これは先月あたりまでの
過去のわたしに向けたメッセージ
 
 

 
 
わたしはこの半年間ほど
男の【手料理が食べたい】という要望に応え
料理好きでもないのに
何度か手料理でお弁当を作ったことがある
 
 
 
それをもちろん彼は喜んでくれたが
半日ほどもかかって作った弁当が
(買い物から入れたトータル時間で)
早食いでガガーっと速攻で
食べられるのを見たわたしは正直
 
 
 
 
 
 
超つまらねえ
 
 
 
 
 
 
と思った
 
 
 
 
 
わたしの手料理を
ガツガツと食べてもらえて嬉しい!
とは微塵も感じなかった
なんだこれ?と思った
 
 
 
 
わたしが数時間かけて
試行錯誤しながら完成した弁当を
ものの数分で平らげやがってと思った
(鬼だなという感想は受け付けない
 
 
  
 
 
なぜそう感じたか?
答えはシンプル
 
 
 
 
好きでもない料理を
自分にやらせたからだよ
つまりは
自分に我慢をさせたからだよ
 
 
 
 

 
 
 
わたしはこの経験で実感した
 
 
 
 
自分は男に手料理を
食べてもらうことに
何の喜びも
感じないのだということを
 
 
 
 
 
そして思い返した
そう言えばわたしは
彼の要望に応えることで
彼を喜ばせようとしたなと
元から持ってもいない家庭的な面を
認識してもらおうとしたなと
 
 
 
 
 
これだ
 
 
このいい人ぶりっこの
ええかっこしい
 
 
 
 
これが人間関係における
諸悪の根源なのだ
(言いすぎ御免)
 
 
 
 
 
 
 
 
こういうのさ
皆やってるでしょ?
 
 
 
 
やりたくもないのに酒を注いだり
料理取り分けたり
手料理振る舞ったり
男のつまらない話に耳を傾けたりね
 
 
 
 
気配り上手な女が素敵という観念が
女性に無理をさせてきたというよりも
その観念を信じこんで
自分にそれをやらせてきた女性にも
その責はあるのよ
 
 
 
 
 
 
やめようぜ
そういうの
 
 
これからはこれで行こうぜ
 
 
 
 
手料理食べたいと言われても作らない
目の前にデカいサラダが来ても
一切取り分けない
グラスが空いても注がない
つまらない話は聞かない
 
 
 
 
どうよこれ?
だけどこれね
ハッキリ言って難しいのよ
 
 
 
適当な愛想振りまいて
料理取り分けて酒を注いで
つまらない話に相槌打って
ニコニコしてる方がラクなのよ
だから皆そうしてるだけ
 
 
 
 
でも本当はどうよ?
やりたくないんでしょ?
 
 
 
 
 
お前がやれや
 
 
 
 
 
って思ってない?
 
 
 
 
 
 
少なくともわたしはそう思うね
手料理食べたいんなら
手作りの惣菜でも買えやって思うし
自分のグラスくらい
自分で面倒見ろやって思うし
サラダくらい欲しい分だけ
自分で取れよと思うね
お前のしょーもない話より
わたしの話の方が面白いからなとも思うね
 
 
 
 
 
 
気配りのできる優しい女になりたい?
あんたには無理なの
とっとと諦めな
 
 
 
 
そもそも元から
人に気を遣えるような
出来のいいタイプじゃないっしょ?
何無理していい子ぶってんの
気持ち悪い
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ああ痛快
 
 
 
 
 
 
 
 
過去の自分に向けた
痛快なるこのメッセージ
我ながら下半身に響くわ
 
 
 
 
気配り上手な女なんて
クソくらえだよ
 
 
 
 
んなもんは夜の仕事してる
プロの女性に任せればいい
 
 
 
 
わたしは気配り上手な女からは
進んで落第するわ
落第生な自分で生きる
 
 
 
 
 
もう二度と
弁当なんて作りたくねえ
 
 
 
 
 
 

 

 

  この記事の作者
吉原 紅(よしわら べに)

 

1975年生まれ 夫とは別居婚中

2019年の5月末、夫と暮らしていた自宅を出ました

海外ひとり旅、世界にあるすべての美しいもの・麗しきものが好きです

グラフィックデザイナーを経て、今は文筆家と生涯旅人を目指しています

 

自己紹介記事はこちらから