ガンバ大阪4ー0ロアッソ熊本
得点者【ガンバ大阪】遠藤(8分)、丹羽(11分)、宇佐美(41分)、佐藤(86分)
内容的にも快勝のガンバがリーグ3連勝でJ1昇格決定!!5試合ぶり先発復帰の二川が攻撃を操り、復帰後初ゴールのFW佐藤が大きな可能性をもたらす完璧な勝利で、J2リーグ優勝のためにJ2降格したガンバがJ2優勝へ向けてラスト3試合を戦います☆
39宇佐美貴史 | |||
7遠藤保仁(CAP) | |||
10二川孝広 | 6倉田秋 | ||
15今野泰幸 | 27内田達也 | ||
4藤春廣輝 | 21加地亮 | ||
5丹羽大輝 | 26西野貴治 |
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1藤ヶ谷陽介 |
67分、MF10二川孝広☛MF13阿部浩之
83分、FW39宇佐美貴史☛FW20佐藤晃大
【ベンチ入り】GK29木村敦志、DF2オ・ジェソク、MF23武井択也、25岡崎建哉、FW9ロチャ
6戦3敗の大不振も、天皇杯でJ1・大宮相手に完封したCBコンビを優先起用してリーグ2連勝~明神と大森が離脱し、二川が5試合ぶりの先発復帰
5月から守ってきたリーグ首位の座を遂に神戸に明け渡して4試合。プロ2年目の長身CB西野貴治、今季からボランチにコンバートされた内田達也が主力として抜擢されるなど、若手とガンバユース色が濃くなりつつ”新生ガンバ”は6月でレンタル期間満了にて得点ランクトップFWレアンドロが退団した影響は感じさせなかったのですが、日本代表への召集により1ヶ月程チームを離れていた遠藤と今野が5試合の欠場から戻ってからは個人技に依存するだけの”昨季のガンバ”が戻ってしまっており、6月の5試合で1失点だった堅守も7月の5試合で11失点や、31~36節までの6試合でも11失点と急増しており、チーム成績低迷の要因に。
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【マッチレポート】試合を完璧なまでに支配したガンバが前半で勝負を決める!
熊本は予想の3バックとは違い4バックで試合に入り、1トップにはウーゴではなく引退発表後初先発となるFW北嶋を起用。3バックで好調を支えていた事や、3カ月以上ぶりの北嶋の先発起用とは・・・・?北嶋がガンバ戦を現役最終戦にでも選んだのか?とでも勘ぐりたくなる人選。
ガンバは大森が負傷欠場し、5試合ぶりに先発復帰した二川が左サイドMFに入って相手2ライン間でボールを受けては崩しの起点となり、攻撃のアクセントとなるパスセンスを発揮して高い位置での細かいパスワークが機能。また、右サイドMFに倉田が起用され、大森のようにワイドに張る事はなく、外から中央へ寄っては右SB加地の攻撃参加を施すスペースメイクと二川、宇佐美との絡みからバリエーション豊かなアイデア溢れる攻撃を仕掛ける。
5分、左から右へ宇佐美☛倉田☛と加地と細かく繋いでエリア内に侵入した内田へパスが通ってのシュートはGKのセーブに遭うも、直ぐに先制に成功する。
8分、宇佐美が左に流れてボールを受け、イーブンボールになったところで身体を寄せて相手DFを吹っ飛ばしてボールをキープ。戻したボールをサポートに入った二川がダイレクトにニアサイドへクロスを送ると、一連の攻撃と同時にエリアに走り込んでいた遠藤がフリーでヘッドを楽々と流し込んでガンバが先制!!1-0。
9分には右からのFK。倉田のキックを丹羽が高い打点で合わせたヘッドはGKの好守でCKに逃げられるも、その後の左CKから中央の宇佐美が強烈なヘッドで叩いたシュートはGKがビッグセーブで防ぐも、こぼれ球に丹羽が詰めて2-0に。前節の今季初ゴール時のチーム全員の喜びようからしても”みんなのリーダー”のように見える丹羽の2試合連続ゴールはチームに大きな勢いを与えました。
ここからは実はこの試合のマン・オブ・マッチを与えてもいいほどの熊本GK南のファインセーブの連続となるガンバの攻撃滅多打ち状態に。
16分、バイタルエリアで宇佐美☛倉田☛二川と細かく繋ぎ、最後は遠藤のシュートを防ぎ、続く右CKからの今野のヘッドもセーブ!!
