ALTERNATIVE SPIN

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元東日本ヨーヨーチャンピオンのブログ。スキルトイのレビューや楽器ネタを書いています。レビューのご依頼はスキルトイ情報サイトZESTのフォームからお願いします。

★本記事はヨーヨー経験者向けのディープな内容を含みます。

★記事内の処置は真似しないでください。

 

 

 

おじさん
 

おうおうおう、待たせたな。ヨーヨー魔改造おじさんだ。今回はヨーヨー経験者向けにハイパーヨーヨーアクセル「アクセルオリジン」を分解しながらレビューしていくよ。

 

 

さかな
 

オフィシャルサイトに改造するなって書いてあっただろ!!

 

おじさん
 

こ、これはですね、いわばヨーヨー学。学術的試みなのです。みんなには真似しないでほしい。みんなの代わりに俺がやる。だから任せておけと、そういうことなのです(苦しい)

 

さかな
 

そういえばおじさん、行政機関からヨーヨー関係の依頼を受けたとき素性が謎すぎて「ヨーヨー研究家」って肩書で紹介されたことあったね…

 

おじさん
 

そんな風に名乗った覚えはないのだが…行政が言うのだからそうなのでしょう(?)

 

まあマジメな話、ほんとに研究行為だからね。こういうことの積み重ねが次代へ繋がっていくんだ。

 

んじゃ早速やっていこうか。アクセルオリジンは「アクセルディスク」「ホルダー」「ボディ」という3層構造になっている。ギャップ側から見えるネジはホルダー固定用だな。まずはこれを外して…あれ、ホルダーが落ちない。

 

 

さかな
 

ホルダーとボディの嵌合がキツいんじゃない?力を掛ければポンと取れそう。

 

おじさん
 

たぶんそうだね。ネジ穴から棒を入れてノックしてみるか…おお外れた。

 
 

 
 

さかな
 

おわ、結構凝った作りになってる。

 

おじさん
 

…なるほど。

 

 

さかな
 

(ガメラ2の養老孟司みたいだ…)

 
 

 

 

おじさん
 

…中枢にふれる前にボディについて解説しよう。ボディはとてもシンプルかつ堅実な設計だ。

 

5mm丸棒にM4でネジを切った特製シャフト(軸)、サイズAベアリングをスペーサーレスで固定できる構造、山がハッキリと成形されたスターバースト。粗造されたトイヨーヨーとは一線を画すね。

 

 

 

 

 

さかな
 

コンセプトからは外れちゃうけど「アクセルシステム」をオミットして単なるドームキャップをつけたらフツーに良いオールラウンド系になりそうだねえ。

 

おじさん
 

アクセルシステム非搭載の廉価版「アクセルレガシー」「ベーシックアクセル」みたいな。普通にいいと思うよ。980円くらいでフックトイエリアに並べられたら牽引力もあるんじゃないかな。

 
 

 
 

さかな
 

シャフトはボディじゃなくてナットに当たって止まるようになってるのか。締め込みによってプレイ不可能なレベルまでギャップが狭まってしまうことは少なそうだね。

 

おじさん
 

その通り。改良すべき点がないとは言わないけど良いデザインだと思うよ。

 

でだ、ホルダーとディスク。こらぁ予想外の構造だぞ。

 
 
 

さかな
 

パッと見どうなってるか分かんないんだけど…処す?

 

おじさん
 

いや処さずとも分かる。いわゆる「フォトンスピリット系ハブスタック」だな。

 

「ベアリング内輪とアクセルディスク」「ベアリング外輪とホルダー」がそれぞれハメコミで固定されてるわけだが、それだけじゃあベアリングがすっぽ抜けてしまう。なんらかのパーツでベアリング脱落を防止しなければならない。

 
 

さかな
 

この白いパーツか。

 

…これどうやって留まってるの?

 

おじさん
 

虫ピンみたいなものをディスク中央に打ち込んでるんだよ。この手法ならネジ留めよりも省スペースで解決できる。ストレスの量と方向的にこれでいけると判断したんだろう。ヨーヨーでやるのは珍しいね。


 
 

さかな
 

思い切ったなあ!

 

 

 

おじさん
 

ドライベアリング前提の部分=ユーザーによる保守が不要だからこそって感じ。ここからさらにバラすのは破壊前提の作業になるので今回は控えておこう。記念すべき令和ハイパーヨーヨーを発売日にぶちこわすおじさんになってしまう。

 

さかな
 

(バラしてる時点でかなりアウトでは?)

 

 

 

  アクセルトリックのためのトイ

 

 

おじさん
 

満足したので組み立て直しまして…プレイヤー向けレビューといこうか。概要については前回の記事を見てほしい。あらかた語ってるしね。

 

さかな
 

「ヨーヨーあそび」には十分ってことだったね。もう少しツッコむとどう?

 

おじさん
 

ハブスタックの特徴が色濃い。

 

大きいハブスタックを搭載している機種は回転力をそちらに奪われがちだ。特にループ反転時は影響が顕著に現れるから反転を伴うルーピングトリックはやり難い。

 

オフィシャルトリックがああいうラインナップになってるタネはここにあるんだろう。

 

コアベアリングがドライ(ほぼドライ?)なのもループとの相性悪に繋がってる。

 

さかな
 

スローもちょっとすっぽ抜けそうになるねえ。

 

おじさん
 

前記事で「ボディを掴むように」ってアドバイスしたのはそれが理由だね。グリップを確実にし、力の逃げを抑えなければいけない。

 

ただこれらはあくまで他のヨーヨーと同じ土俵での評価だ。

 

アクセルオリジンはアクセルトリックを主軸とするヨーヨー。「アクセルトリックで遊ぶトイ」という目線においては決して低評価にはならないのさ。

 

コアベアリングがドライなのも「アクセルトリックの持続性向上」「オイル漏れトラブル防止」だと考えれば納得できる。反転ループ適性は勘定に入れてないんだ。

 

さかな
 

たしかにハイパードラゴンやハイパークラスターを「本格的なプレイは無理!レイダーには遠く及ばない!!」とか言うのはちょっと違う気がするもんね。

 
 

  アクセルオリジンのメンテナンス

 

 

さかな
 

ヨーヨー経験者が使うことを前提にして、アクセルオリジンを使いやすくするにはどんなメンテをすればいいと思う?

おじさん
 

開けポンでいいんじゃないの?

 

さかな
 

えー?!

おじさん
 

さっきも言ったけどコアベアリングに注油しちゃうとアクセルトリックに支障が出るんだよ。汎用性を持たせようとして強みを消しちゃうのはもったいない。範馬勇次郎も言ってたでしょ。「競うな 持ち味をイカせッッ」って。

 

さかな
 

アクセルオリジンはアクセルトリックで遊ぶために使う。それ以外は他のヨーヨーでやればいい、って感じかぁ。

おじさん
 

そういうことです。あえて言うならストリングを競技用に替えることかな。アクセルストリングはヨリがゆるめなので同じくらいの太さかつヨリがしっかりしたものに交換するとプレイフィールが向上すると思うよ。

 

さかな
 

アクセルはアクセルとして遊んで応援しつつ、今後の展開に期待していこう!