あすかっちの「トリスタンとイズ―」(加筆済み) | 高峰明日香の明日はどっちだ!

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オリジナルSFホームドラマ。永遠の時を生きる「ジルコニア」の少年少女たちの日常と夢と性と悩みがドールによる劇場で石神井公園・池袋・新宿を舞台に繰り広げられます。闇深いです。コナン時空です。1/6ドール(ジェニー・バービー・六分の一男子図鑑など)

あすか「昔むかし、いまでいえばイギリスのコーンウォール地方に、最強の騎士がいた。名をトリスタンという。ある時コーンウォールは隣国の、いまでいうアイルランドという国に属国になれと脅された。かれはアイルランドの国王と一騎打ちをし、彼が勝った。アイルランドはすごすご戻っていった。ところがトリスタンもまた、重い傷を負ってしまった」

 

あすか(右)「おそらく、このままでは王を守ることが出来ない後遺症が残ったのだろう。かれの傷を治すことが出来るのは、かれが殺したアイルランドの国王の王女イズ―のみと聞き、それと分からないようトリスタンはアイルランドのお城へ向かい、竪琴で王女の気を引いて傷を治してもらった。王女はとても美しかった。コーンウォールに帰ってきたトリスタンがこのことを主君である王に伝えると、王は敵国の王女でも、是非イズ―を王妃として迎えたいと望んだ」

クリスタル(左)「素敵!」

 

あすか「さっそくトリスタンはイズ―を主君の王妃にと迎えに行った。イズーの母親は、同時に飲んだら決して離れず愛し合う魔法の薬をひと包みイズーに渡した。異国の王との幸福な未来を願ってこのことだった。しかし帰りに海がシケた日、どこをどう間違ってか、トリスタンとイズ―はこの薬を同時に飲んでしまったんだ。二人は薬効で突然惹かれ合い恋に落ちてしまった。だがイズーは主君の王妃となる身、コーンウォールにつくやイズーとはお別れとなった。トリスタンはつらさを隠し、その後も武功を挙げ、王を何度も危機から救った。かれは並ぶもののない勇者だったんだ。そして同じく辛い日々のイズーと、いつしか二人だけでこっそり逢うようになった。その時だけが彼らの安らぎだった」

 

クリスタル「まあ、なんて素敵なロマンスなの」

 

アンバー「ただの不倫じゃん」

 

あすか「二人の逢瀬はいずれ王に知られてしまったが、王は彼を罪に問えなかった。トリスタンはあまりに強すぎて、彼なしに国を守ることは出来なかったからだ。王はやむなく彼を遠い土地に送った。そこでもかれは大活躍して、かのアーサー王の円卓の騎士達の一人に選ばれた。結婚もし、何もかも順調だったがイズーのことは忘れられなかった。ある日、トリスタンは彼と互角に戦えるものと出会い、なんとか倒したものの彼も毒矢だったか毒やりを受けて重体となった。治せるのは主君の王妃イズーのみ。知らせを聞きつけて、イズーは薬を手に駆けつけようと船に乗った。船が到着した頃、トリスタンは王妃は来てくれただろうかと妻に尋ねる」

 

クリスタル(右)「どうなったの?」

 

あすか「トリスタンの妻は嫉妬心を抑えきれず、窓から船の到着を見て、来たことを知りながら『いらっしゃらなかった』と告げた。トリスタンは死んだ。ようやくトリスタンのところへたどり着いた王妃イズーは冷たくなったトリスタンの遺骸を見てショックを受け、そのままこときれてしまった」

クリスタル「なんて可哀想なの!でも感動的だわ」

アンバー「所詮、不倫の末路なんてそんなもんよ」

 

あすか「かれらに関わった人々はこれを悼み、トリスタンとイズーは夫婦でもないのに一緒の墓に埋葬された。この話は長く語り継がれた。おしまい」

アンバー「くっだらなーい」

クリスタル「何よ、素敵なお話じゃない」

あすか「キミたちは双子なのに、育つにつれてドンドン性格や好みが違っていくねえ……」

 

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バレンタインネタじゃなくてごめんなさい。

すみません、これは子供の頃に読んだ、もはやなんの本が出典も分からない本の記憶を頼りに書いたものなので、ちょっと変なとこあるかもしれません。イズーは物語によってはイゾルデとも呼ばれました。今はイゾルデが一般的のようですね。

あすかっちの今回の話は、私の多少の持論もはいってると思います。ですから「トリスタンとイズー」をちゃんと読みたい方は本屋か図書館でお探し下さい。この伝説は中世の騎士達に語り継がれ、愛された中でもっとも有名なお話ですのですぐ分かると思います。

<禁・無断複製転載>

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