20分、相手の攻撃を止めての後方からのロングボールを遠藤がハーフアウェイライン付近でDFに競り勝って頭で落としたボールを宇佐美が拾って持ち込み、自らエリア外から狙った鋭い左足ミドルもファインセーブ!!そのCKから流れたボールを拾った丹羽がDF1人を交わしてのドリブルシュートはキャッチ。
22分、二川の縦パスを宇佐美がヒールで落としたボールを倉田が狙った強烈な右足ミドルもファインセーブとポストで防がれるなど南の好守がなければ何点入っていたか分からないぐらい熊本の守備が甘く、ボールホルダーに対して甘い寄せばかり。数的有利を作ろうとする守備意識がボールホルダーへの激しいチェックなしで行われるために、逆に中途半端となってガンバには自由自在に攻撃を仕掛けるスペースが生まれていました。
また、前節同様に遠藤筆頭に最前線からのプレスの意識が浸透して連動しており、加えて5試合ぶりの先発だった二川が定位置を狙う若手選手であるかのように守備でも牽引するかのような積極性を見せて猛アピール。このプレッシングが効いていたためにDFラインが高い位置をキープし続けて全体がコンパクトな陣形を維持する事でショートカウンターからもいい攻撃を披露。
27分、右サイドでボールを奪われて即座に加地が間髪入れずのタックルで奪い返したボールを宇佐美が拾って右に流れた二川へ展開。絶妙のクロスにファーサイドでフリーの倉田が豪快でカッコいいボレーシュートを・・・・外側のサイドネットに外す(笑)ゴールにはならなかったものの、”長谷川ガンバ”の目指す理想の形だったと思います。
熊本の攻撃は前半だけで5本のCKを与える事もあったのですが、守備陣の集中力は途切れずに凌いでいた事以上に、そんな多かった相手のセットプレーからの攻撃を跳ね返した直後のカウンターからガンバがフィニッシュまで持ち込む場面が非常に多く、「熊本のセットプレー攻撃はガンバのチャンス」とさえ思えたほど。そのほとんどの起点はクリアに近いフィードを身体を張ってマイボールでキープする主砲ならぬ”至宝”宇佐美の存在あってこそ!!
そしてそんな”至宝”が追加点を上げる。
41分、最終ラインから右サイドへ展開するフィードを、スルーを交える事で完全にフリーになった加地がエリア内の二川へ。エリア内で3人引き付けた二川のポストを、宇佐美がダイレクトで右足一閃したシュートはDFに当たってゴールに吸い込まれ、さすがのGK南の牙城も破って貴重なセーフティーリードとなる3点目を前半終了間際という絶好の時間帯で決める。3-0。
結局、前半はシュート13本も放ったガンバが3点リードと勝負を決めた状態で折り返しました。
後半開始から鹿児島城西高校で鹿島の日本代表FW勇也と共に”ダブル大迫”として注目を集めた大迫希を投入しても流れは全く変わらず。逆に前がかりになった熊本DFの裏のスペースを使ってガンバに決定機が生まれる。
46分、二川の芸術的な”らしい”浮き球スルーパスにオフサイドラインを完全にかいくぐった宇佐美がフリーでのボレーは・・・・GKに当ててしまう。48分にも左からの攻撃を中央の二川が的確なタッチで右でフリーの遠藤へ展開。しかし・・・・シュートは枠を外れる。52分にもクロスのこぼれ球をエリア内でフリ―だった遠藤は枠を大きく外すなど、ガンバはなかなか4点目を奪えない。加えて”七色のパス”を供給し続けた二川が交代でピッチを去ってからはさらに攻撃が停滞。
73分には右からの倉田のFKを西野がドンピシャで仕留めた豪快ヘッドはGKの好守。こぼれ球を今野が詰めてゴールラインを割るもののオフサイドの判定。
しかし後半になってからは、ただ時間を消化するだけのような冷めた空気を吹っ飛ばしてくれた男がいました!!
男の名は佐藤晃大。前節に長期離脱後の約1年ぶりの公式戦出場を遂げていた長身FWが宇佐美に替わって83分に投入されると直後に結果を残す!!
86分、ガンバが波状攻撃を続けた中で右サイドに流れたボールを遠藤が拾って今野へ戻してのクロス。中央でDF2人に競り勝ちながら自身で完璧な胸トラップで落としたボールを右足で叩いた豪快なハーフボレーを放ったのは・・その”シュガー”こと砂糖ではなく佐藤!!本職FWらしい強引かつ強さと高さを兼備した素晴らしいプレーでした☆4-0。
その後は76分に投入された今季J1・甲府でも活躍していたFWウーゴ1人に2本ほど鋭いシュートを放たれる場面があったものの、この試合”やっと仕事が出来た”GK藤ヶ谷が横っ飛びで防ぐなど危なげなく完勝でリーグ3連勝!!
