これまで、このブログで数々の訃報を書き綴って来たが、今回は少々辛い。。。
既に、多くの方が認知している様に、映画「ビッグウェンズデー」で主演を務めたジャン・マイケル・ヴィンセントが天に旅立った。
この映画を初めて観たのは中学生の時だった。
勿論、リアルタイム世代ではないので劇場ではなくテレビでだ。
この時は、単なるサーフィン映画としてしか、その価値に気付かず、本当の意味でこの作品が訴えたい事に気付いたのは30歳を過ぎてからだった。
ジャン・マイケル・ヴィンセントはこの作品後にハリウッドスタアの仲間入りを果たすのだが、以後は周知通り、苦難の連続であった様だ。
そんな苦難の彼の姿をWEB上でネタとして採り上げられる事に嫌気がさし、自らその情報を得ようともしなかった。
ビッグウェンズデーで「一番好きなシーンは?」尋ねられると少々答えに戸惑うが、やはり、このシーンではないかと思う。
映画の冒頭から登場するベアー渾身のバルサを伝授するシーンである。
監督のジョン・ミリアスは、このバルサを「聖なる剣」と例え、ベアーは自身の想いを1本のバルサに込めマットに託す。
そして、そのマットも最後はビーチで出会った若きサーファーに聖なる剣であるバルサを託す・・・
これらのシーンは何度観ても涙腺が緩んでしまい、この歳になっても未だに劇中の青春の幻影を追いかけている次第である。
ミリアスの話ではジャン・マイケルはサーフィン自体も非常に上手く、撮影所ではジェリー・ロペスとサーフィン談議に沸いていた様である。
残念ながら彼は天に旅立って逝ってしまったが、劇中での彼は未来永劫、全てのサーファーの憧れであり続け、そして、夢を与え続けて行く事だろう。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
R.I.P.