デーブスウィートのPIG | Viva '60s SurfStyle!!!

Viva '60s SurfStyle!!!

1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

カリフォルニアには多くのサーフボードメーカーが存在する。
その一方で、メーカーではなくサーフブランドも存在する。
 
 
メーカーとブランド、どちらも同じ様に聞こえるがサーフボードに限っての話しになるが、俺の中ではメーカーはボードを創る為の監修人がいる事であって、ブランドはOEMによって、それらを委ねている・・・と言った感じであろうか?
 
 
ブランドで例えると、リック、ベルジー、ジェイコブス等がそれらに該当するのではないであろうか?
そして、本日紹介するデーブ・スウィートも・・・
 
 
デーブ・スウィート。
これまでに幾度となくブログに登場して来たブランドであるが、ヴィンテージ以外のボードを紹介するのは、これが初めてだと記憶している。
 
 
デーブ・スウィートはサーフィン史において、紛れもなく名を遺した数少ないサーフボードブランドではないだろうか?
その功績はサーフボードに世界で初めてウレタンフォームを採用した事で知られている。
 
 
しかし、メディアに登場するのは、その部分だけであって、決して、デーブ・スウィートというブランドが、どの様なブランドだったのかは詳細にされていない。
 
 
俺的が知る限りでは1949年にデーブ・スウィートによって創業され、1977年にその活動に一旦終止符を打ち、1995年にブルース・グラントをヘッドシェイパーに迎え入れ復活を遂げ、現在はマリブで絶大的な信頼を誇るスコット・アンダーソンによってハンドリングされているブランドである。
 
 
また、デーブ・スウィートがウレタンフォームを採用し始めた直後には、マイク・ドイルやドナルド・タカヤマ等もシェイパーとして参加しており、輝かしい栄光に花を添えている。
 
 
デーブ・スウィートはベルジーやジェイコブス、ビング等の様に爆発的なヒット作があった訳では無かった様で、ビンテージにて存在するボードも同型の物が著しく少ない。
また、ブルース・グラントがヘッドシェイパーを務めてからも代表的なモデルが登場した形跡は無いようであるが、個人的に老舗ブランドならば「絶対に存在していた」物にスポットを当てて、今回1本のボードを創ってもらった。
 
 
そもそも、デーブスウィートと俺の出会いは今から15年程前まで遡る。
当時、インターネットを使い始めた俺は、その便利さにハマり、所謂、ネットサーフィンに明け暮れていた。
 
 
好きなサーフィンのキーワード入れ、得られる情報をかき集めている最中にデーブ・スウィートを日本で運営するサイトに辿り着いた。
そのサイトに書かれていた事は、自分のサーフィンの方向性を理解してくれるショップに辿り着けずに迷走し、やっとのおもいで辿り着いたサーファーズやシーコングの様であった。
 
 
俺の追い求めいた全てがそのサイトにはあった、そして、運営会社にコンタクトを取り、俺好みのサーフボードを創ってもらったという訳だ。
そして、それ以来、その運営会社の社長さんには弟の様に可愛がって頂き、サーフィンの素晴らしさ、楽しさ、厳しさを教えて頂いた。
 
 
その方は俺にとっては、シーコングの田中さんやサーファーズの矢作さんと同じ様な存在である事は間違いは無い。
 
 
そんな、俺が兄の様に慕わせてもらっている方が運営するデーブスウィートにも大きな転換期があった。
それはブルースの死であった。
 
 
それ以前にもブルースは脳梗塞を患い、シェイパーとしては略ドロップの状態にあり、中々思う様なハンドリングが取れずいた様だが、彼の死後、デーブ・スウィートの息子や現地のパートナーの協力もあり、新しいシェイパーを迎え入れる事となった。
 
 
そのシェイパーこそが、スコット・アンダーソンである!
 
 
マリブのサーブボード業界を牽引し、亡きブルース・グラントとはCONの時代に親交があり、あのアダム・ダベンポートの師としても周知されている。
正に、名門デーブ・スウィートにとって、最高のシェイパーの迎え入れる事が出来たのだ。
 
 
そして、紹介するのはマーシャル兄弟の絶大な信頼を集めている剛腕スコット・アンダーソンが削り上げてくれたボードがこちらのPIGである!
イメージ 1
如何であろうか?
このアウトラインを見て直ぐに俺が思ったのは、アンドレイニのPIGと同じ様なアウトラインだという事である。
 
 
老舗のボードブランド故に、ビンテージのアウトラインを期待してしまったが、そこは、やはり、スコット・アンダーソンである・・・
シェイパーとして、サーファーが楽しめるモダンPIGに仕上げて来たのだ。
その象徴が、やはり、このフィンの着け位置ではないだろうか?
イメージ 2
晩年のベルジーやハーバーのPIG程ではないが、操作性を考慮してハーフムーンが前方寄りに着けられている。
 
 
さて、肝心のボードディティールだが、ここに至っては俺が数本所有するデーブ・スウィートのビンテージのディティールを掛け合わせて採り入れてもらった。
例えば、それはテールブロックだったり・・・
イメージ 3
バルサの2インチストリンガーだったりする・・・
イメージ 4
そして、ディケールもビンテージを参考に、後方寄りに2つ用意してもらった。
イメージ 5
如何であろうか?
老舗ブランドでありながら、その作り込みは晩年のベルジーやハーバーの様な典型的なモダンPIGと化しているが、何と言っても、シェイパーはスコット・アンダーソンである。
イメージ 6
想えば、デーブスウィートが培って来た歴史に魅かれ、運営会社の社長のサーフィン哲学に魅かれ、そして、ブルース・グラントのシェイプに魅かれデーブスウィートのファンになって来たが、その後釜を同門であるスコット・アンダーソンが引継ぎ、今度はそのシェイプに魅了され始めている。
 
 
ブルースとスコット、そして、デーブ・スウィート・・・
なんか、不思議な縁がある様な気がしてならない。
 
 
Keep Surfing