アルフレッド「お嬢様がやたらライバル視なさる浦沢姫華さんの、『14才、放課後の寄り道』を読了いたしましたが、どこもお嬢様と作風は似ておられません。自意識過剰ではございませんか?ものを書く人はどこかそういう面がみなあるとは思いますが、タイプが違いすぎてお話になりません」
あすか「でも冒頭の自伝の中学生作家の主人公の名が明日香ってのは笑えるでしょ?」
アルフレッド「それだけ多くの人から愛されてる名前だと思えばよろしいんじゃないですか?」
あすか「そうだね」
アルフレッド「この人は文章がそこらへんのラノベ作家よりよっぽどお上手です。中学生とは思えません。しかし中学生にしか書けない学校の様子や心情を上手く掴んでおります。表現力はたいしたものです。同じ歳で気にするなというほうが難しいほどよく書けています。いかにも文学少女が書いたという文章です」
あすか「うん。私はこの人みたいに植物の描写はあまり文に織り交ぜられないよ」
アルフレッド「ですが、この人は初々しい清純派作家のイメージからいつ、抜け出せるのでしょうね?万人受けする作家ですからしばらくは今のキャラクターでよいでしょうが……お嬢様はコラムを書かれていた時から無頼派ですからこれから先、何を書いてもファンは驚かないでしょう。そこが違いますね。おふたりの対談のすさまじい記事が載った『小説不快』は面白かったですよ。向こうは当惑されてましたね」
あすか「まーねー」
あすか「タイプが違うと言われれば救われるけど」
アルフレッド「前にもナタリー様から言われているでしょうし私も申し上げましたが、おそらく、お嬢様のファンのどなたもお嬢様が本当に中学生だとは思っておりません。なぜならお嬢様の作品はどれも深い情念とヒトの業(ごう)にあふれているからです。これはあちらにはないものです。どうか、ご自分の長所を大事に育ててください。お嬢様は浦沢姫華にはなれませんし、浦沢姫華もお嬢様にはなれません」
あすか「……りょーかいしました」
百鬼丸「(あすかちゃんの小説は血湧き肉躍るアクションか、こわぁ~いものが多いです、がうがう)」
ノンコさんの声「アルフレッド、麦茶持ってきてちょうだい」
アルフレッド(右)「かしこまりました」
ノンコ(左)「あすかちゃん、浦沢姫華さんとは違う分野で頑張って」
あすか「お母さん、痩せちゃったね。ごめんね、突然転校して」
ノンコ「いいのよ、あすかちゃん明日はきっとびっくりするわよ」
あすか「え?浦沢姫華関連?」
ノンコ「もう。彼女のこと考えるのやめなさい。とにかく、明日は驚くわよ」
あすか「いい話?」
ノンコ「明日までひみつよ」
緑中学校で。
校長先生「みんな、新しい数学の先生だよ。いま、うちは先生の手が足りないので来ていただいたんだ」
ノンコ「高峰暢子といいます。栄中で教えていました。みなさんよろしくね」
生徒A「うわっ、美人だ!」
生徒B「ほっそ~い!きれ~い!」
タケル「俺たち、栄中時代、あの先生に教わってたんだぜ。教え方上手いよ。土日にあの美人が補習やってくれるんだぜ」
生徒C「すげー」
あすか「……びっくりってこういうことか……」
えれぽん「あすかっち、どうかしましたか?」
あすか「……いや……」
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実はおしゃべり奥さんが栄町付近であすかっちのことを毎日喋りまくったので、ノンコさん、栄中にいられなくなってしまったのです。
今年度は担任をしていなかったこともあって、来年度からなんて呑気なことは言えず、即、緑中に来ることになりました。
※「14才、放課後の寄り道」という本は実在しません。
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