あすか(右)「松崎村というところに天狗森という山があって、その麓で畑仕事してた若者が、仕事中眠くなってうたた寝してたんだ。そしたら顔が真っ赤な大男がかれを見下ろしてたんで、なんかムカついて『どこの誰だ』って聞いても黙ってるんで、その大男に相撲をしかけたんだ」
アンバー(左)「どうして突然お相撲になったの?力自慢なの?」
あすか「そうだね、力自慢だ。面倒くさいタイプってんでもないんだろうけど、相撲取るのが大好きで、誰彼構わず仕掛けてたのさ。今回も大男をぶん投げてスカッとしたかったんだろうね」
百鬼丸「(ぼくはそういう男、めんどくさいと思いますけどね、がうがう)」
クリスタル(右)「その大男、イケメン?」
あすか「さあ、分からない。若者は大男に逆に投げ飛ばされて気絶して、気がついたあと、家族にそのことを話した。その年の秋、村人みんなで萩を苅りに山に出掛けたの」
あすか「帰りに、例の相撲好きの若者だけ姿が見えない。みんなで探したら、谷の奥で、遺体で見つかった。その遺体は、手と足が1本ずつ引き抜かれていたんだ。天狗森には昔々から天狗が棲んでるって話は有名だよ。おしまい」
クリスタル(右)「やだぁ、そんなの恐い!天狗って美少年に武道を教えてくれるんじゃないのー?恐い、今日寝られない」
アンバー(左)「それ義経よ。作り話。実際は、君子危うきに近寄らずよ」
あすか(左)「クリスタルって豆腐メンタルだよね」
久美子(右)「アンタがデリカシーないのよ。あのぐらいの子にはお姫様の話してあげればいいのに」
あすか「うーん、お姫様が出てきたり西欧の話だったりすると残酷でもノってくるのに、フシギだ」
久美子「あの二人の家の裏はすぐ後ろが山なの。もうちょっと考えたら?」
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「遠野物語」は民俗学者・柳田國男があちこちから集めてきた奇異な昔話をまとめたものです。だいたい恐い話ですね。天狗といっても全く正体が分からないわけで、よく分からないからよけい恐いんですよね。
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