W杯アジア最終予選第9節、イラク代表VS日本代表~凡戦・・凡戦・・・【J特】 | ヒロ・ゴラッソ

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イラク代表0-1日本代表

得点者【日本代表】岡崎(90分)

67分、MF8清武弘嗣☛MF14中村憲剛

70分、FW11ハーフナー・マイク☛FW18前田遼一

94分、DF2伊野波雅彦☛MF20高橋秀人

      

消化試合には出場停止の主将含めて豪州戦から5選手を変更!

 ”代理”主将は遠藤となり、MF高橋や3-4-3も試さず

 前節のホーム豪州戦に終了間際のPK弾による引き分けによりW杯出場が決定した日本。この試合は”消化試合”となる事と、豪州戦で今予選2枚目の警告を受けた主将MF長谷部が欠場となり、彼も含めて豪州戦から先発メンバーを5人変更。

 それでもGKは代表戦17試合連続で川島。遠藤や今野、香川、岡崎も先発で負傷上がりの長友も含めて彼等は先発フル出場しています。5人の先発メンバー変更があったとはいえ、CB伊野波、右SB酒井宏、MF細貝、清武、FWハーフナー・マイクとそのポジションの2番手だった選手が順当に出場しただけで、【3-4-3】をテストしたり、【3-4-3】と【4-2-3-1】を両方こなせそうなMF高橋の抜擢などもなく、いかにも・・・な凡戦を試合前から予想してしまいました。


相手国紹介~FIFAランキング98位。日本に勝てなければ敗退が決定する後がないイラク~


 中東の連邦共和制国家。首都はバグダッド。サウジアラビア、クウェート、シリア、トルコ、イラン、ヨルダン隣接する。メソポタミア文明を受け継ぐ土地。

 3次予選からジーコ元日本代表監督が指揮を執り、中国を蹴落としヨルダンを抑えての首位通過で勝ち上がってきた攻撃的なチーム。最終予選は全8試合消化時点で勝点5の最下位。長引く政情不安でホーム試合を母国で開催出来ないという苦境と、母国クラブでプレーする選手が軒並み所属クラブなしになってメンバー選考に苦慮するなど苦戦中。さらにジーコ監督も給与未払いで契約解除に至り退任している。前回のホームでの対戦はスローインからのセットプレーを前田のヘッドで得点して1-0と日本が勝利。


 2004年のアテネ五輪ベスト4・2007年のアジアカップ優勝したメンバーの生き残りが主力。同大会で得点王を獲得したFWユネス・マフムードはカタールリーグなどでも得点王を獲得している強力な点取り屋。ゴール前での冷静な判断から正確なシュートを両足、頭構わずに放ってくる。しかし、2011年のアジアカップを見る限り、最も怖いのは主力MFナシャト・アクラム。相手DFの間で受けられるターンやドリブルとパスを織り交ぜてのゲームメイクをこなしながらもパンチ力あるミドルシュートを放ってくる攻撃的MF。オランダのトゥエンテでプレーした経験があり、控え組であったもののオランダリーグ優勝の経験がある実力者。


 【マッチレビュー】イラクの激しいボール際の競り合いで引けをとる日本は劣勢に

 キックオフからこのホームでの日本戦を勝てないと予選敗退が決定するイラクが中盤で激しいボール際の競り合いを制し、日本はアウェイ戦環境と控え組が多い事、この試合へのモチベーションの低さなどがあって”心ここにあらず”な状況。

 それでも15分には右ショートコーナーから清武のクロスを今野がヒールパスで鮮やかに落とし、エリア外から遠藤の右足ミドル。

25分にはアタッキングサード(ピッチを3分割した攻撃側)左サイドからぺナルティエリア内にかけて”キャプテン翼くん&岬くん”並みのゴールデンコンビを見せる清武と香川の華麗なワンツーから清武のシュートがDFに当たるもGKを襲いました。

32分には左サイドゴールライン際まで攻め上がった長友をサポートした清武が左からクロス。ゴール前のハーフナー・マイクが頭1つ高い打点でヘディングシュートをミートするも・・・・これは外れましたが、決定機は作った日本。


