あすか(右)「まさかきみがアメリカから一人で来るとは思わなかったよ」
久美子ちゃんの妹のパコ(左)「ママに会いたかったんだけど、ママいま、会社役員の愛人になってるって聞いてすごくショック。あと、私のいま通ってる学校は東洋人がほとんどいないの。みんな金髪で青い目で、クラスメイトたち東洋人にはよく侮辱的なジェスチャーをするの。目をわざとつり上げたり。東洋人は足が短いとか醜いとかいって、ひどいの」
あすか「向こうはステレオタイプの白人ばかりじゃない。きっときみも仲良く出来る子を見つけられるよ」
パコ「そうだといいわね。でも私、日本ではちやほやされてたのに。黒髪でも造形ではお姉ちゃんに勝った!って思ってたけど、いざ純粋の白人と接してみたらどうしてもあっちのほうが見栄えがするわ。くやしい」
あすか「きみは可愛くて勉強が出来るんだからそんなこと気にしなくていいのに。オシャレに気を取られてるうちにお勉強遅れるよ」
パコ「これは白人っぽいメイクしてるの。お化粧落としたらやっぱり東洋人よ。どっちの基準に合わせても浮くわ、私の存在」
あすか「ふーん、どこ行っても女子ってこういうことで悩むよね」
パコ「あすかっちとお姉ちゃんと私の3人で写ってる写真、クラスメイトに見せたら男の子たちがあすかっち指さして『オレ、この子と付き合いたい!紹介して』って言うの。すっぴんが綺麗っていいよね。『つるぺったんだよ』って言ったら『俺達おっぱい星人じゃないもん。この子がいい』って。白人から見ても東洋人から見てもあすかっちって好ましいみたい。うらやましい」
あすか(右)「私ゃ純粋日本人だからよく分からんけど、一日中コンプレックスに囚われたくないねえ。時間の無駄だよ。悩むならもうちょっと有意義なことで悩みたいね。外見だけにしがみついてると年とったとき、むなしいでしょ。いい本、笑える本読みなよ。今までいい子ちゃんだったきみにはカルチャーショックかもしれないけど、人種差別はこれからもなくならない。いつかはよくなっていくのかもしれないけど。まあ、でもきみに何かひとつ誰にも出来ない特技があったら、向こうじゃ一瞬で尊敬される。そう考えたらどうかな?」
パコ「……そうだね」
あすか「ありのままの東洋人の美を見せたいならYouTubeで美しく見える東洋人向けメイク動画沢山載ってるだろ。あれに出れば?」
パコ「うん。そう考えられるようにしてみる」
あすか「久美子ちゃんは音楽の学校で声楽やってるよ。今、すごくがんばってるよ。きみ、お姉ちゃんに負けたくないんだろ?」
パコ「ムキー。私がお姉ちゃんより出遅れてるなんて許せない。勉強がんばろ」
久美子(右)「パコが来てった?何しに?あたしのメイク道具は無事?」
あすか(左)「キミたち姉妹って本当にライバルなんだねえ、悪い意味で」
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パコちゃんと久美子ちゃんの歓びの再会は遠そうです。







