(パソコンのキーボード音)
久美子「あすかっちは『わた婚』みたいなの書かないの?」
あすか「今、連載で似たようなの書いてるよ」
久美子「ほんと?見たい!」
あすか「アップしたら買ってね」
久美子「ケチ~」
あすか「こっちは好きでもないジャンル書かされてイラついてるのにタダ読みされたらもっとイラッとくるじゃん」
久美子「嫌いなジャンルなら断ればいいでしょ」
あすか「作家が好きなもの書けるのはもっと大御所になってから。断ったら仕事来なくなる。マズいことに、私はこのジャンル得意らしくて、みょ~にウケてる」
久美子「嫌いなのに得意?なにそれ」
あすか「そういうこともあるの。自分でも、これはウケるに違いないと確証したものは人気なくて、絶対ダメだと思って出したものがヒットしたりするの。自分の作品が当たらないはずないとかそういう確信めいたものがないのね」
あすか「特に書きたいものってないから、あとは二番煎じと言われようが何だろうが、ただ書くだけだよ」
久美子「夢を売る商売って夢がないのね」
あすか「そうだね。雑誌のインタビューとかでは、書いていて楽しいですって言わないとならないし。嘘が平気で出るんでないと保たないよ。常にお楽しみにって言ってないと」
久美子「……それって読者ナメてんじゃない」
あすか「まさか。読者の要望には応えてるよ」
あすか「結局、こういうラノベ読者は、家族に虐げられながらも我慢して働く、けなげで可哀想な少女が美しい男性に愛され幸福になる、というシンデレラストーリーが好きなんだね。このジャンル、ロングランだねえ」
久美子「あすかっちはそういう夢は見ないの?」
あすか「見られない。書き手に回るとシカゴ学派の経済学に染まっちゃうんだよね」
久美子「ヘンなの。こんだけ面白いのにね」
あすか「え?」
久美子「あすかっち、原稿あたしのスマホに来てるよ。間違ったでしょ」
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好きなものを書いていてウケがいいとか、悪いとか気にしないのが理想なんですが、そうも思えなくて、「読者が読みたくないものはなるべく書きたくない。でもこれどうしても書きたい!」というジレンマは過去よくありました。それでもお付き合い下さる方、ありがとうございます。







