脳筋の先生帰ってくる | 高峰明日香の明日はどっちだ!

高峰明日香の明日はどっちだ!

お人形劇場。永遠の時を生きる「ジルコニア」の少年少女たちの日常と夢と愛と悩みがドールによる劇場で石神井公園・池袋・新宿を舞台に繰り広げられます。闇深いです。コナン時空です。1/6ドール(ジェニー・リカ・バービー・六分の一男子図鑑等)注意:PG12

漆原「ツヨシくんはもやしっ子だな。男は筋肉だよ、筋肉つけなきゃ。あと、何かスポーツをやったほうがいいね。厳しい指導と不条理をくぐり抜けた者のみが、社会的に成功するんだ」

 

ツヨシ「ぼくは普段、スポーツはやらないんです」

漆原「なんでだ」

ツヨシ「ぼくはピアノ弾くんです」

漆原「男のクセにピアノなんて、女々しい野郎だな」

 

漆原「野球部か、柔道部に入れよ。ヨット部もいい。とことん身体をいじめ抜くといい」

ツヨシ「……」

 

あすか「漆原先生、よけいなお世話です。ツヨシくんを変な体育会系に勧誘しないで下さい。久しぶりに来たと思ったら、要らないことを」

 

漆原「オレはこのもやしっ子に、一人前の男らしい男になってほしくて言っている」

 

あすか「筋肉なら充分ついてますよ。ピアニストは筋肉をすごく使うんです。とっくに一人前です、ツヨシくんは今まで演奏活動で苦労してきているんで、邪魔しないで下さい」

 

漆原「分かってない。ひょろひょろしたヤツにいい女がついてくると思うかい?」

 

あすか「脳筋男にはバイオニック・ウーマンがお似合いです。ピアニストにはとっくに可愛いガールフレンドがいます。漆原先生も彼女作ったら?再就職はうまくいったの?」

 

漆原「うーん……」

 

あすか「ツヨシくん、次はカーネギー・ホールで演奏して、あの脳筋先生を見返してやろう」

ツヨシ「うわ、大きく出たなぁ。あそこは世界的音楽家でないと演奏なんてさせてもらえないよ」

あすか「どれぐらい世界的?」

ツヨシ「……ビートルズぐらいだよ」

 

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ニューヨークで、ルビンシュタインが通行人に「カーネギー・ホールヘはどうやって行けばいいですか」と道を訊かれ、「練習して、練習して、練習すること」と返答したのは有名な話です。ツヨシくんはまだそこまでではないですが、もと体育の先生にピアノをバカにされたことに、あすかっちはツヨシくん以上に腹を立てました。漆原先生はまだ再就職できていなかったのです。