夢枕にお姫様 | 高峰明日香の明日はどっちだ! (ameblo.jp)
このお話は、↑の続きです。
了くん(左)「妹を探してくれって言うお姫様が夢枕に立つ?ひと月もずっと?」
あすか(右)「うん。その妹さんって仏像喫茶に入り浸ってるらしいんだけどね」
了くん「……心当たりがある」
了くん「あの女の子じゃないかと思うんだけど」
あすか「うちのクラスの川上さんだね。最近学校を休みがちだよね。あれがお姫様の妹?なんで?」
了くん(左)「おれ、話しかけてみるよ」
了くん「川上さんだよね」
川上さん「臼田くん?」
了くん「ちょっと頼まれごとなんだけどね」
了くん「最近、家に帰っていないんだって?ネットカフェに泊まり歩いてるってね」
川上さん「そっちに関係ある?」
了くん(右)「あんたの肩の辺りに、王冠かぶって緑のマント羽織った、お姫様みたいな格好した女の人がいて、そう言ってるんだよ」
あすか(左)「え?」
川上さん「気味悪いこと言わないでよ」
了くん「あんたのお姉さんだろ?帰ってきてほしいって言ってるよ」
川上さん「確かに姉は公民館の演し物の時に、その衣装でお姫様の役をやったわよ。私、その晩ちょっと口論して家出したの。それから色々あって、帰りたくなくなったのよ」
川上さん「でも、帰ってもいいわ。お姉ちゃんがそこまで心配してるなら」
あすか(右)「川上さん、あれから学校来るようになったね」
了くん(左)「あすかっちの夢枕にお姫様まだ立ってる?」
あすか「ううん、もう、そういうことはなくなった。どうして川上さんのお姉さんは了くんじゃなくて私の夢枕に立ったんだろ」
了くん「こういうのって相性があるんだよ」
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川上さんをやっているバービー人形は、ルックバービーという関節可動のもので、コレクター用です。購入したときはピカピカの銀色の宇宙人みたいな服装でした。彼女にキャッスルの27㎝用のジェニー服を着せたらぴったり合いました。たっぷりとしたくるくるの赤毛が魅力的なバービーです。
メイクが大人っぽいですが、あすかっちと同じ学年に設定しています。
川上さんは複雑な事情を抱えて家を出た設定です。了くんが見つけるまで、一人きりで悩んでいました。川上さんのお姉さんもまた、悩んでいました。
どんな悩みかは語られることはありません。
何の問題もなく幸せな人というのは似たり寄ったりなのですが、悩みを持っているというのは数限りない種類の人がいます。
私は、ドールとしてだけではなく、等身大の悩みを持った人を描きたいのです。