川崎フロンターレに集まるセレッソ出身FW~Jリーグと日本人FWについて考える #Jリーグ | ヒロ・ゴラッソ

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柔軟性を履き違える"ガラパゴス化"?


 ACL初戦を未勝利(1分3敗)で終え、Jリーグ勢の停滞が深刻に問われている現在の日本サッカー界。特にガンバ大阪も浦和レッズも結果を出すために相手のプレスを交わすロングボールを使う事が"柔軟性"だと言われて評価されている事が危ういと思います。本日行われたゼロックススーパーカップも見るべきモノのない退屈な試合でした。昨年のJ1リーグ第32節の浦和レッズVSガンバ大阪をベストゲームに挙げる人もいますが、あんなに退屈な試合を評価してる事が日本サッカーの危うさだと思います。


 そもそもこの昨季Jリーグの優勝&準優勝2クラブは「GKがチームMVP」と言われる事が多いのを危惧する必要があると僕は思います。GKが最優秀となるのは、それだけGKがプレーする機会が多い=ピンチも多いわけですから。かと言って、ドイツ代表のマヌエル・ノイアーのように何度もぺナルティエリアを飛び出してフィールドプレーヤーとしてプレーしていたと言えるほど、ガンバもレッズも相手を圧倒するような攻撃を仕掛けていたわけではない。


 特にガンバは宇佐美貴史とパトリックの2トップの個人技に賭けたカウンターが発動しなければ攻撃パターンが激減します。カウンターでフィニッシュに持ち込めない場合に、2トップがキープして全体を押し上げてから初めて始まるパターンしか遅攻が出来ないからです。ビルドアップで苦しくなる、というよりも何もないところからロングボールを蹴る事のどこが柔軟性なのか?特にDF岩下敬輔、MF今野泰幸はその辺りを考えていないようなプレーが目立ちます。密集させてからのサイドチェンジなら理解できるものの、何もないところからキックオフのようなロングボールを蹴ることを否定しないサッカーに未来はありません。


 「組織で勝負する」と口にしながら、宇佐美やパトリックという個のタレントに依存しているチームがJリーグでは結果を出せてしまう。だからと言って、"自分達のサッカー"や"パスサッカー"を掲げるチームは日本代表のブラジルW杯惨敗やアジアカップベスト8敗退により、「もっと現実的になれ」と言われる。どちらも複雑極まりない現在のJリーグが抱えるジレンマだと思います。自分達のサッカーだけでは勝てないけれども、それが無ければ行き当たりばったりで体格的不利の日本人に世界での勝ち目はありません。先日の城福浩監督の記事で書いたように、「相手対策を含んでの自分達のサッカー」が必要だと思います。


 ガラケー、ガラケーと言われる携帯電話事情が世界のサッカーから見るJリーグにも起きているのかもしれません。ガラパゴス化しているのではないでしょうか?でもガラパゴス化すれば、他国にはないサッカーで国際的に躍進できるチャンスはあると思うのですが・・・・。


Jリーグで最も華麗なサッカーを披露する川崎

 独特の視点から積み上げられるパスサッカーで魅了



 そんな中で、風間八宏監督が就任してからの川崎フロンターレに関して、"現在のJリーグで最も華麗なサッカー"をしている、という声は共通しているように思います。自分の応援するチームが1番なのは当然として、"2番目に好きなチーム"などと言えるかもしれません。ピッチ外では毎試合のホームゲームでは相手サポーターをも魅了できるイベントを仕掛けてくる天野春果氏を筆頭とするプロモーション営業により、等々力競技場には、「行けばお得な気分になる」雰囲気作りも素晴らしいモノがあります。(写真はF1マシーン)


 "湘南スタイル"を掲げ、「両ゴール前のプレーを多くしてシュートシーンが多いような試合」を目的にする湘南ベルマーレや、歴代日本代表の守備の要となるセンターバックを輩出し続ける名門・横浜Fマリノス、Jリーグに参入してきた町田ゼルビアやSC相模原、多摩川付近のFC東京も含めて神奈川県界隈にはJクラブが密集しています。それぞれが独特のキャラクターを持つ企業努力によって日本的な盛り上げ方をリードしている地域と言えるかもしれません。


 そんな中で、湘南ベルマーレについては以前に取り上げましたので、その"湘南スタイル"以上にピッチ内で観ている人たちを魅了するサッカーを見せる川崎フロンターレに今回はスポットを充てます。


 風間監督がよく言うのは


 「ウチは組織で戦っていない。」


 「戦術練習はない。」


 「個人の技術向上がそのままチームの成長につながる」


という類の言葉。表現や言葉が違っても、これらのニュアンスで語られた風間監督の言葉を目にする、耳にしたことがあるサッカーファンは多いと思います。「受けて、出して、動き出す」は口癖のようになっていて空耳でも聞こえるかもしれないぐらいです。


 「止めて蹴る技術」を駆使して風間監督のサッカーの軸となるのは主将であり、司令塔となるMF中村憲剛とFW大久保嘉人という日本代表経験の豊富な2人であるのは間違いありません。大黒柱のこの2に加えて、よく「パスにメッセージがある」と表現されますが、「動きにメッセージがある」と言えるFW小林悠、「出して受ける」という風間監督流の個人戦術を安定して披露できるようになったMF大島僚太、「出して、動きだす」の局面で、今までにない稀有なアクセントをつけるMF森谷賢太郎という日本人選手が試合の主導権を握る独特のパスサッカーは他クラブのサポーターをも魅了しています。特に昨年の秋頃までのサッカーは、一昨年のリーグ3位に入ったシーズンよりも観ていて楽しく、しかも強かったと言えます。当ブログ内では上記5選手に唯一単独のドリブル突破で局面打開を期待されているFWレナトを含めた6人を"ファンタスティック6"と表現したのも、自然なサッカーファンの心だと思います。


