ランスの長いボード | Viva '60s SurfStyle!!!

Viva '60s SurfStyle!!!

1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

ランス・カーソンのシェイプルームを尋ねた時の事だった・・・
壁際には天井に届く様な長いフォームが立て掛けられていて、「随分と長いフォームだね?」と尋ねると、彼は「以前、お前に削った11フィートと同じ長さのボードだ」と説明してくれた。



 

いつだっただろうか?
久しぶりにランスの新品が欲しくなり、彼に「タンカー級の長いボード」をリクエストして削ってもらった事がある。



 

そこに立て掛けられたボードは、それと「同じスペックで造る」と言っていたのだが、その話を横で聞いていた俺は「俺みたいな物好きが居るんだなぁ」と、感心してしまった。
感心している矢先に、ランスが「これもお前用に削ってあげようか?」といきなり言って来たのだ。



 

えっ?
誰かのオーダーではないのか?
なんで、こんな長いフォームをストックして置くんだ?



 

思い切って、ランスに尋ねてみると「これは俺のボードの為に仕入れたフォームだよ」、「俺は長いボードが好きなんだ」と言っていた。



 

以前、他界したブルース・グラントのシェイプルームを尋ねた時にも同様の事があった。
本人はサーフィンをしなくなってしまったのだが、「自分のボードだけは持っていたい・・・」と言っていた。
ランスとの会話の中からブルースとのやり取りが頭を過ぎった。



 

ランスカーソンは、自宅からシェイプルームまでの道中に、必ずマリブのポイントに足を運んでいる。
それは、単に通勤?途中にマリブのピアがあるからではない。
彼自身がソウルサーファーであるからこそ、海が気になり、サーファーが気になり、そして、波の動向が気になるのだと思う。



 

ランスとの別れ際に「今日はマリブで入ったか?」と聞かれた。
その日は生憎のスモールコンディション・・・
残念ながらマリブの波を堪能するには至らなかったので、「入ったけど、全然駄目だった」と告げると・・・

 

「明日は良いぞ!」
「ハワイ沖に低気圧が来ている!」
「マリブにも波が届くぞ!」
「明日の帰国を延期出来ないのか?」
「勿体無いぞ!」

 

マリブの良い波を堪能させたくて、一生懸命に俺に薦めてくる姿は、映画「ビッグウェンズデー」のベアーとマットの絡みの様に感じてしまった。



 

ランス・カーソンに憧れて、クラシックに魅力に引き寄せられて、これまで何本ものランスのボードを購入して来た。
そのどれもが思い出深いボード達ばかりだ。
藤沢にあったノーブランドの店に足を運んだり、サーファーズの店長からウンチクを教えてもらったり、本人と直接対話させてもらったりと・・・
本当にランスのボードには思い入れが深い。



 

今日紹介するボードも彼のシグネチャーなのだが、上記の通り「彼の好きな長いボード」である。
長さは確か・・・10.6ftか?10.8ftだったと思う。
まぁ、ここまでの長さになると6インチも8インチも変らないので、覚えていないのが正直なところだ。
っと、前置きがかなり長くなってしまったので、この辺で紹介させて頂きたいと思う。
ランス・カーソンのシグネチャーである。

 

イメージ 1

如何であろうか?
何処と無くPIGラインを意識している様に見えるのは俺だけであろうか?
聳え立つボードに装着されるフィンはこちらである。

 

イメージ 2

こうして、様々なランスのボードを所有していると様々なフィンが存在している事に気付かされる。
これは、どんな意図で装着されたのであろうか?
何処と無くハンセンの50/50のフィンにも見えなく無くも無いが、ターン性能を重視してなのか?ノーズライディングに特化しての事なのか?
非常に興味深い所である。
リーシュループはご覧の通りである。

 

イメージ 3

見栄え的には、無い方がカッコイイのは言うまでも無いのだが、ノーリーシュがマナー違反である事と他のサーファーの事を考えると、これは外してならないと俺は思っている。
ディケールは、勿論、ランスカーソン・サーフボードの誕生期から使われ続けているこれである。

 

イメージ 4

前にも書いたが、ジェイコブスタイプよりも俺はこちら方がオリジナル色が反映されていて好きである。
サインもご覧の通り!

 

イメージ 5

いいね!
格好良いとしか言いようが無いね。



 

さて、いよいよ台風シーズンも本格的になって来たので、通り過ぎたお零れの波をこのボードで頂戴しに海へ行って来ましょうかね?
沖合いから小さなうねりを捕まえてマッタリと楽しみたいと思う。



 

Keep Surging!