ツヨシ「あすかっち、人はもっと欲望のままに自由に生きるべきなんだよ」
あすか「なんだお前、変なものでも食べたのか?」
ツヨシ「今日ぼくのピアノコンサートに来てくれた投資家の奥様が、クラウドファンディングでお金集めてCBX400Fを作ってもらおうと」
あすか「私はメカのことはさっぱり分からないんだが」
ツヨシ「レッド&ホワイトツートンは発売時48万5千円だったのに、今160万円ぐらいになってるんだ。もう生産してないから。それを良心的な価格で再生産してもらおうと」
あすか「怪しいなあ。私は今、冬休みガーナに行ってガーナの子供達に直接チョコレート手渡す計画立ててるんだよ。印税で買ったチョコ配るって決めてる。バイクに回せるほどお金ないよ」
ツヨシ「あすかっち、そんな偽善やめようよ。ちょっとの子供達にチョコレートが行き渡ったって、ずっと援助できるわけでもないし」
あすか「人間は数字じゃないよ。ひとりでも多くチョコが食べられたらそのひとりは自分が働いた成果がどんな形で食べられているか知ることになる。無駄じゃないさ」
ツヨシ「あすかっち、400ccぐらい乗れるんだろ?たしかバイク、もう1~2台持ってたよね?2人乗りしたくない?」
あすか「私はメカに詳しくないから原チャリでいいよ。そのご婦人に48万5千円出してもらいな」
ツヨシ「いくら良心的価格っていっても昔の値段じゃ無理だよ、どれだけの人が集まるか分からないし」
あすか「アテにされてもな。今まで稼いだのはどうなってるんだよ」
ツヨシ「楽譜に化けた」
あすか「じゃあピアノに専念しろよ」
ツヨシ「でも、その奥様が、ストイックに生きるより多くの世間を知ったほうがいいって」
あすか「私は知らん。妙な奥様だよ。帰ってピアノ弾いてな。お前の場合、CBXが欲しいのはバイクそのものより後ろに乗っける女の子がいたらって動機だろ。アイドルオタクだった時のお前のほうがまだマシだったよ」
ツヨシ「…分かったよ」
その1週間後。
ツヨシ「実はお金渡した途端、奥様から連絡取れなくなって…ホンダに確認したらそんな話はないって…どーしよう借金して払ったのに」
あすか「やっぱりな…。ピアノ弾いて借金返すんだね。に、してもなんで事前にホンダに聞かなかったんだよ」
ツヨシ「そうだよね。奥様あまりにも自然で、クチ上手くてコロッと騙されちゃった」
あすか(右)「ツヨシくん、冬休み一緒にガーナに行って、チョコ配らないか?ボランティアが欲しかったんだよね。なかなか暇な人が見つからなくてね。ついでに現地で富裕な人目当てにピアノリサイタルしよう。これできみの借金も少し軽くなるだろ」
ツヨシ(左)「うん分かった、行く。やっぱりストイックに生きるよ」
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このあと、現地の空港で、あまりにも持ち込んだ板チョコの量が多くて麻薬の密輸と間違えられて麻薬捜査犬が来るまで足止め食ってぐったり疲れる旅になることを、二人はまだ知らない。。。。
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※この物語はフィクションです。私がドールにハマったきっかけは、バイクのプラモを作っていた頃「このバイクに乗せるお人形が欲しい」と思ったことです。自分でも乗れたらいいんですけどね。










