あすか「ああ、ナタリーさん。原稿読んでくれた?」
編集部のナタリーさんの声「あすかっち、結末をハッピーエンドにしないでって言ったでしょ?書き直して。この物語まだ続けるんだから」
あすか「えー?もう終わらせようよ、ヒロインの性格、全然感情移入出来ないから書いてて苦痛なんだよ。初ファンタジーだったとはいえ、他にもこういうヒロイン書いてる作家いるでしょ」
ナタリーさんの声「そのヒロインが人気なのよ」
ナタリーさんの声「男性読者がヒロインのエリーゼに熱上げちゃって、まだまだこの話読みたいんですって。可憐で優しくてボインでけなげなところがウケちゃって、この巻では終わらせないって編集長が乗り気でね」
あすか「えー?もう最終巻だから次のプロット読んでもらおうと思ってたのに」
あすか「もう騎士のフェリックスとくっつけて終わらせようよ」
ナタリーさんの声「ダメよ。エリーゼは永遠に男性読者のものよ。今日は直接そっち行くから、缶詰になってもらうからね」
あすか「……どうしよう」
久美子「贅沢よぅ、あすかっち。続けたくても続けられない作家がいっぱいいるのに。あたしとしちゃ最終的にはエリーゼとフェリックス、くっついてほしいけど、もうちょっと読みたいわ」
あすか「勘弁してくれよ」
あすか(右)「なんで?」
久美子(左)「だってフェリックスの親友のテオとのからみももうちょっと読んでいたいんだもの。あたしとしてはこの二人が一緒にいる時は、エリーゼは邪魔ね」
あすか「はあ?」
あすか「もう書く気ないよ、エリーゼとフェリックスのなが~い春」
ナタリーさん「あすかっち、来たわよ。さあ書いて。書く気が出るようにファンレターのメールをプリントアウトしてきたから。」
あすか「え?」
ナタリーさん「まず一通目、『こんにちは、ぼくはエリーゼを生涯の恋人と決めています。どうかエリーゼをぼくにください。フェリックスはどっかで殺しちゃってください』二通目、『エリーゼのことを思うと眠れません。オレ一生彼女を守ります』、三通目、」
あすか「うわあああああ!」
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あすかっち、当分書きたくないヒロインを書かせられ続けるようです。
せっかくお仕事が軌道に乗ってきても、素直に喜べないのでありました。
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