 しかし、イラクは中盤での競り合いからボールを奪っては即座に縦を突く攻撃でエースFWユネス・マフムードを狙っては、そのこぼれ球や裏を狙ってのシンプルなカウンターで応戦。日本の攻撃時のリスク管理の意識や長谷部、本田を欠く中盤のチェック甘かった事もあり、簡単なロングボール1本で裏を取られる始末。長友の快速で何とか防いだ場面や今野や伊野波がけして組織的ではなかった中で、守備面での”個”で防ぐ事が多かったと思います。

スコアレスのまま前半は終了しましたが、ペースとしてはイラク優勢と見るべきだったと思います。


代表戦ではやってはいけないレベルの低い内容

 後半に入ると日本は最終ラインと前線が間延びしてしまい、チームとして機能する事が皆無な状況に。シュートまで至る攻撃の形も当然できず、イラクに中盤を支配されます。

 そんな日本にプラス材料があったとすれば、この試合唯一と言ってもいいぐらい控え組の中で必至に猛アピールしたCB伊野波の闘志溢れるプレーで何とかゼロに抑えていた日本。また、伊野波に触発されたか?今野が凄まじいボール奪取能力と読みの速さから来るインターセプトを成功させる事もあり、思っているほどイラクにも決定機を作らせず。


 ただし、だからこそ・・・暇な・・・凡戦ムードは頂点に達しつつあったとも思います・・・・。


結局、この流れは試合終了10分前という時間帯に相手側が1人退場処分を受けても全く変わらず。

最後は1人少なくとも予選敗退を避けるべく捨身の攻撃に出ていたイラクの裏を完全に取ったカウンター1発で沈めたのみ。後半、エリア内への侵入はこれ1回だけでした。


90分に日本は自陣での相手スローインからのボールを奪い、完全に前がかりになってスカスカのイラク陣内を岡崎がドリブルで持ち込み、その左側を遠藤が”まさかの爆走”で岡崎からパスを受けてエリア内に侵入。DFを引き付けての折り返しのリターンパスを岡崎へ送り、流し込んだ”ザック・シャパン得点王”が決勝点を挙げました☆0-1。


 序列が固定されて控え組がアピールしない(できない)閉塞感

 この日も先発フル出場した主力6選手を筆頭に主力とそうではない控え組選手の差が明らかに。もっとも、実力に差があるのか?完全に出場機会に差がありすぎてモチベーションが保てない、またはチームに組み込まれていないような感覚に見えるのは僕の目の錯覚でしょうか!?

 GKは川島が17試合連続フル出場中ですが、この日のような消化試合でも出場させるべきなのか?最終ラインからのビルドアップをチーム戦術としているチームにあっては、川島と西川のどちらが適任か?そもそも川島が絶対的には見えないのですが・・・・


 DFも今野の代わりは本当にいないのか!?J2降格の主要因となるCBを”日本最高のDF”と呼ぶ事に何の抵抗もないマスコミが僕は怖いです。この日、上記のような控え組選手のアピールしにくい環境の中でも定位置奪回を狙う必至のプレーを見せた”第3CB”伊野波や、なぜかザッケロー二監督の信頼が低い酒井高徳と、なぜか高い酒井宏樹のダブル酒井をめぐる争いにも複雑に感じます。


 調子の良さが如実に出るFWも、Jリーグ得点王、MVPの佐藤寿人や、ポストプレーに長ける豊田陽平、ポテンシャルはネイマールと変わらない”セレッソの至宝”柿谷曜一郎を招集すらしない閉塞感からは何も期待できません。


 以下にザッケローニ監督就任以降の出場時間を長い順番に掲載しましたので、皆様の考えで「この選手はもっと起用すべきだろう?」と思う意見などありましたらコメント下さい☆

※11番目までと、それ以降の差が激しいですね。21番目の第2GK西川までが第2グループで、それ以降はもうチームにも入っていないも同然の扱いです。召集されても未だ1度も出場していない選手も18人いますので。

ポジション・名前 プレー時間長い順 総プレータイム
MF遠藤 保仁 1 2815
MF長谷部 誠 2 2745
GK川島 永嗣 3 2739
CB今野 泰幸 4 2710
MF香川 真司 5 2336
FW岡崎慎司 6 2322
SB長友 佑都 7 2237
CB吉田 麻也 8 2157
SB内田 篤人 9 1835
MF本田 圭佑 10 1801
FW前田遼一 11 1706
DF駒野友一 12 1041
MF清武弘嗣 13 925
CB伊野波 雅彦 14 916
DF栗原勇蔵 15 837
MF細貝 萌 16 641
MF中村憲剛 17 633
FWハーフナー・マイク 18 598
FW李忠成 19 560
DF酒井宏樹 20 537
GK西川 周作 21 471


 最後に個人採点をお楽しみ下さい☆彡


スタメン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

GK川島永嗣6.0ザックジャパン不動の守護神はこれで17試合連続の出場。しかし、ザックジャパン全35試合中30試合(16完封)出場という独占できるほどの高いパフォーマンスだったのかどうか?日本代表のプレースタイル的に合う選手なのか?西川が17試合連続で出場に値しない選手だとは全く思いません!!


