めたから、もうこれ以上はトラブル起こさないで」
あすか「あの時は、久美子ちゃんを泣かせた奴が許せなくて」
ノンコ「そういうヤンキーみたいなことはやめてちょうだい。久美子ちゃんにも迷惑よ」
あすか「……SNSに何人かが書き込みしてる……義憤っておっかないな。数こそ少ないけど、これって憶測となりすましじゃん。いい大人が何でこんなコトできるんだろ?こんなのいちいち構ってられないから、SNSから距離置こうっと」
あすか「2匹とも、お散歩行こう」
久美子「え?今日はステーキ?嬉しいけどどうしたの?」
あすか「いや、いいお肉が安かったんだよね」
あすか「はい?真夏ちゃん」
真夏『あすかっち、SNS見たけど大丈夫?そんなにたくさん書かれてるってワケじゃないけど、ポツポツあるよ……あのことだよね。今頃になって――』
あすか「ハハハ、数少ないから平気」
真夏『ところであすかっちが犬と湯船に浸かってる写真があがってるんだけど日常スナップ?』
あすか「え?なにそれ知らない!私、ネットでは顔出ししてないよ」
真夏『拡散される前に、早く消してもらったほうがいいよ。何かわたしに出来ることあったら言ってね』
あすか「みんなに迷惑かかっちゃうかもしれない~」
了くん「いや、おれSNSやらないし」
久美子「今のところ、こっちに飛び火はしてないわよ。大げさね、そもそも書き込みの数が少ないのよ」
ツヨシ「有名税だよ。薫ちゃんはあの写真、微笑ましいって言ってるよ」
あすか「ネットじゃ写真は微笑ましいものでも危ないんだよ」
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「義憤」が動機でよからぬことをしている人は、自分は正義のためにやっていると信じています。むしろ自分も被害を受けたように感じています。だから、誹謗中傷をやめろと言われてもその人にその自覚はありません。自分が巨悪に立ち向かっているかのように思うのです。
あすかっちの件はおかしな形で知られることとなりました。