なでしこから落選した千葉(前列中央の10番)は右サイドMFとして先発。 byASハリマ公式Twitter
千葉園子擁するハリマ
緻密な吉備国際の組織崩せず
【プレナスなでしこリーグ2部第4節】
開催日:2017年4月16日 13:00 KICK OFF
会場:ウインク陸上競技場(兵庫県)
ASハリマアルビオン0-0吉備国際大学Charme
【得点者】なし
足を引き摺りながらも出場を続けたのの、終盤に負傷交代となったMF千葉園子 写真/hirobrown
「ジダンってすぐにわかるよね」
レアル・マドリーのジヌディーヌ・ジダン監督は現役時代、世界最高のサッカー選手。だから現地観戦に行く際には彼をお目当てにする人も多かったはず。ただ、ジダンが出場するような試合は遠くの方から小さく見えるぐらいのような大規模なスタジアムで開催される事が多い。
でも、ジダンは頭を観ればすぐに「ああ、ジダンあそこにいるわ」と失礼ながらも直ぐに分かった。トレードマークって大切だなと思ったのです。すいませんm(__)m
2部クラブ所属ながら代表定着
コスタリカ戦で落選の千葉園子
「あのお団子頭は誰?」
昨年6月、なでしこジャパンの指揮官に就任した高倉麻子監督の初陣となる敵地でのアメリカ戦に先発出場している彼女の姿。見た目のインパクトが強すぎる。大きなお団子頭の選手が、屈強なアメリカ人選手を相手に当たり負けしないどころか、逆に相手を倒しながら前線でボールを収め続けている姿。
2部で得点を量産していたので名前は知っていたし、高倉監督初陣のメンバー発表会見で高倉監督自身からの説明も聞いてたので、何となくは分かっていた。でも、それまで1度も観た事がなかったので、ビックリした。
それがプレナスなでしこリーグ2部・ASハリマ・アルビオンに所属しているFW千葉園子選手。その試合で大きなアピールに成功した千葉選手は、その後もなでしこジャパンに定着。3月にポルトガルで開催された『FPFアルガルベカップ2017』にも召集されました。が、しかし・・・・。
アルガルベ杯では2試合に先発出場しながらも、これまで起用されたトップ下ではなく、右サイドMF。プレー内容が悪いわけではありませんでしたが、持ち味とするキープ力やフィジカルの強さをあまり活かせませんでした。
そして、先日の『キリンチャレンジカップ2017~熊本地震復興支援マッチ がんばるばい熊本~』VSコスタリカ戦の代表メンバーからは落選。
初めて代表に選出された時、「明日の朝起きたら名前が消えてるんじゃないか?と思った」と言った彼女は現在、代表への定着と落選を経験して何を考え、どんなプレーをしているのか?すごく気になっていました。
MF陣に苦心のハリマ
千葉は両サイドMFでプレー
この日はスポンサーのアース製薬さんデー。来場者の皆様は試供品だけでなく、3000円相当の商品までいただきました。 写真/hirobrown
快晴で「一気に夏か?」と思うほどの暑さを感じた4月16日の日曜日。千葉選手の現状が気になった筆者は、ハリマの本拠地・兵庫県姫路市にあるウインク陸上競技場へ足を運んでみました。昨年も代表での千葉選手のプレーに衝撃を受けてたので、1度だけ行った事があり、アクセス面で迷う事はなく現地に到着。
by h-albion ハリマは昨年2部のリーグカップで優勝。千葉は準決勝・決勝でゴールを奪った。
千葉選手が所属するハリマはここまで開幕から3試合を消化した状態で1勝2敗。昨季から新設されたプレナスなでしこリーグカップ2部で初代女王に輝いたものの、なでしこリーグ2部では7位に終わったチームです。
そんなハリマで千葉選手と共に期待を背負うのが、アルガルベ杯と同時期にスペインで開催されたラ・マンガ国際大会に出場したU23日本代表のFW葛馬史奈(かつらま ふみな)選手。
優勝したリーグカップ2部・決勝では千葉選手と葛馬選手の2人が共にゴールを挙げて見事に戴冠。2部で2年連続7位というチームとは思えないほど、FW陣が豪華。ただ、その実力派FWに比べるとMF陣が手薄で、今季もそこに苦心している模様。
そんな影響もあり、注目の千葉選手は、<4-4-2>もしくは<4-2-3-1>ともとれるシステムの右サイドMF、葛馬選手は左サイドMFで先発出場。
