注意


ここから先は私の勝手な創作になります。

アプリとは関係ありません。

苦手な方はここでお戻りいただけますようお願いいたします。


今回はかざるさんの秋のコラボ企画【恋戦の旦那様と秋のアウトドア♪】 に参加させていただくことになりました音譜←リンクでインデックスに飛びます。


私が担当させていただくのは、清盛さんです。

尚、主人公は「初音」にしています。


今回でやっと最終話ですあせる



*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


「……うーん……」

翌朝、カーテンの隙間からわずかに差し込む朝日に目を覚ますと、私は見覚えのない部屋のベッドに横たわっていた。
とても滑らかなシーツに悠々と大の字になれそうなベッド。
明らかに高い天井はここが家ではないことを物語っている。

えっと…ここどこだっけ?
寝起きの回らない頭を無理矢理回転させると、少しずつ記憶がつながってくる。
旅行に来ていて、雷がひどくて……。

(清盛さん!!)

はっとして隣を見た瞬間、唐突に目が覚めてがばっと起き上がる。
いない。
隣にいたはずの清盛さんの姿が、なかった。
ベッドにももはや人がいた温もりを感じることはできず、言い知れぬ不安感が頭の中を駆け巡る。

私より早く起きることなんてほとんどないはずなのに。
今日に限っていないなんて…。
ベッドボードの時計に目をやるとまだ6時半を少し過ぎたくらい。
私が寝坊したわけではないみたい。

昨日から清盛さんはどこかいつもと違った。
私の思い込みなら、ただの憂いならそれでいい。
けれど、もし違ったら…?

とにもかくにもこの不安感を拭い去りたい。

私は無造作に一枚羽織物を羽織っただけで寝室を飛び出した。
リビングに入ってすぐに見えた後姿にひとまずは安堵を覚えたのだけれど。

清盛さんはバルコニーへと続くガラス窓から、外を眺めているようだった。

清盛さんが一人で景色を眺めているとき。
それは大概何かを抱えているときだ。
そしてそんな時でも清盛さんは人に弱さを見せたりしない。

「清盛さん…おはようございます」

「ああ。お前相変わらず朝早えーのな」

そっと隣に並び立つと清盛さんの顔を覗き見る。
憂いの表情は特に見てとれず、再び内心ほっと息をついた。

「でもまあちょうどいいか」

「はい?何がですか?」

ちょうどいいって何だろう?
予想外のことが多すぎてなんだか頭がついて行っていないような気がする。

「見てみろよ」

「え?」

首をかしげて清盛さんを見つめてると、清盛さんはふっと笑って私の肩に手を置く。

「俺じゃなくて空」

そのまま体の向きを変えられ、やっと清盛さんの言わんとすることに気づいた。

「あ…」

ついさっきまで清盛さんの姿を探すことに必死で、言われるまで全く気付かなかったけれど。
磨き抜かれた透明なガラスのドア越しに見えたその景色に絶句する。

「来い」

手を引かれるままバルコニーに出ると、目の前に広がっていたのは


―――二重虹だった。


ごくごく薄く水色に色づいた広い空。
東の方角にはまだ低い太陽が輝いていて。
そんな空いっぱいに七色に輝く橋が架かっていた。
それも寄り添うように二本、色鮮やかに。

虹のふもとを辿れば、つい昨夜見に行ったばかりの燃えるばかりの赤い木々が目に入り、それはもう美しいとかそんな生ぬるい言葉にできるようなものではない。
見た人にしかわからない、そんな光景にただただ魅入ってしまう。

「あ……」

ホテルの高層階から見上げる二重虹とふもとに広がる紅葉。
その光景に頭の中でいろんなピースがつながった気がした。




それは東京にいたある日のこと。
その日、清盛さんは家に来ていて私はキッチンで料理をしていた。
のだけれど。

手早く仕上げてリビングに戻ったものの、どこか清盛さんが不機嫌そうな気がする。
清盛さんはうまい、と食べてくれるけれど、やっぱりどこかおかしい。

時折訪れる沈黙に耐えきれずテレビをつけると、ちょうど雅仁さんがインタビューを受けている様子が映った。

「やっぱり雅仁さん人気者なんですね」

「そうみてーだな」

ん?
何だか言葉にやけに棘があるような…。
ふと視線を感じて清盛さんを見ると、ばちっと視線が合った。
不機嫌そうな、けれど怒っているというよりはいじけているような、清盛さんにしては珍しい目をしている。

「お前も…」

「はい?」

「お前も、雅仁が好きなのか?」

「……………は?」

たっぷり10秒くらいはフリーズしたと思う。
私、今なんて言われたの?
まさひとがすき、って聞こえたような気がするんだけど…。

きょとんと清盛さんを見返すと、ばつの悪そうな顔で目をそらされる。

えっと…聞き間違えではないとして、一体何がどうなってそういう解釈になったんだろう?

