第3部:殺し屋と少女のブルース(加筆改稿版) | 高峰明日香の明日はどっちだ!

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お人形劇場。永遠の時を生きる「ジルコニア」の少年少女たちの日常と夢と愛と悩みがドールによる劇場で石神井公園・池袋・新宿を舞台に繰り広げられます。闇深いです。コナン時空です。1/6ドール(ジェニー・リカ・バービー・六分の一男子図鑑等)注意:PG12

妊婦さんはご遠慮ください。

あすか(右)「先生、教会からの仕事、こんなにたくさん来てたじゃないか!しかも私宛の!ひどいよ、隠すなんて」

レオン(左)「あー、それはくだらない殺しの依頼だから全部断った」

あすか「……それプロって言えるの?」

 

あすか(右)「この件は別だよ」

レオン(左)「お前は災害救助ボランティアかボディーガードぐらいしかやらせたくないんだがな」

あすか「どうして?」

レオン「お前の容姿は目立つ。人目を引くから一度見かけたら忘れないだろう。その辺の事務所の子役だと言ってもおかしくない。印象の強いヤツに殺し屋は務まらない」

 

レオン「……この件か。女子中学生が同級生の少女3人に3時間暴行を受けたあと、同級生の飼っている闘犬に頭部を咬まれ現在も意識不明の重体って事件な。ひどい事件だったのに『いじめと事故』と結論づけられ、犬が殺処分され犯人3人はなぜか注意を受けただけ、担任教師は妊娠中で体調が悪く会談は無理、校長は協力は一切しないと宣言しハワイへ逃亡したと聞いたが?お前、被害者に同情するようなタイプじゃないよな?義憤か?」

 

あすか「イヤ別に。ただ、この3人、今度は別の同級生に同じいじめを始めたんだ。またも学校側は取り合わない。このままだと第2第3の被害者が出る。今度はどんな方法で悪事をするか分からない。それでも彼らは少年法でおとがめなし、大人になっても同じことを繰り返すだろうと思って」

レオン「それを義憤と言うんだ。これは被害者の母親からの依頼だろう?一人娘がこんなことになって悲しいのは分かるが――」

あすか「一部始終目撃した匿名の人からの依頼だよ。いじめ加害者が犬をけしかけたって。いじめが恐くて証言できなくて私宛に来た依頼なのにだめなの?」

レオン「匿名じゃだめだ。おれたちは必殺仕事人ではない」

 

レオン「警察がこれを放置するのは、いじめをした側は将来仕事の出来る大人に育つが、いじめられた経験のある子どもは心の傷から大人になってからも仕事ができなくなるという統計があるからだ。社会に貢献できない人間は淘汰されたほうがいいという愚かな考え方だ。だが復讐したところで被害者の意識が戻る見込みもないし、お前の馬鹿力で少女を手にかけたらもみあってるうち相手の首がちぎれたりして犯行が誰の仕業かすぐ分かってしまう」

あすか「ちゃんと加減するよ」

レオン「あすか、よく聞け。一度人間を手にかけたら、もうもとへは戻れないんだ。人がすっかり変わってしまう。今までのように面白おかしい小説は書けなくなる。お前の仕事は、多くの人を元気にすることだ。人に尽くすことだ。それができなくなる」

 

あすか(右)「私、そこまでピュアじゃないんだけど」

レオン(左)「ピュアじゃなくていいんだ。オレはお前から『●●って可哀想だね』という言葉を聞いたことがない。同情心に欠ける点があることも知っている。だが、優しすぎる人間に人を助けることは出来ない。ちゃんと線を引けるからこそベビーシッターや『学童保育のお姉さん』や災害救助ボランティアをまかせられるんだ。だがこれ以上のことはさせられない。オレの仕事を手伝わせているのは単に子連れだと怪しまれないからだ」

 

レオン「お前は人をあやめた手でアルバイトでベビーカーを押せるか?人の心を慰める小説が書けるか?守るべき対象者を守れるか?無理だろう」

あすか「作家って嘘つきだから、そんなもんなんだけど」

レオン「それは強がりだ。いじめ加害者の少女3名は、被害者が自分から犬に飛び込んでいったと言っているが、嘘であることは明らかだ。だがそれを見たものが名乗り出ない。証拠がなければ少女たちの証言を信じるしかない。警察は被害者の心神喪失による自傷と判断し、世間もそれで納得した。この件はもう世間では終わった事件だ。人をあやめる少女たちは、これからも永遠にあやめ続ける。そしてそのうち尻尾を出す。その時狩ればいいじゃないか。お前はやつらと同類になりたいのか?」

あすか「犯罪を未然に防がなくていいの?」

レオン「この依頼は復讐であって次の犯罪防止ではない。おれたちにはこれ以上関係ない」

 

あすか「自分の身内が同じ目に遭っても同じこと言える?」

レオン「法的手段が無駄だったとき、自分で自分に依頼するさ。だがお前にはその時は手伝ってもらわない。それにおれは、妹そっくりの面差しのお前には清くいてほしい」

 

あすか「警察の仕事だって事件を未然に防ぐことじゃなくて事件を起こした犯人を逮捕することでしょ。いま狙われてる人はどうすりゃいいのさ。次はどんなかたちで被害が出るか分からないよ。そしたらこの話を聞いた私にも先生にも責任あるよ。助けられる命を助けられなかったら、関係ないとは言わせない」

レオン「仕方がない、そこまで言うならあすか、支度しろ。ただし今回お前は見ているだけだ。迂闊な手は出すな。犯人の少女3名にはいつもどおり南米への片道切符を持っていってもらう。さらに、犯人はおつむが良さそうだから、向こうでも誰かを騙して逃げ出すかもしれないな。もう日本に帰ってこられないように、ダルマになってもらおう」

 

あすか(右)「私に来た依頼なのに」

レオン(左)「こういうことは、おれにまかせろ。船の手配をする」

 

帰宅、そして。

レオン(左)「いくらオレが危ない目に遭いそうだったからって、あそこまでやることはないだろう。南米に到着するまで生きてるかな」

あすか(右)「よくそんなことが言えるね。先生がイマドキの女子中学生を甘く見るからこういうことになるんだよ。あいつらも横綱力士みたいな体格だったでしょ。闘犬飼えるくらいだからあんなもんだよ」

レオン「お前だって則天武后か西太后かってところだったぞ」

あすか「バケモノ扱いされるのは慣れてるよ、先生ご高説垂れた割に今回頼りなかったね」

 

その翌朝、被害者の女の子の手が、彼女のお母さんの前でピクリと動きました。

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今回から第3部ですが、仮の第3部です。というのはそんなに準備してないからです。

知らない分野を勉強していく関係で今後毎日更新という目標はやめましたのでなにか思いついたら書いていきます。

あすかっちが加害少女たちになにをしたかは秘密です。

よろしくお願いします。

この物語はフィクションです。実在の人物・団体名・その他とは一切関係ありません。

<禁・無断複製転載>

 

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