この日の夜にヴィッセル神戸VS京都サンガが引き分けに終わったため、3試合を残してのJ1自動昇格となるリーグ2位以上が決定。次節はその京都との”京阪ダービー”なる”関西ダービー”。引き分けでも昇格決定ですが、残る試合はJ2リーグ3試合のみ。「国内タイトルで唯一獲得していないJ2優勝を獲るためにJ2に来たんだ」って言えるぐらいの説得力ある試合内容と結果を常に追求していくため、僕らファン・サポーターもチームを応援したいと思います。
本職FWなしで圧巻の攻撃力はアーセナル級
~本職FW佐藤が可能性も見せるオプション
この日もゴールした4戦連発の15試合16ゴールの宇佐美を始め、この3連勝時の先発メンバーの前線には”本職FW”は1人もいません。スピード感溢れる速攻、カウンターを得意としている点や、トップ下やウイングが本職の選手がFWに入る攻撃陣の組み合わせ方はアーセナルに似ている印象を受けます。というよりもアーセナルのヴェンゲル監督が指揮した名古屋グランパスもそう。ストイコビッチや小倉隆史、ティエリー・アンリにデニス・ベルカンプ、ロビン・ファン・ペルシーといった選手は全員ストライカーではなかった選手。技術力に特化したパス&ムーヴを基調するヴェンゲル監督のサッカーは無骨さもある典型的なFWには合わない傾向もあり、ピッチに本職FWがいない方が攻撃が機能しやすいという事も稀ではありません。そして、それはロチャのような抜群の決定力を備えているものの器用さに欠けるプラスアルファがない事で、ここ3試合は遠藤と宇佐美の2トップを採用しているガンバも同様。
では、最後に個人採点をお楽しみ下さい☆
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GK藤ヶ谷陽介6.0あまり出番はなく、それでも8本のCKの対処や試合終了間際のウーゴの2本の鋭いシュートなど完封に貢献した事が大きい。実に6試合ぶりの今季リーグ14度目の完封となった☆
DF加地亮6.5倉田が右サイドに入った事で右ワイドで高い位置を取って攻撃に大きく絡んで相手陣形を横に拡げるダニエウ・アウべスのようなパフォーマンスを披露した。クロスの精度も悪い意味でD・アウべス同様だったが・・・・。
DF西野貴治6.0大ベテラン北嶋に全く仕事させず。そもそもあまり脅威になる場面もなかったが、早めのチェックやカヴァーリングで相手の攻撃を封じた。ただし、ウーゴが出て来てからは一気に不安定になったのは・・・やはりというところ。
DF丹羽大輝7.0よくもこんなに高いDFラインを維持できますこと。凄い集中力です!!これなら問題があるように感じるボランチ2人も楽にプレーできる。2戦連続ゴールも素晴らしい!!蒼のマウスピースも光ってます☆西野とのコンビは10戦8勝2分無敗という勝敗以上に、6完封という実績は驚異的!!岩下が練習に復帰しており、京都戦からメンバー入りが濃厚でも彼等2人のコンビを応援したい!!
DF藤春廣輝6.0二川だけでなく倉田や宇佐美も左寄りでプレーする機会が多くてスペースがないため、絞ったポジション
MF内田達也6.5前線からのプレスがしっかりと連動していたため、本職CBである彼が中盤でCBの仕事をするかのようにボールを回収して攻守一体となっていたチームを運営していた。
MF今野泰幸6.5高い位置で奪い切る守備以外にも左右両サイドからの攻撃をサポートし、クロスやフィニッシュに絡んだ。
MF二川孝広(67分まで出場)7.0やはりこの試合のポイントとなったのは彼の先発起用。バイタルエリアで”ガンバの舞い”を踊っていた寡黙な10番は誰よりも異彩を放っていた。この日の2アシストで通算12アシストとなったが、この日の出来を考えればその数字はもっと伸びていただろう。
MF倉田秋6.5ゴールこそなかったものの、ドリブルやショートパスでの仕掛けで宇佐美、遠藤、二川と上手くリンクしていた。脇役となれる今季の成長ぶりも感じさせ、右サイドMFというポジションでのバランス感覚も見事で加地の攻撃参加にも貢献した。そして、まだまだ長期離脱明けの彼の場合は”祝・フル出場”と言いたい☆
FW遠藤保仁6.5最前線でのポストプレーや3バックの盲点を突く両サイドの裏へのラン、ボランチの位置からの組みたてなど多種多彩な仕事を涼しい顔でやってのけるワールドクラスの司令塔。ただ・・・ゴール前での決定力だけがアジアレベルだと言わざるを得ないシュートミスが多かった。
FW宇佐美貴史(83分まで出場)6.5エリア外でも1mシュートコースや間合いを空ければ確実に枠を捉える重心のかかった鋭いシュート力でリーグ出場15試合16ゴール目をゲット。それ以上にチャンスがあったので彼のレベルではこの採点。相手に当たられても逆に相手を吹っ飛ばすフィジカルの充実ぶりこそが、枠を捉えるシュートを支えるブレない軸足の固定や、カウンター攻撃を仕掛ける際の圧巻のキープ力に繋がっていると言える☆
途中出場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
MF阿部浩之(67分から出場)5.0これでは・・・出場機会を得るのは難しい。ロチャや川西といった辺りも微妙な立場なだけに、出場すればインパクトを残す気持ちが欲しかったが・・・。
FW佐藤晃大(83分から出場)6.5彼はやはり大きな戦力になる!!平井、川西、ロチャと色々と試されてきた”宇佐美のパートナー”は監督が「みんなハマらなかった」と言っていたが、彼はハマるだろう!!惜しいのは天皇杯がもうないので、真価を発揮するのは来季になるという事。それでも京都とのダービーや代表不在の山形戦で大きな期待がかかる!!
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