DF酒井宏樹4.5高い位置を取る場面があってもクロスは全く”大きな的・マイク”に合わず。SBとしてのフィジカルの有利性はJリーグレベルでしか通用しない事を露呈した。ドイツでは出場機会も少なかったり、4-4-2の右サイドMFとしてプレーしている点も含めて彼の召集自体に疑問があるファン・サポ―ターも多いのでは!?キックの種類も減った気も。ミスも多く終盤にもボールを失う事が多く、最後まで安心して見られなかった。

DF伊野波雅彦(94分まで出場)7.0栗原、吉田の負傷もあって先発抜擢。それに応える闘争心溢れるプレーで完封に大きく貢献。激しい寄せの密着マークやシュートブロックから高さは無くとも大きく思わせる存在感を感じた☆相手1人を退場に追いやった部分でも貢献。

DF今野泰幸7.5カンナバーロでも乗り移ったか?のハイパフォーマンス。相手の縦パスに対してマークするFWとの駆け引きを制して”前で奪う”現代サッカーのCBの模範的プレーを幾度も披露。この日のマン・オブ・ザ・マッチは岡崎でも伊野波でもなく彼で異論はないはず。

DF長友佑都6.5相手のカウンターからGKと1対1の場面に懸命に持ち前の快速を飛ばして追いついて防ぐなどワールドクラスな守備や、シンプルな仕掛けながら確実に突破できる部分にも世界を感じさせる。ただ・・・ホントに怪我は大丈夫なのか?が心配。


MF細貝萌5.0ほとんど試合に入っていけず。得意のボール奪取をしても、逆にボールを自ら失ってピンチを食らうことも。所属クラブで出場機会が少なく、練習でもSBとしてプレーしていたので・・が言い訳ならば、このタイミングで代表に選ぶべきではない!!

MF遠藤保仁6.0コンフェデモードの”主将代理”はのらりくらりと省エネモードを続けつつ、機を見計らって勝負の時間に最高の仕事で勝利をもたらした。

MF岡崎慎司5.5正直、後半はもう追加点以外何もしてなかったものの、それが岡崎の良さでもあり!!ザックジャパン得点王(29試合出場16得点目、時点は10得点の香川)酒井宏をサポートする守備面での貢献はやや少なかったですが。

MF香川真司5.0前半は・・・というか清武が上手くボールに絡めば機能するも、後半はベンチにいたのでは?と思わせる存在感の無さはハーフナー・マイクを超えるほどでした。もはや”トップ下・香川論”は死語。彼も2列目でレギュラー争いをするつもりでプレーしてもらわないと。

MF清武弘嗣(67分まで出場)5.5セットプレーやクロスのキック精度には高いものを感じさせ、香川とのコンビネーションも最高。ただ・・・得点が・・・・シュートが・・・ない。これだけでは定位置を奪えないし、それを狙っている選手のプレーぶりではなく、レギュラー安泰の選手が見せる安定感のあるプレー選択でした。


FWハーフナー・マイク(70分まで出場)5.0前半はゴール前で迫力を出す場面もあったものの、後半は194cmの身長が縮んだかのように存在感なく交代へ。オランダで11ゴールした実績よりも、サイドMFやトップ下としてプレーしてパスワークに絡み、”サッカーができるFW”としてのプレーを期待していただけに・・・的にしかなれず。その的も丈夫ではなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

MF中村憲剛(67分から出場)5.5投入されてから試合の流れに入っていくのに時間がかかった。それでも遠藤との連携からポゼッションを高めて有効なプレーを引き出しはしたが・・それまでに終わる。

FW前田遼一(70分から出場)5.5あまりボールにも絡めず。動いてスペースを作っただけですが、それがそれまで出来なかったので投入は成功・・・なはず。

DF高橋秀人(94分から出場)短時間出場のため採点不可。


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