ツヨシ(中央)「男子でも面白く読める今昔物語集?ぼく古文苦手なんだけどなあ」
了(左)「オレはそろそろ『平家物語』のほうにいってもらいたいな」
あすか(右)「まあ、そう言わずに聞きなされって。橘則光っていって武芸が達者でイケメンで愛されキャラで清少納言の夫なんだけどね」
ツヨシ(右)「え~?清少納言って結婚してたの?」
了(左)「一生独身のイメージだった」
あすか「結婚してたよぉ。息子もいるよ」
ツヨシ「想像も出来なかったよ」
あすか「この則光、若かりし頃夜中宮中を抜け出して女の所へ行ったんだよ。太刀一振り持って少年一人お供にね。で、ばったり強盗の一団に出くわしちゃったんだ。やり過ごそうと思ったんだけど止まれって声がして、無視してトンズラしようと走ったけど、その中の一人が追いかけてきてね。則光は向こうが弓を持っていないことを確認するとかがんで走った。まさに頭かち割られると思った瞬間ヒョイッと身体をひねって寄ったら、相手走ってきたのに急に方向転換出来なくて止まんなくて則光のほうに飛んできたから、頭を真っ二つにしたんだよ」
ツヨシ「間抜けな強盗だね」
あすか「さらに間抜けがもうひとり。『どうなってるんだ』ってこっち来るんだよ。則光また逃げるんだけど今度のは脚が速そうだから突然しゃがんだんだ。で、追いかけてきたほうは則光につまずいて倒れた。則光は立ち上がってまた相手の頭を打ち割った」
ツヨシ「へー、かっこいい」
あすか「普通なら強盗、引き時だよな?だけどこいつらはしつこかった。『けやけき奴かな(こしゃくなやつめ)』と悪党ならかならず言うセリフ使っておそいかかってくる。今度こそやられると思った則光は「仏神助けたまえ」と刀を矛のようにして、その悪党の腹にブスリとやったんだ。悪党の背中突き抜けた刀を柄に戻すと相手は仰向けにひっくり返った。そこをまた太刀で切り込み、相手の腕は太刀持ったままつけ根から斬り落とされた。もう追ってくる奴はいなかったんで供の少年に着替えを持ってきてもらって全部綺麗にして宿直所に戻った」
了(左)「すげー腕前だな」
ツヨシ(右)「よく眠れたね」
あすか「いくら強盗とはいえ、3人も殺しちゃったら罪に問われると思ってドキドキして寝るに寝られない。翌朝事件のことが役所にも報告され、同僚に誘われて現場に行ったら、さらにどこにでもバカっているんだね、30ぐらいの髭面男が、『オレが強盗を3人もコーやってあーやって倒したぞ』とほら吹き武勇伝語ってんの。おかげで則光は捕まらずにすんだんだよ。めでたしめでたし」
ツヨシ「分かったから刀とか出さないでよ」
あすか「ちなみに則光の家は学者の家系で、その縁で清少納言と結婚したんだと思うんだけど、則光、学問のほうはさっぱりで、和歌が下手でね。清少納言の代表作『枕草子』に悪口書かれてたよ」
ツヨシ「やめてくれよ、女性不信になるじゃん」
了「武芸の達人も奥さんにはかなわないか」
あすか「このお話、ちゃんと頭に入ったんなら、それ食べていいよ」
二人「入った、入ったよ」
ツヨシ「あすかっちのクッキーとカップケーキ嬉しいな♪」
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男子のたしなみとして武芸はみんな形だけやってたんでしょうが、武士でもないのに剣術に長けた貴族、ここまで詳しく戦いっぷりを簡潔に正確に記録した逸話はなかなかありません。戦いが目に見えるようです。
この話は面白く読めました。
中高生の、血湧き肉躍る内容に乏しい、枯れたものばかり習ってて古文のモチベーションが上がらない諸君、面白い古文のものはたくさんありますよ~。食わず嫌いしないで、よろしければどーでしょうか。
全くのビギナーには他のに比べてこちらからのほうが物語として楽しめます。テストに出るかって?さあ。でも読んでるうちに自然に古文が身についてきたりするので損ではないですよ。↑
全エピソード読んでみたいという方はコチラ↑。もちろん、この他にも今昔物語集はたくさんあります。
あと講談社学術文庫のは全現代語訳なので、お時間がある方はそちらも……。
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