久美子「わぁ~、美味しそう!」
あすか(右)「めしあがれー」
久美子(左)「いただくわ」
久美子「や~んもう、幸せ!おいしい」
あすか「久美子ちゃんの好みの味に合わせてあるからね」
久美子ちゃんの声「あすかっちの洋菓子は最高よ!」
ツヨシくん帰ってくる。
ツヨシ(右)「あー、久美子ちゃん……」
あすか(左)「あ、ツヨシくんか。きみ遅くなると思ってたから」
あすか「きみはこれ」
ツヨシ「え~?」
久美子「ちょっと可哀想だったみたいね」
あすか「ツヨシくんの胃袋に入れたら作った分間に合わないんだよ」
ビーちゃん「(仲間はずれは可哀想だワン)」
百鬼丸(右)「ビーちゃん先輩、あの御仁はあれでよいのです、時間を守らない男ですから」
あすか「久美子ちゃん、この後どうする?私ちょっと休むね」
アインシュタイン先生「あすかちゃん、ぼくのぶんは」
あすか「先生のは冷蔵庫に入ってるよ」
アインシュタイン先生「ノンコさんはね、脳のどこにも異常はないんだ」
あすか「知ってる。もう教壇に立ってるもの」
アインシュタイン先生「すまない。ぼくも悲しい。きみのことだけ思い出してくれないなんて」
あすか「いいんだよ、そのうち思い出すさ」
久美子「悲しいときには悲しい曲聴いてしんみりしてみたいわ」
久美子(左)「ツヨシくん、ベートーヴェンの『月光』弾いてよ」
ツヨシ(右)「あれでいいの?」
久美子「あたしが聴きたいのよ。あすかっちの分もしんみりしたいの」
久美子「♪」
久美子「ゲーム機でBDが観られてCDが聴ける時代に生演奏、スナック菓子食べ放題でスイーツはお店での時代に手作りスイーツ。あたしたちって贅沢な時間に生きてるわよね」
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ベートーヴェンのピアノソナタでは「月光」「悲愴」が有名ですが、月光の方が悲惨な感じがして不思議だなと思ってると、月光はどうにもならない悲しい恋愛の曲だったのですね。この「どうにもならない」という部分を久美子ちゃんは思い出して聴きたくなったのかもしれません。