六分咲きのシェイパー達 | Viva '60s SurfStyle!!!

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1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

他界した親父が云っていた・・・
「六分咲きの桜も、満開の桜も良いけど、葉桜も良いんだよなぁ・・・」と。。。


桜は葉の蕾が出て来る前に花の蕾が出る神秘的な植物として、菊と共に国花として親しまれている。


国花たるからか?「サクラサク」、「サクラチル」等の様々な云い回しに使われる事も暫しある。


また、物の完成度や熟練工の技を図る例えとしても「何分咲」と使われる事もある。


シェイパースキルを図る上で、俺はこの表現を時折使う事があるのだが、今日はそんな事を綴ってみたいと思う。


稀代の天才ロビン・キーガルとシーコングの田中さんが出会ったのは、まだ、ロビンに幼さが残る10代の頃だった様だ。


田中さんの話しでは、ウェーバーチームのライダーとして参加していたロビンにダイヤの原石の輝きを感じ、以来、公私に渡って彼をサポートし続けている。


ロビンはご存知の様に、ウェーバーを離れた後、様々なチームライダーを努め乍らクリームと云うレーベルを立ち上げるのだが、稀代の天才と謳われているロビンのシェイプスキルは一体何分咲なのか?


俺が最初にロビンのボードに乗る様になったは、以前も紹介した旧クリーム時代からである。
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この頃のロビンのシェイプの特徴は、兎に角、張りのあるヴィンテージライクなボードを創って来るイメージであった。


しかしながら、この時点でもロビンのシェイプスキルは他を圧倒するレベルに達していた様に記憶している。


しかし、その後のスティレット等のボードに触れてみると、様々な革新が随所の感じられるシェイプスキルとなっていた。
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ロビンがメディアから「天才」と謳われる様になったのは、この頃からだと記憶しているが、桜に例え、この時点が「六分咲」だとしたら、今のロビンは優に「満開」に達してしまう事になる。


ただ、その後に手にしたスムースオペレーター、キラークラシック等を見るとスティレットの時より遥かに向上している事に気付かされる。
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そして、俺の中での極め付けが、長年の交渉末、ようやく叶ったVelzy Pigのレプリカだった。
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特にノーズまでのレールの創り込みはナイフの刃先を連想される程シャープな創り込みが成されており、この男の「満開」は当分訪れそうにない事を悟った。
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そして、その後のデビット・ヌヒワモデルにおいても同様で、Velzy Pigを凌ぐ創り込みが随所に感じる事が出来た。
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以来、俺は脂の乗った30代前後のシェイパーのスキルを例える時には「六分咲」と云う表現を度々使う様になった。


タナー・プレイリーのPIGにしても同様で、先日開催されたPIG LUAUで持ち込まれていたタナーの他のボードを目の当たりした時には、明らかに俺のボードよりもシェイプが洗練されたいたのだ。
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恐らく、この現象はジョエル・チューダーが絶賛するライアン・バーチに至っても同様ではないかと安易に推測が出来る。
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未来ある彼らのシェイプを現時点で満開と評してしまうのは、余りにも軽率であると俺は思っている。


では、ランス・カーソンを始めとするレジェンドはどうなのか?
「満開」なのか?
俺の中ではランスのシェイプは「葉桜」と解釈している。


決して、散る事無く、葉の蕾が開くまでじっくりと腰を据えた様に彩を見せ付ける様は、ランスを始めとするレジェント達への敬意を表れでもある。


今、シーコングにはロビンに続けとばかりに、ジャレットやトロイ等の若手のボードが店内を賑わせている。


初めてジャレットのボードを見た時には荒々しが伝わって来る様な仕上がりが多かった様に思えたが、直近のボードを見ると所々に洗練さが垣間見えて来る様に思えてならなかった。


同様に、嘗てロビンのパートナーとして活躍していたDXTRのマックスも今後が非常に楽しみなシェイパーの一人である。


「葉桜」のランスのシェイプも格別なのだが、桜の見所でもある「6部咲」の若きシェイパー達にも目が離せない。


ロングボードは波をメイクする楽しみは勿論だが、彼等の活躍を始めとするボード談義も一際楽しい特別な娯楽である。


海上でも陸上でも楽しめるから、俺はロングボードを続けているのかも知れない。


Keep Surfing!!!