ウナギの蒲焼き事件 | 高峰明日香の明日はどっちだ!

高峰明日香の明日はどっちだ!

SFホームドラマ。永遠の時を生きる「ジルコニア」の少年少女たちの日常と夢と性と悩みがドールによる劇場で石神井公園・池袋・新宿を舞台に繰り広げられます。闇深いです。記事は予約投稿です。

ファンタジーキャッスルのほうの、あすかっちの家へ帰る。

あすかっち「い~ま~は涙、涙こぼれてゆけ~、風の中にいつか聞こえる~♪き~み~の声が~ぼ~くをーはーげーまーしてる♪いつか強く、強く、なる~のだから♪」

 

了(左)「え?天然ウナギが食べたくなって市場に行ってもなかった?まだ獲れる季節なのに。じゃあオレが川に行って獲ってきてやるよ。バカみたいにウナギが捕れる川見つけたんだ」

あすか(右)「ほんと?」

了「物置から七輪出してきて、支度よろしく」

 

久美子(右)「七輪なんか出してきてどうするの?」

あすか(左)「ウナギの蒲焼きにするの。了くんが獲ってくるって」

久美子「わあ、嬉しい」

 

久美子(左)「楽しみねえ」

あすか(右)「そろそろ帰ってくるかと思ったんだけど遅いな」

 

突然、法衣を着たねぎっちょ、現る。

あすか(中央)「ね、ねぎっちょ?どうしたの?」

 

ねぎっちょ「大事な儀式の練習中だったんだけど、お腹すいて集中出来なくて、そしたらあすかっちの顔が思い浮かんだんでワープして来ちゃった。何か美味しいものこれから食べるんでしょ?」

あすか「実は了くんがウナギ獲りに行ってるんだ」

 

ねぎっちょ(右)「ねえ、久美子ちゃん、あなた音楽学校卒業したら、冒険者にならない?」

久美子(左)「え?どういう意味?」

 

ねぎっちょ(右)「要するにモンスター退治屋にならないかってこと。あなたの歌声の周波数で教室中の窓がバンバン割れるんですってね。耳栓しないと鼓膜が破れるんですってね。凄い特技だわ。天性の冒険者よ」

 

久美子「ふざけてんじゃないわよ、あたしモンスター退治屋になるために音楽学校の厳しいレッスン受けてるわけじゃないのよ」

 

ねぎっちょ「ううん、私の勘は当たるのよ」

あすか「久美子ちゃん、ねぎっちょはこのファンタジーキャッスルの中でもかなりの権力を持つ星詠み博士で霊能者なんだよ」

 

久美子(左)「それがなんだっていうの。あたしは必ずオペラ座で『トスカ』のアリアを歌うわ。オペラ歌手として生計を立てるつもりよ」

ねぎっちょ(右)「ええ、卒業して4~5年は舞台に立ってるあなたの姿は見えたわ。でも不老不死の役者って結構いるけど、あんまり人気ないわよ」

久美子「喧嘩売ってるの?」

あすか(奥)「久美子ちゃん、了くんがそろそろ来るよ」

 

了「みんなが喋ってる間に全部焼いちゃったよ。さ、食べよう」

 

あすか(左)「あー、美味しかった。やっぱり天然ウナギは違うねえ」

久美子(右)「こんな美味しいの、もう一生食べられないのね」

了(奥)「なんであんなに沢山獲れたんだろ」

ねぎっちょ(手前)「各自思いそれぞれなとこ悪いけど、あれ生け簀から川へ逃げ出した養殖ウナギよ」

3人「えーっ?」

 

あすか(左)「食べちゃったものはしょうがないじゃない。逃げられたのは管理が悪いからだよ」

了(中央)「どうしようか、菓子折持って弁償代持って……」

久美子(右)「バカなの?被害届も出てないのよ」

ねぎっちょ(手前)「3人とも、心配無用よ。もっともあすかっちは心配しちゃいないようだけど。逃げたウナギの残り、いますぐ魔法で養殖場に戻してあげる。足りない分はあすかっちのクレジットカードからー」

あすか「うーん、感謝すべきか恨むべきか」

 

ねぎっちょ「あなた方、ひとつ貸しよ、卒業までに久美子ちゃんに冒険者になるよう説得してね」

 

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土用の丑の日は7月28日でした。美味しかったです。

 

明日は久しぶりに、ソージツくんと朝霧さんが出てきます。

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