スランプ | 高峰明日香の明日はどっちだ!

高峰明日香の明日はどっちだ!

お人形劇場。永遠の時を生きる「ジルコニア」の少年少女たちの日常と夢と愛と悩みがドールによる劇場で石神井公園・池袋・新宿を舞台に繰り広げられます。闇深いです。コナン時空です。1/6ドール(ジェニー・リカ・バービー・六分の一男子図鑑等)注意:PG12

ツヨシ(左)「なんであすかっちはコミックやアニメがポップカルチャー化したのイヤなの?」

あすか(右)「スマホでコミック配信されるようになってから、似たようなネタのものばかりになったからだよ。パクリのコミックやパクリのアニメが多くて区別がつかない」

 

あすか「なんでそうなったかというと編集部がそういうのばかり描かせてるからだよ。悪役令嬢ものが好きな読者に全部読んでもらおうとしてヒロインに復讐するものがバーッとタイトルに並んだりするとうんざりなんだ。その中で人気を取れなかった作家は生き残れない。それ考えちゃうと素直に作品を楽しめない」

 

ツヨシ「描き手のこと考えちゃうんだね。あすかっちってもしかしてネットだけのコミック嫌い?」

あすか「嫌い。描いてるほうも嫌になってると思う」

 

あすか「紙媒体の作家も、受賞歴が華やかかメディアミックス化してないと一生続けられない仕事だからね。カット描きの仕事もしてるけど、漫画連載の話は全然来ないよ」

 

あすか「ムーミンみたいな独創的なコミックや小説はキャラクター作ってみても相手にしてもらえないし……」

ツヨシ「ムーミンはフィンランドだろ。日本でキャラクター商売したかったらサンリオとかに入って実績積めば?」

 

ツヨシ「ここんとこ、あすかっちが元気ないからみんな心配してるんだよね。創作の悩みだったんだね。散々編集部のナタリーさんに振り回されたもんな」

 

あすか「斬新なアイデアを出すと共感してもらえないわよって散々言われたから、お題を出してもらった作品出すとありきたりって言われちゃう。まんべんなく売れる、ちょっとそういうのは書けないんだよね」

ツヨシ「体験を元にSF書いたでしょ?ウケなかったの」

あすか「女の子の読者はSF求めてないし、大人の読者を納得させる技量はないって評じられた」

 

あすか「確かに最近創作意欲ないね。周りの顔色ばかり見てて、書いてて楽しくなかったもんね」

ツヨシ「あと、笑わなくなった。表情がないよ、あすかっち」

あすか「?」

 

ツヨシ「そのことみんなで話してて、何か出来ないかなって」

あすか「私の小説を読んで面白かった?」

ツヨシ「ん~、銀英伝っぽいのはこないだ読んだ。でもあすかっちはスペースオペラ向けじゃない気がする」

あすか「だよね。それでいま流行してっからって理由で最近、学園ものを書いてくれって依頼で1本書いたんだ。でも売れなかった」

 

あすか「正直、作家辞めたいんだ。書きたいことがもうない」

ツヨシ「うーん。あすかっちの作品が読めなくなるのは残念だけど、ほんとにつらかったらやめてもいいと思う。書きたくなくて書いてても苦しいだけだからさ」

 

あすか「もうすぐ、今まで書いたもののなかで好きなの集めた自選集出るんだ。それでおしまいにしようかと思う」

ツヨシ「うん。全部終わったら江ノ島に行こうよ」

 

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ところが自選集の評判が思ったよりよく、新しいファンが出来たり、遠のいていた読者が戻ってきたりして、あすかっちに仕事が入ってきました。断り切れず、あすかっちは江ノ島に行けませんでした。

 

いまの家に引っ越してきてから買い始めた雑誌に「コミックビーム」と「コミックIKKI」があります。

けっこう共感できる作品が載ってる雑誌で、ここなら投稿してもいいかなと思えたのに、両方とも休刊になってしまいました。

「コミックビーム」は再開したかと思いますが、作品の発表媒体がなくなるというのは描き手にとって死活問題です。マイナーな雑誌に籍を置いている場合、そこの看板作家でない限り生き残れないかもしれません。

好きとまでは行かないまでもいい作家さんがいると安心だなと思っていると雑誌がなくなるということはよくあるので、描き手の心配ばかりしています。

世間では紙媒体の雑誌からはじき出された作家さんの受け皿としてのウェブコミックの需要も多いのでしょうが、そういう雑誌は解約のしかたが分かりにくいところに載ってたりするので手が出せません。新しいものにすぐ飛びつく方ではないので、主要雑誌で活躍できなくなった作家さん達の現在の作品に触れられなくて残念に思います。