純正律の協和音を聴いた率直な感想 | 水の都で古楽修行♪ヴェルヴェッティーノのVenezia見聞録

水の都で古楽修行♪ヴェルヴェッティーノのVenezia見聞録

2016年よりイタリア留学中。国立音楽院の古楽科でバロック声楽を専攻しています。
日々勉強中なので、過去記事と最近の記事では発声について見解が異なる時がありますが、最新の記事が現在の発声です。
世界遺産の島ヴェネツィア在住。

古楽の先生がレッスン中にその場でチェンバロを調律し、純正律の和音を聴かせてくれました。

純正律に調律する前は、5度の和音(このときはドソ)のロングトーンを弾くと、「うなり」が聴こえてきます。
ドソーと弾いたまま鍵盤から指をはなさず、耳をこらすのです。
すると、音量はだんだん減衰していくのですが、波のようなふくらみを何度も繰り返しながら、消えていきます。
んわーん、んわーんというのがどんどん小さくなって音がしなくなっていく感じ。

次にソの音の調律を少しずつ変えていきます。
変えながら何度か5度の和音を弾いてみると、うなりの具合が変わっていきます。

で、ついには、まったくなくなります。
つまり、ドソーと弾いたら、そのまま、すーっと小さくなって消えていくのです。
それこそ、デクレッシェンドの記号(>)そのもののように。

これが、本物の協和音なのでした。


純正律はとても美しいものだと思っていたのですが、意外にすごく地味なものでした!
不協和なほうが響きが増すから、ピアノの調律は故意に不協和にしてある、ということに納得しました。

ドとソが分離して聴こえない・・・。
2音弾いているのに、1音のように聴こえる。
ソの倍音が、完全にドの倍音の範疇におさまってしまっているような・・・。
これは和音の聴音の難易度が上がるかもしれない!


以上、純正律初体験日記♪ でした!