久美子(左)「お母さん、初詣行かないのに着物注文する必要ないんじゃない?それにそろそろ自分で柄、選ばせてよ」
テルコ(右)「お付き合いってものがあるの。それに久美子に柄を選ばせると地味すぎるのよ。子供には嫌味だわ」
テルコ「あすかちゃんの黒振袖だって結局届かなかったし、やっぱりいつものお店でないとダメよ」
久美子「これじゃ七五三だわ。なんで袖もこんなに短いの」
テルコ「久美子は袖をドアに引っかけて破ったことあるでしょ」
久美子「あたし黒振袖のほうがよかった」
ノンコ「届かなかったわねえ。この前のチャイムのがそうだったのかしら。あの時間、みんな出掛けていたし……でも、なんの知らせも入ってなかったわね」
あすか「モニターに記録されていた配達員はママチャリに乗ってたよね」
ノンコ「自転車で配送するなんてねえ」
ノンコ「どっちみち、初詣は行かないから遅れてもしょうがないわ。お店に連絡したけど発送はされたのよね。あとは配達員の人と連絡が付けばいいんだけど」
久美子(左)「どお?」
あすか(右)「若く見えて可愛いと思う」
久美子「中学生に若いも老けもないでしょ」
あすか「金糸の模様とか刺繍だね。かなりいい帯じゃん。初詣に行けないのが残念だ」
久美子「黒振袖届いたら貸して」
あすか「それ、そんなに気に入らない?よく似合ってるよ」
あすか「やっぱりいつもの店で頼めばよかったなー」
ツヨシ(右)「あすかっち、そろそろ紅白始まるよ」
あすか(左)「どうせ今年も白組が勝つに決まってるから見ない」
============================
あすかっちが注文した黒振袖は、2月になってから、玄関の前に無造作な包みに入って置かれていました。誰かが何度も着たあとがあり、おはしょりではなく裾を何度かほどいては縫いした痕がありました。そして、なんと襟は左前に置かれてたたまれていました。
店側に抗議したところ、配達員とは連絡が取れない、とだけ返事が来ました。
作中で「初詣には行かない」と言っていますが、テルコさんとテルコさんの夫で税理士のアキレスとその事務所の社員達は縁起を担いで初詣に行きます。久美子ちゃんはお留守番です。
紅白はあすかっちの予想を裏切って紅組が勝ちました。
<禁・無断複製転載>