千葉選手はこれまでチームでは1トップや2トップの1角での出場が多かったものの、ウイングやサイドMFどころかインサイドMFなどもこなし、試合中にも何度もポジションを変えるオールラウンダー。ただ、皮肉にも代表で持ち味を出せなかったポジションで出場する事になるとは・・・。
緻密な吉備の組織サッカー
→1部を経験して個の差を埋める戦術
試合はアウェイの吉備国際大学Charmeが後方から丁寧にパスを回しながら、前線の3人に縦パスが入ったタイミングで攻撃にスイッチを入れる組織的なサッカーを披露。今季未勝利とはいえ、その完成度はなかなかのモノです。
吉備国際は2013年と2014年になでしこリーグ1部を戦った経験があり、フィジカルやスピードを含めた個の能力の差を埋めるために、現在のようなスタイルを採用し始めたチームです。
「どこかで聞いたあるような?」そうです。当時のJ1リーグを2連覇していたサンフレッチェ広島の<3-4-2-1>を採用しており、攻撃時には両ウイングバックがウイングまで上がって5トップのようになり、守備時には<5-4-1>となる可変型システムです。(攻撃時にボランチが最終ラインに降りる形はリスクが多いので運用していません。)
単発な攻撃の多いハリマ
→新加入MF武田を高精度フィードの活用術
前半終了時に千葉と意見交換するMF武田(8番)。ワンステップで高精度のロングフィードを供給する彼女をもっと上手く活かしたい!写真/hirobrown
吉備国際が緻密なサッカーを志向するのとは打って変わり、ハリマは守勢の時間が多くなりました。特に吉備国際の左ウイングバック=関口真由選手が高い位置をとっていたため、対面する右サイドMFの千葉選手には守備の負担が多くなり、かなり低いポジションでプレーする時間が長くありました。
それでもハリマがボールを奪うと千葉選手が右サイドからだけでなく中央や逆サイドまで動いてきてボールに絡み、2人・3人と囲まれても相手に奪われないキープ力を発揮。相手はファウルで止めざるをえず、ハリマはセットプレーのチャンスも多く獲得しました。
今季のハリマにはチャレンジリーグのアンジュヴィオレ広島から新加入したMF武田裕季選手がセットプレーのキッカーを務めていますが、鋭く正確な彼女の正確なキックは大きな武器です。後半にはクロスバー直撃の強烈なミドルシュートも放ちました。
今後は流れの中でも彼女のロングフィードをもっとチームとして活かしたいところ。最終ラインでボールを回している時、ハリマのサイドバックがボールを持った時に、武田選手は“顔出し”をしてボールを受けに来ているにも関わらず、8割以上の割合でそれは前線へ放り込むようなロングボールを蹴り込むだけ。単調な攻撃に終始してしまうのは当然かもしれません。
後方からのビルドアップで武田選手のマークを剥がすだけでも、チームとしてのバリエーションは大きく拡がりそうなだけに、もう少しビルドアップでの丁寧さを求めたいところでしょうか。
ただ、ハリマのサッカーは至ってシンプルで、ボールを持ったら常に縦を狙う姿勢と、まずは個人で局面を打開しようとする選手が多いのも特徴で、これは男女問わずに日本のサッカー界にとって最も欠如している部分。なぜハリマから代表選手が台頭してくるのか?その一端はこうした部分にあるのかもしれません。
千葉の負傷で劣勢に
互いに決めきれずのドロー
試合の方は吉備国際のスタイルに対策を打っていたように、ハリマは相手にボールを持たせ、奪ってからの速攻でチャンスを作りながらも、鋭いパス1本が通りきらない場面が多発。あと1歩届かないのは技術の精度なのか?フィジカルの不足なのか?おそらくどちらもなのでしょうが、サポーターのもどかしい思いが募りそうです。
逆に吉備国際は球際での攻防では不利になる事が多く、それがフィニッシュの場面でも散見。緻密で高度なプレーがよく見られるものの、迫力を欠く。もともと個の能力差を埋めるために組織的なサッカーを志向して来ているだけに仕方ない部分なのかもしれません。