そらされた視線を追うと、その先にはさっきまでテーブルの上に置いていた雑誌があった。
仕事の下見用にと買った京都観光のガイドブック。
いろんなページに付箋が貼ってあるけれど、一つだけ、色の違う付箋が貼ってあるページがある。
そのページを開いて、やっと問いの意味を理解した。

なぜなら、そのページに大きく雅仁さんが載っていたから。

けれど、私が付箋を付けたのは雅仁さんが目的ではなくて、その隣のページにのっているホテルに興味があったからだ。

『日本で最も二重虹が見やすい場所』

二重虹。
またの名をダブルレインボー。
祝福の虹、天使の虹とまで呼ばれるそれには多くの言い伝えがある。
見た者に幸せが訪れるとか、かけた願いがかなう、地球からの祝福のメッセージだとか。
それから――。

どうしても1回見てみたいと思ってつけた付箋だったのだけど、きっとそれを誤解されたんだと思う。
さすがにもっともひかれた言い伝えとか、清盛さんと行きたい、とかそんなことは言わなかったけれど、粗方のことは説明した。

そして。

「行きてーのか?」

「そうですね。一生に1回くらいはみてみたいかなって思います」

私たちはそんな会話を交わしていたのだった。




「清盛さん」

「あ?」

「ありがとうございます。覚えてて、連れてきてくれて」

そう言ってそっと盛さんの腕をつかんで顔を見上げる。
清盛さんは少し驚いたように目を丸くし、その後顔をそらした。

「まさかこんなにはっきり見えるとは思わなかったけどな」

「私、あの時は言いませんでしたけど、『清盛さんと』見に来たかったんです」

清盛さんは何も言わなかったけれど、聞いてくれているのはわかるからそのまま続ける。
あの時は言わなかった、もう一つの二重虹の言い伝えを。
だから清盛さんと見れたことが何より嬉しいのだと。
小声ながらに伝えると。

「え……ちょ、清盛さん!?」

温かくて力強いものに身体が包まれる。
清盛さんにぎゅっと抱きしめられていることに数秒遅れて気づいた。

「どう…したんですか…?」

「いいからおとなしくしてろ」

耳元で聞こえた声はいつもより少しかすれているようで、やっぱり何かを抱えていたんだなと直感的に感じる。
背に手を回し、そっと触れると一瞬だけその体が強張った気がした。
労わることには慣れていても労わられることには慣れていない人。
いろんなことをきっと人一倍覚るのに、そんなことをみじんも感じさせない人。

唐突に、この人が好きでたまらないんだなと何の脈絡もなく、そう思った。

そしてしばらくそのままで時間がたち、清盛さんに静かに身体を離される。

「初音」

私の目を捕えた瞳はとても強くて、熱っぽさを孕んでいる。
綺麗だなとそう思った。
一瞬たりとも目を離したくない、否、目が離せないと思ってしまうくらいに。
言葉もなく見つめ返す私に、清盛さんは静かに口を開く。

「お前俺と一緒に来るか?」

一言、短いたった一言だった。
けれどとっさに理解できず、清盛さんの言葉を待つ。

「俺は明日、元の時代へ帰る。……お前も一緒に来い」

その声に聞き入って、その瞳にひきつけられ。
ただただ頷くことしかできなかった。
それでも清盛さんはふっと笑って、頭の上に手を置かれる。
そうして初めて、自分が何を言われたのかを理解した。

「お前なんで泣いてんだよ」

自分でも気づかなかったけれど、頬を一筋冷たいものが伝った。

「嬉しいんです」

「そうか」

言いながら清盛さんに肩を引き寄せられて。

「でも清盛さん」

「あ?」

清盛さんの目をしっかりと見つめて言葉を紡ぐ。

「少しくらいは私を信じて……頼ってください」

「……ああ」

見られた笑みにつられるように笑うと、清盛さんの手が私の涙を拭って頬に添えられる。

そして私たちは。
どちらからともなく唇を重ねたのだった。

一緒に見た二人は永遠に結ばれる―――。
そんな祝福の虹の下で。



*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆



お、終わった―にこにこっ


待っていてくださった方がいらっしゃったら、本当にすみませんww

今回は特に、自分の文才のなさを痛感するくらいに筆が進まなくて、どうしよう…と思いながらはや2か月…。

やっと完結しましたあせ


でもこれで心置きなく皆さんのブログに遊びに行ける音譜と若干テンションあがってたり。


亀すぎる更新でしたが、ここまでお付き合いいただいた方、本当にありがとうございました。


それから最後になりますが。

編集長には今回も多大なるご迷惑をおかけして………。

この場を借りてお礼を申し上げます<m(__)m>