3年連続でセレッソ出身FWが加入する必然

 DFには筑波出身、MFはクラブ伝統ルートで 



 そんな川崎フロンターレに風間監督が2012年5月に就任してから今季が4シーズン目。シーズンインから指揮をとるのは3シーズン目ですが、補強に置いては面白い偶然が継続しています。2013年の大久保嘉人、2014年の森島康仁、2015年の杉本健勇,、と3年連続でセレッソ大阪出身のFWが加入しているのです。セレッソの下部組織出身は杉本のみですが、3選手とも初めてプロ契約を交わしたのはセレッソ。高校卒業に下部年代の代表で活躍するなど、彼等は紛れもなくセレッソで育てられたFWです。もともと森島寛晃、西澤明訓の"凸凹コンビ"の時代からセレッソは日本人の点取り屋を輩出してきたJリーグでは稀有なクラブです。中山雅史、高原直泰、前田遼一という3人のJリーグ得点王&日本代表の主軸を担ったストライカーを輩出したジュビロ磐田まではいかないにしても、おそらく日本人FWの輩出については、この2クラブと鹿島アントラーズがJリーグでトップ3と言えるのではないでしょうか?


 川崎は関塚隆監督が指揮した2004年から2010年までの7シーズンはJ1とJ2両方で得点王になったブラジル人FWジュニーニョが絶対的なエースFWでしたが、彼以外にもレナチーニョやチョン・テセ、マルクスといった外国籍FWにフィニッシュの局面は依存していました。我那覇和樹と黒津勝といった日本人FWもいましたが、チームのスタイルとして外国籍選手の突破力と決定力を活かすところからチーム作りが進んでいたので、個人技が活かしやすいカウンター主体のチーム戦術では彼等は軸ではありませんでした。


 そんな外国籍選手、特にブラジルからの補強が、ブラジル国内の好景気によりJリーグよりも国内リーグの方が高い年棒をもらえるようになった近年は川崎もブラジル人ストライカーの獲得に苦戦。現在所属するレナトはジュニーニョ後の10番という偉大な背番号を背負っていますが、点取り屋ではありません。


 そこで川崎はチームとしてもクラブとしても、外国籍FWに頼るサッカーからの発展と、ブラジル人FW補強苦戦、風間監督の招聘、全てをターニングポイントとして日本人の特徴と言える技術力をさらに引き出すための戦いにシフトしていったのかもしれません。そうして優秀な日本人FWの獲得となると、セレッソ出身のFWがクローズアップされるのでしょう。ジュビロやアントラーズのFWは得点王獲得など代表クラスの実績を持つ高額選手なので、それならばブラジル人FWの獲得ルートのままでいいわけですから。


 面白いのはDF陣には山越享太郎、谷口彰悟、車屋紳太郎と風間監督が川崎の監督になる前に指導していた筑波大学出身選手の獲得が続いている事。反面、MFの大島や森谷は憲剛から続くクラブ独自のMF発掘眼があるようです。


 究極のパスサッカーを目指して日々個人の成長を追求する風間監督主導の選手獲得は、DF陣で行われ、FWはセレッソ出身者。ピッチ上で展開されるパスサッカーに拘りはもちろん拝見されますが、選手獲得にも確実に"色"は見えますね。


セレッソもジュビロも外国籍FWに託す現状

 日本人FWの輩出は伝統と周囲の覚悟が必要 


 現在、セレッソもジュビロもJ2に降格してしまったため、何かとチームやクラブが批判されています。しかし、この2クラブは何かと問題視される日本人FWの輩出に対して最も正面から向き合っているクラブです。彼等を頭ごなしに批判してしまう文化こそ日本人FWの台頭を妨げる事になっているではないでしょうか?


 昨年、セレッソはウルグアイ代表FWディエゴ・フォルランを獲得し、日本代表FW柿谷曜一郎を脇役にしてしまい低迷。シーズン途中には元ドイツ代表FWカカウを獲得し、結局は杉本や南野拓実といったユース出身FWに信頼しきれずに降格。シーズン終了後には杉本も南野も完全移籍でチームを離れてしまいました。ジュビロはJ2へ降格した昨季も前田は残留したもののJ1昇格を果たせず。遂に15年間在籍した前田がFC東京へ移籍。代役として元イングランド代表FWジェイ・ボスロイドを獲得しています。


 セレッソとジュビロの復権はクラブの伝統に根付いた新しい日本人の点取り屋だと思うのですが、どうやらそれを待てない雰囲気が遂にこの2クラブにも出て来てしまった、ということでしょうか?サポーターやメディアといった周囲の圧力はこんなところにも来てしまっているのでしょうか?



以上、次回は決定力について考えていく項を用意しています。お楽しみにしつつ、しばしお待ちください☆

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ヒロゴラ的アンケート実施


「皆様の応援するJクラブはどこですか!?」



 いつも閲覧いただき有難うございます。当ブログはガンバ大阪中心ではなくなりますが、多くの読者の皆様からのお声からJリーグを中心に扱おうと思っております。そこで皆様の応援するクラブを集計いたしたく新アンケートを実地します。枠が足りなかったので全てのJクラブを選択肢に入れられず申し訳ありません。選択肢にない場合は【その他】を選んでいただき、【コメント欄】にJクラブでも海外クラブでも構いませんので、ご記入をお願い致します。


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