久美子(左)「あすかっち、なんだか元気ないわよ」
あすか(右)「うん……そうだね」
久美子(左)「ん?失言した?それで落ち込んでるの?」
あすか(右)「うん。繊細な人だから普段から気をつけてはいたんだけどね、ポロッと出ちゃったらしい、怒らせたかも」
久美子(左)「んー、普段から特に気をつけている相手なら、仲直りしてもまたこれから失言して怒らせちゃうんじゃない?」
あすか(右)「そうかな」
久美子(左)「だって気をつけてるってことは、その間のあすかっちって自然体じゃないでしょ」
あすか(右)「どうかな。多分どっちも私なんだけど、私の言うことを受け取る相手にもよるかな。他の人ならそんなに怒らないことだけど、その人はそうじゃなかった」
久美子(左)「自分に相手を傷つける意図がなくても、向こうは傷ついたワケね」
あすか(右)「うん。どこが地雷かって、事前にはなかなか分からないんだよ。だからその人は多分、今までにたくさんの人に失望しているんじゃないかなって思う」
久美子(左)「じゃあ、あすかっちのせいばかりじゃないわね」
あすか(右)「……」
久美子「だって、あすかっちってそんなに傷つかないじゃない」
あすか「傷つかないことがいいことってわけじゃないよ」
久美子「でも、アンタはワケもなく他人を攻撃する人間じゃないわ。それはアタシがよく知ってるからね」
あすか「うん」
百鬼丸(左)「(ビーちゃん先輩、失言で相手を怒らせたことってあります?)」
ビーちゃん(右)「(犬は失言はしないワン。飼い主の失言をフォローすることはあるけど……)」
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「ついうっかり」「悪気なく」で信頼関係を損なうことってありますよね。
或いは「気を利かせたつもりが……」が悪意に取られてしまうこともあります。
あすかっちも、ぼんやりしていたことで誰かを傷つけてしまいました。でも、ぼんやりして言ったことが失言だとすれば、彼女は常に気を張っていなければならないのです。それは彼女への負担が大きいでしょう。
お互いがお互いを思いやれる社会になるといいですね。