前半終了間際にはハリマがシンプルな狙ったような速攻で決定機。最後はFWを追い越してゴール前まで駆け上がったMF小池快選手がGKとの1対1を迎えるも外してしまい、前半はスコアレスで折り返しました。
後半、守備の比重が多かった千葉選手は左サイドMFに移ってスタート。前半からロングパスやクロスで好機は演出していただけに、いよいよフィニッシュに絡む仕事が増えて来るか?と思いきや・・・後半開始10分前後で相手選手との接触プレーにより負傷。85分までプレーしたものの、足を引き摺る千葉選手がプレーに関与することが極端に減ってからはハリマの攻撃はセットプレー以外に可能性を感じられず。
最後は吉備国際の猛攻に耐えるのみとなり、粘ってスコアレスドローに持ち込んだ格好。そして何より、千葉選手の怪我が心配なところですが、試合終了直後のインタビューゾーンには笑顔で立ち話をしている千葉選手を発見。大事には至っていないようで何よりです。
ハリマはこれで1勝1分2敗の6位、吉備国際は2分2敗未勝利の10位(最下位)。共に課題が多く見られる状態ながら、試合内容としては全く退屈するような事もない試合。女子サッカーの競技力向上と今季の2部リーグの競争力の高さを感じた試合でした。
筆者がこの日のピッチで気になったのは、吉備国際の1トップに入っていたFW池尻茉由選手。初めて観た選手ですが、サンフレッチェ広島の前線の選手のように縦パスをフリック(後方にワンタッチでボールを逸らす)したり、ワンツーの的になったり、2シャドーの選手とポジションを流動的に変えながらチームを引っ張っていました。
アーモンドバター発祥
『Cafe de Muchu(ムッシュ)』
筆者が訪れたのは新在家店。姫路に3店舗を構えております。写真/hirobrown
実は本業の転勤でこの近辺に半年ほど住んでいた事もある筆者は、結構この辺りのおススメ店も知っております。
という事で、姫路周辺に来たら行った方が良いのは、この『ムッシュ』。姫路の朝食と言えばアーモンドバターなのですが、その発祥として有名なのが、このムッシュさんです。甘くて香ばしくて最高です!
モーニングのトーストにたっぷりと塗りたくって焼くのも最高なのですが、ムッシュさんは喫茶店というよりは洋食屋さん。他にもパスタとアーモンドバターをあわせたメニューなどもあります。食べた事ないですけど・・・。
女子サッカーはナイター設備がなかったり、予算の関係でデーゲーム開催なので、午前中から観戦に向けて移動する際は、現地到着前のモーニングやブランチとして味わってみては如何でしょうか?もちろん、試合終了後もまだまだ夕方なので、マッタリとティータイム用の厚切りトーストでいただいてもらうのもお薦めです。
今回、筆者が注文したのはオリーブセット¥650(厚切りアーモンドトースト+ドリンク) 写真/hirobrown
それではhirobrownのサッカー観戦+ちょっぴりグルメなレポート。次回をお楽しみ!それでは皆さん、週末の会場でお会いしましょう☆
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【なでしこリーグ1部全チーム紹介】
3月25日から開幕した今季のなでしこリーグ。byなでしこリーグ公式HP
当ブログでは先週末から開幕したプレナスなでしこリーグ1部参加の全10チームを1チームずつ紹介する記事を掲載しています。この機会に是非、ご一読ください。詳細は下記バックナンバーをクリックして下さい☆
【なでしこリーグ1部全チーム紹介~『Shooty』リライト版】
第1弾、<マイナビ・ベガルタ仙台編>
第2弾、<浦和レッドダイヤモンズL編>
第3弾、<ちふれASエルフェン埼玉編>
第4弾、<ジェフユナイテッド千葉L編>
第5弾、<日テレ・ベレーザ編>
第6弾、<ノジマステラ神奈川相模原編>
第7弾、<アルビレックス新潟L編>
第8弾、<AC長野パルセイロL編>
第9弾、<伊賀FCくノ一編>
第10弾、<INAC神戸レオネッサ編>
それでは皆さん、今週末も各サッカー会場でお会いしましょう!
それではまた(^.^)/~~~
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