ツヨシ「ただいま……」
あすか「ツヨシくん、どーしたのその頭!」
ツヨシ「A組の女に『可愛い可愛い』ってつけられたんだよ。そしたら取れなくなっちゃった」
久美子(左)「プッ」
ツヨシ(右)「はずかしいったらありゃしない」
あすかっちの声「ツヨシくん、この世界には猫頭の人もいれば、普通の人もいるのよ。恥ずかしいなんて失礼だよ。今日は猫伯爵が立ち寄るって言ってたから、行儀よくしてね」
猫伯爵「いいねーきみ、そのカチューシャ実にいい」
ツヨシくんの声「そうですか?」
猫伯爵「猫頭族はめっきり減ってしまったからねえ。貴族だからきみたちのように不老不死にもなれないし、淋しいからね。ネコミミの子を見かけるだけでなんだか自分が浮いた存在でないようで安心するよ」
ツヨシ「そ、そう」
あすか「いろんナ種族の人が仲良く暮らすのって素敵ですよね」
猫伯爵「素敵だとも!」
伯爵、帰る。
久美子(奥)「褒められたじゃない、よかったわね」
ツヨシ(手前)「全然嬉しくないよ。もとの自分に戻りたい」
あすか「ツヨシくんてば、つまんないことでカリカリしてもしょうがないよ」
(ごくごく)
ツヨシ「うわー、炭酸が効く!」
ツヨシ「あれ?カチューシャが取れた」
久美子(中央)「残念。可愛かったのに」
あすか(左)「今、中高年向けの広告に白髪は炭酸水で洗いましょう、黒髪がよみがえりますよーってあっちこっちでやってるの思い出しちゃった」
ツヨシ「共通点は炭酸水ってところだけじゃないか、あすかっちのシュールなギャグよく分からないよ」
あすかっちの声「もしもカチューシャが取れなかったら君は白髪になるんじゃないかとか想像しちゃって」
ツヨシくんの声「笑えないよ!ぼくにとっては深刻な問題だったんだから、とんちんかんなこと考えないでよ」
久美子ちゃんの声「猫耳可愛かったから、もういっぺんつけて撮らせてよ」
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みんなでツヨシくんをおもちゃにしましたね。
気の毒なツヨシくん、怒れば怒るほどみんなが喜ぶのでした。
でもみんな、悪気はないんですよ。