編集部のナタリーさん「実は、舵取先生が、高峰明日香と同じ号では書かないって言いだしてね」
あすか「へ?私なんか恨み買った?」
ナタリーさん「恨みと言うよりヤキモチね。あの先生の書くものって、いつか読者が卒業していくのよ。あの先生、売れりゃいいって人じゃないの。自分の本は本棚に置いておいて何度も読んでほしい。だけど読者から見たら、舵取先生のは「そこそこ有名だから」なのよね。とりあえず話題作だから読んどけみたいな。あんたヤキモチ妬く側から、妬かれる方になったのよ」
あすか「舵取先生あれだけ売れててヤキモチねえ……」
ナタリーさん「アンタの小説は読者から『卒業』されないからね。文体も独特だし、一度ハマると次も読みたくなるから、少しトシのいったヒトに受けがいい。新しい読者も入ってくるし、スタバVSタリーズみたいなもんかしらね。それで驚威感じたんじゃないかしらね」
あすか「でも、『惰性時代』の看板作家の舵取先生がいないと売れ行き落ちるんじゃない?」
ナタリーさん「それはまだアンタが心配してくれなくていいわ。看板作家は他にもいるから。そもそも舵取先生が書いてなくても雑誌は売れるの」
あすか「そうかなー?舵取先生の作品、映画化されたんでしょ」
ナタリーさん「最初はみんな見てくれるんだけど、あとは右肩下がりね」
あすか「私も自分の作品が映画になったらいいのになーって思うよ」
ナタリーさん「映像化不可能って言われてるし、ファンも中途半端な監督や役者じゃイヤだってうるさいのよね」
あすか「そっかー。喜んでいいんだか悲しむべきか」
ナタリーさん「で、コチラも色々考えたのよ。アンタの作品載ってなければ『惰性時代』買わない読者もそこそこいるからね」
ナタリーさん「アンタ自分の小説の挿絵は自分で描いてるでしょ。まあヘタウマだけど。漫画も描けるんじゃない?」
あすか「はあ?」
あすか「漫画描いたことないけど」
ナタリーさん「エッセイマンガでいいわよ。そんで『惰性時代』に舵取先生が書いてる時は別冊付録につけるの。冒険なき発展はないわ。アンタなら描けるわよ」
あすか「……自信ないけどやってみる」
そして。
ナタリーさん「喜べあすかっちー。別冊付録毎号つけてくれってファン現れたわ。ムリだから春の号と秋の号って形で決まり。漫画家デビューおめでとう。舵取先生は漫画読まない人だから気にしちゃいないわ。次もよろしくね~あといつも通りの『惰性時代』用のドロドロ短編忘れないでね」
あすか「ええええ~っ?」
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こうしてあすかっちはエッセイマンガ家デビューしました。
学校の休み時間に漫画を描くという生活になりました。
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