アルゼンチン人FWを参考に考える"決定力"とは何か? #日本代表 #Jリーグ | ヒロ・ゴラッソ

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決定力とはシュートを決めるだけか?


 シュート35本(枠内8本)で1ゴール。この数字を何度見たことか?


 "決定力不足"、"点取り屋不在"という見出しを何度見たことか?


 「シュートはゴールへパスすること」が美談で語られる日本サッカー界ですが、本当に"決定力"とはシュートを決めることだけなのか?


DFがいてもGKと勝負するアルゼンチンのFW

現在の欧州トップリーグが世界最高峰なのは百も承知。その中には以前のようにブラジル人FWがいるわけではなく、現在の世界最高峰のFWの主流はアルゼンチン人です。ネイマール以外のアタッカーはブラジル国内に帰国したり、中国のような"年金リーグ"へ行ってしまっています。昨年のW杯ブラジル大会でもネイマールの負傷離脱により彼への依存度が明らかになりました。



 

 そこで注目されるのがアルゼンチン人FW。バルセロナ(スペイン)のリオネル・メッシ、マンチェスター・シティ(イングランド)のセルヒオ・アグエロ、ユヴェントス(イタリア)のカルロス・テべス、ナポリ(イタリア)のゴンサロ・イグアインを筆頭にアルゼンチン人が主流になっています。若手でもパレルモ(イタリア)のパウロ・ディバラやビジャレアル(スペイン)のルチアーノ・ピレットを筆頭にどんどん欧州で頭角を現しています。


 上記に挙げたストライカー達もタイプはありますが、全員がドリブルから自ら局面を打開してシュートを決めきれるという個の強さは共通しています。しかもイグアイン以外は身長が170cm前後の小柄な点取り屋です。イグアイン以外はトップ下ができるテクニシャンでもあります。


 では、なぜ彼等が欧州のトップリーグで得点を量産できるのか?もちろんスピードやテクニックといった個の強さ、小柄でも胸板が厚くてフィジカルが強い選手達です。弾道の強いシュート力があり、ボールコントロール力も半端ないですが、本当にそれだけでしょうか?


 そこで冒頭の質問。


「"決定力"とはシュートを決めることだけなのか?」

「シュートとはゴールにパスするだけ?」


 上記に挙げたアルゼンチン人のストライカーに共通する事はもう1つあります。彼等はDFにマークされていても、シュートコースをブロックされていてもゴールを挙げられる。


 まずDFと対峙するよりも、GKと駆け引きする事から始まっている。もちろん、マークされても身体の軸をブレさせないボディバランスの強さや、DFにマークされていても冷静である事は大前提。でも、まずゴールを決める事から逆算するとすれば、GKとの勝負に勝つ事から考えなければいけません。なぜならば、最低でもGKの位置を把握してなければ、DFを抜いてもGKの飛び出しにより防がれてしまうからです。


 彼等は自分とGKの間にDFがいれば、「逆に利用してやる」と思っているはずです。シュートコースを消してるつもりが、ドリブルで1歩ずらす事によってDFの股の下や、DFが動いた背中を狙ってシュートを撃つ場面をよく見ます。これはGKのブラインド(死角、影)からシュートが抜けてくるので非常に対応し難い。


 「ゴールの空いてる場所にパスする」のも大事ですが、まずはGKというゴールの門番との勝負に勝てない事には意味がありません。ドリブル突破に優れるアルゼンチン人FWはフェイントや緩急の違いをシュートのタイミングでも利用しているのでしょう。


本格派は大久保、宇佐美、フォルラン

 現実的になる必要があるのは攻撃では?




 そこで日本代表に話を戻しますが、アジアカップ準々決勝・UAE戦の35本のシュートがありましたが、枠内シュート8本という乏しい枠内率と共に、日本のシュートは相手GKと駆け引きしてから狙っていたでしょうか?相手DFをフェイントで交わす場面があったとしても、GKを騙したり、DFをブラインドに使うような仕掛けやシュートのタイミングを意識していたでしょうか?


 シュート35本も放った割には相手GKが1度もファインセーブがないのはなぜでしょうか?


 今、JリーグもACLで勝てない苦しい状況の日本サッカー界ですが、ブラジルW杯よりも前からACLで勝てないJリーグは、「もっと現実的になれ」と言われて、ほとんどのチームが守備的になり、結果的に2014年シーズンのJ1リーグは、2013年シーズンよりも総ゴール数が100以上も減りました。両チーム共に2桁シュートを記録できない試合も激増しました。


 それでいて、ACLでは失点数が多い。Jリーグではどこも守備から入るチームが多過ぎて守備の修正なんて本当の意味で出来ているか確認できる環境にはないと思います。本当に現実的になるべきなのは守備面ではなく、攻撃面ではないでしょうか?


 現在のサッカーはGKというポジションに注目が集まっています。この専門職をどう使うのか?がそのままチーム戦術になるような日が来るかもしれません。


 そうであるならば、FWとしてはGKの特徴によって駆け引きする必要も出て来ます。FWの目的はDFのマークを外したり抜いたりするのではなく、得点を決める事です。DFとのマッチアップが試合の前の注目ポイントとして挙げられる事がよくありますが、もっとGKとの勝負を"現実的"に考えていくべきではないでしょうか?パスワークがプレスがかかるとミスが起こるのであれば、シュートもGKの存在によってプレッシャーがかかるのですから。


 そういう意味では、大久保嘉人(川崎フロンターレ)・宇佐美貴史(ガンバ大阪)・柿谷曜一郎(バーゼル/スイス)は、上記に挙げたアルゼンチン人FWの特徴であるドリブル突破に優れ、トップ下もできるテクニシャンがFWにコンバートされる例が増えている今の日本サッカー界はチャンスでもあると思います。


 不発でしたが、セレッソ大阪のディエゴ・フォルランが放つシュートもDFを使うタイミングでの仕掛けという意味ではJリーグで観れる稀少価値の高い技術だと思います。2年連続得点王の大久保や、3冠獲得に貢献した宇佐美にも、この感覚が透けて見えます。パトリックを盾にしている宇佐美には責任が重いかもしれませんが、大久保や宇佐美、柿谷というこの3人が代表定着できないところに日本代表の問題があると言えるのではないでしょうか?


 「シュートとはゴールへパス」という言葉を独り歩きさせるのではなく、「シュートはGKとの駆け引き」を定着させたいと思う今日このごろでございます。

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