第二回PIG LUAU | Viva '60s SurfStyle!!!

Viva '60s SurfStyle!!!

1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

薄暗さが残るハイウェイを出ると、ドリンクホルダーに立て掛けたスマートフォンが鳴り出した。


丁度、コンビに寄る所だったので車をパーキングに入れ、電話を出ると後輩が甲高い声で「今何処ですか?もう、みんな集まっていますよ!」と、どこか興奮染みた力のある音声が耳を擽った。


この日は待ちに待った第二回PIG LUAUである。


ボロ車に詰め込んだボード達は「早く海を拝ませろ!」と、せがむ様な軋み音を発している様に感じた。


慣れ浸しんだポイント入口の坂を下ると、パーキングには多くの車達が早くも犇めき合っていた。


プレミーティング時の打ち合わせでは、「今回は昨年よりも多いかもね?」なんて、仲間達と語り合っていたが予想通りの光景に電話口の後輩の興奮も理解出来た。


車の台数もそうだが、やけにパーキングに群がるサーファー達が目立った・・・


電話口の後輩の話しでは「海上にガスが異様に掛かっている」との事で、視界を遮られた多くのサーファー達が足止めを食らっていたのだ。


しかも、早々に海から上がって来た仲間の一人が「ヤバいよ!頭オーバーで、しかも、ギロチンダンパーだ!」と海に向かう足を躊躇させる。。。


「こりゃ、今日は陸サーファーだな」なんて、雑談を交え入る最中にも海から上がって来た別な仲間が「何故入らないの?デカいけど良いよ!」と、背中を押す一声で一斉に数人が足早に海へと向かう。


小脇に抱えているボードは勿論PIGである。


普段なら絶対にPIGでは入らないハードな波質でも、この日ばかりは皆んな果敢にPIGで頭近い波に挑む光景が妙に新鮮であった。


永遠の初級者である俺もタナーのPIGで頭近い波に挑んだ。
二階から急降下する様なデカい波だったが、ロッカーの効いたタナーのPIGがスムーズなテイクオフを後押ししてくれた。


しかし、力のある速い波に巨大なハーフムーンを纏ったPIGでは・・・
いや、俺の技量では反応が遅れ、数回に渡って吹き飛ばされた。


久しぶりにサーフィンがスポーツである事を思い知らされたが、不思議と同じ事を繰り返す内に対応出来る様になって来るのだからサーフィンという奴は本当に面白い。


まさか、永遠の初級者である俺がPIGで頭近い波をメイク出来ると思いもしなかったのと同時に、改めてPIGの魅力を見付けた様な万感の思いが入り混じっていた。


そんな事を思いながら海から上がると会場には豪華絢爛なPIGの花々が散りばめられていた。
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こりゃぁ、凄いなぁ。
一体、何本のPIGがあるんだろう?
数えるのを忘れたが優に30本以上はあったんじゃなかろうか?


この時点で、カリフォルニアのPIG LUAUを超越してしまっているのではなかろうか?


また、このイベントで最大の楽しみなのが、日頃お目に掛かる事の出来ないPIGとの出会いだ。


こちらのボードはジーン・クーパーのブラックボードなのだが、このフィンは正に圧巻だった。
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「こんな格好良いフィンがあったのか?」と、唯々、ジーンさんのクラフトマンとして奥深さを見せ付けらた様な気がした。


また、こちらのボードはサーファーズの矢作さんのコレクションなのだが、フィル・エドワーズモデルの最初期物である。
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最初期のみに装着が許された木製のリバースフィンは猛烈なオーラを放しまくっていた。
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勿論、ディケールもフィルのロゴが入る。
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コレクションの世界観をオセロゲームに例えるならば、リバースフィンを装着したフィルモデルは、正にオセロの四方の一角を担うボードである事は間違いはない。


こんな素晴らしいPIGを拝めるのも「PIG LUAU」の醍醐味の一つなのかも知れない。


また、そんな情報を嗅ぎ付けてか?
サーフマガジンがピガー達にフォーカスし、撮影会が行われた。
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この撮影の模様は次号のサーフマガジンに掲載させるそうなので、集まったピガー達にはスペシャルサプライズとなった事であろう。


時間の経過と共に会場を去り行くサーファー達が挙って同じ事を云っていた。
「来年も必ず参加します!」、「来年こそはPIGで参加します!」と・・・


俺はサーフイベントに関しては、このLUAUしか経験がないが、中々素晴らしいイベントだったのではないだろうか?
参加したサーファーの笑みを見るだけ充分感じる事が出来た様な気がしてならない。


素晴らしいイベントに参加出来た事を素直に嬉しく思うと同時に、関係各者並びに開催地のローカルの皆さんに感謝を申し上げます。


KEEP SURFING!‼