あすか(左)「お母さん、大変!××国で宗教弾圧始まったって」
ノンコ(右)「だめよあすかちゃん、女の子がよその国の政治に関心持っちゃ」
あすか「でもいつか日本でもそういうことが起きたら」
ノンコ「大丈夫よ、政治家がしっかりしてるから、あすかちゃんは食べ歩きの記事やペット、家事、DIYや嫁姑ドロドロホームドラマだけ書いていればいいの。変な心配するとお仕事なくなっちゃうわよ」
ノンコ「さ、こんなもの見るのやめて。女の子は政治や思想について考えちゃダメ。男の人に生意気な女だと思われるわよ。宗教は、もううちは無宗教になったの。だから関係ないのよ」
あすか「じゃお葬式はどうしたらいいの?」
ノンコ「病院から直葬って形で、無宗教で合葬して。山も海もキライだから遺灰は撒いたりしないでね。とにかく、こんなモノ見ちゃダメ」
あすか「私は単に社会学として…」
ノンコ「女性の社会学者なんている?男の仕事よ。女が触れていい社会学は女性の範囲のことだけよ」
あすか(左)「いや、そういうことじゃなくて…」
ノンコ(右)「とにかく、色のついた人間にならないで。そういうことを考えていると、色のついた団体や人がここのうちをたまり場にして騒ぐでしょ。お母さんそういうのイヤなの、活動資金としてお金ごっそり持って行かれるわよ。あげく逮捕されてあんたも巻き込まれて牢屋に入れられるわよ。そういうのと一切関わりを持たないで。政治は私達の暮らしに何の関係もないわ。ちゃんと税金払ってるし、ひとりぼっちになった時、生活レベル落とせばなんとか暮らせるでしょ。私、お祖母ちゃんには頼った生活したくないの」
ノンコ「いい?ここに住めなくなっちゃうのよ。あんたはなんでも深入りしすぎるから、どんなことでも適当にしておけって言ってるの。なにかに凝って幸せになれた人は居ないわ。あんたが反社会的なことをしたら、お母さん教師続けられなくなるの。特定の政治・思想・宗教を持たないで。ノンポリのままでいてちょうだい」
あすか「もし××国のキリスト教徒の家に生まれ変わっちゃったら?」
ノンコ「生まれ変わりもあの世もないわ。もう天国もお母さんには必要ない。死んだらそれまでよ。常に周りの人と同じ立場でいることにしたのよ。そうしないとここで暮らせないわ」
あすか「消えて無になるの恐くないの?」
ノンコ「もう恐くないわ。恐いのは他人様に迷惑をかけることよ。いつの間にかふっと居なくなっていたってキレイに逝きたいわ」
あすか(左)「私はまだそこまで悟れない。恐い」
ノンコ(右)「あすかちゃんも私の歳になったら恐くなくなるわよ。それより『前世療法』だの『あの世の話』だの恐い本また買ってきたでしょ、あんなのうちに持ち込まないで。お母さん不吉な本は嫌いよ」
あすか「お母さん、読んだの?」
ノンコ「読むわけないでしょ、タイトルが嫌い。もっと元気で明るくて美味しそうな本を読んで、面白い話だけ書いて出版してちょうだい」
あすか「だけど、旦那さんがどこかの檀家だったら」
ノンコ「あんたは結婚しないの!もしあんたが先にコロッと逝ったら、家屋敷財産ぜんぶ旦那の親戚の人に持っていかれちゃうのよ。自分で自分の面倒が見られなくなったら、ヘルパーさんに来てもらって、弁護士にお金の管理をしてもらってね。ずーっとひとりで暮らしなさい。孤独のほうが人は幸せなのよ。旦那なんてトシ取れば取るほど邪魔よ」
あすかっちのモノローグ「(世界中から宗教がなくなれば、本当に人は幸せになれるのでしょうか?たしかに無神論者だと告白しただけで即、殺されてしまう野蛮な国は世界にたくさんあります。そして日本でも特定の宗教は持たない方が今では歓迎される世の中です。でも、私は宗教を押しつけられたくないけれど、無神論者になれと強要されるのもイヤです。仮に自分の命があと1日しかなくて、そのあと永遠に無なのだとしたら、私は小学校時代に私をリンチし続けた男子生徒を死ぬよりつらい目に遭わせに行きます。レオン先生から習った拷問にかけてやります。母の言うとおりなら、死んだらいい人も悪い人も無なんだから、別にいいですよね。宗教がなくなったらそういう人間ばかりになる気がします。法では人を救えません。厳しい戒律でもできません。人を救うのは愛です)」









