本日は「北海道博物館」で開催されている開館10周年記念特別展「新選組永倉新八と会津藩士栗田鉄馬‐二人のサムライが歩んだ幕末・近代‐」の鑑賞です。アクセスは地下鉄東西線の東の終点「新さっぽろ駅」で北レーン10番乗り場よりJR北海道バス「新22「開拓の村」行(30分間隔)」に乗り約15分で「北海道博物館」です。
「北海道博物館」は『北東アジアのなかの北海道』と『自然と人とのかかわり』をコンセプトとして北海道の自然・歴史・文化を5つのテーマで紹介する博物館。レンガ壁でおおわれた建物から愛称は『森のちゃれんが』です。
開館10周年記念特別展「新選組永倉新八と会津藩士栗田鉄馬―二人のサムライが歩んだ幕末・近代―」の会場は2階特別展示室。共に1839年(天保10年)生まれの剣術家で、新選組幹部隊士として京都などで勇猛果敢に戦い晩年を小樽で過ごした永倉新八と、会津藩士として京都守護から戊辰戦争を戦い移り住んだ北海道で絵師を務めた栗田鉄馬の交流と2人が残した文書や絵画などを中心に資料約240点を展示しています。
プロローグは「1枚の写真から」。京都時代から交流のあった永倉新八と栗田鉄馬が共に移り住んだ北海道で75歳の時に剣術仲間と撮った集合写真(「杉村義衛ほか集合写真(当館蔵)」)。前列中央が永倉新八、その右となりが栗田鉄馬。ただし展示会場内は一切の写真・動画撮影禁止のため画像はお借りしています。
第1章は「幕末の京都にて」。新選組関係の資料展示が目を惹きます。上の画像は朱色の型染めで「誠」と山形の「新選組袖章(霊山歴史館蔵)」。有名な新選組の制服や隊旗は現存せず識別に使われたという袖章は貴重なものだそうです。
さらに新選組隊長の近藤勇が着用したと伝えられる防具(「鎖帷子 近藤勇所用(霊山歴史館蔵)])。
新選組副長の土方歳三が着用した防具や鉢金(「鎖帷子・籠手 土方歳三所用 (土方歳三資料館蔵)])なども展示されていました。ともに複製とは言え充実した新選組関連資料の展示はファン必見です。これで入場料の元がとれる気分です。
第2章の「戊辰戦争」では戦争当時に使用されていた会津藩の旗、弾薬箱、奥羽列藩同盟など関連文書、戦争を描いた錦絵などが展示。出色は永倉新八のチョッキ。
内側には永倉の自筆で京都大丸で仕立てた陣羽織である旨、浪士組(新選組の前身)に参加するために江戸を出発する時に詠んだ和歌「武士(もののふ)の 節を尽くして 厭くまでも 貫く竹の 心ろ一筋」、戊辰戦争で会津に転戦した時にチョッキ(チンキ)に仕立て直した旨などが記されています。
最後には『旧松前志摩守藩ヲ脱ス 京都守護職松平肥後守御預り 新選組副長助勤役 永倉新八』の直筆署名、しかも所々に血痕が付いていることがわかります(これらは以前の博物館実施のクローズアップ展示で撮影したもの)。
第3章は永倉新八と栗田鉄馬の「それぞれの近代」。鉄馬が描いた札幌の名所やアイヌの姿などの多くの絵画が目立ちます。画像は鉄馬が描いたアイヌの家族(明治28年・1805年刊、北海道博物館蔵)。
一方で永倉新八関連では新八が土方歳三の義兄に近藤勇の首級を探しに京都へ向かう旨を知らせて書簡など引き続き新選組関連の資料も多数。特に八が自身の先祖や親類、恩人、新選組関係者など97人の戒名や没年、死亡理由などをまとめたもの(「杉村義衛書簡(佐藤彦五郎新選組資料館蔵)」)は見応えあり。板橋で『死刑』となった近藤勇や『函館戦死』の土方歳三の名前が読み取れます。
展示会最後の「エピローグ」では栗田鉄馬が永倉新八に贈った永倉家の家紋入りの胴など防具一式が描かれた扇子(「武具図扇面(個人蔵)」)や晩年の新八の行状などの資料が展示されていました。
以上で鑑賞終了です。本展の狙いから少しずれたかも知れませんが新選組隊士であった永倉新八や新選組関連の資料に大変魅せられました。ファン必見の見応え大です。ありがとうございました。
特別展「新選組永倉新八と会津藩士栗田鉄馬‐二人のサムライが歩んだ幕末・近代‐」
会期:2025(令和7)年7月19日(土)~9月15日(月・祝)
時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)
会場:北海道博物館 2階 特別展示室(札幌市厚別区厚別町小野幌53-2)
入場料:一般1,000円(850円)、高校生・大学生350円(250円)
*総合展示セット券 一般1,600円(1,400円)、高校生・大学生600円(400円)
※( )内は次の料金です ・10名以上の団体 ・本展割引券をお持ちの方 ・リピーター割引(本展の有料観覧券半券提示で、1枚につきおひとり様1回限り有効)
※中学生以下・65歳以上の方・障がいのある方は無料。高校生に限り土曜は無料(年齢のわかるもの、障がい者手帳をご提示ください)
休館日:毎週月曜日(ただし、7月21日(月・祝)、8月11日(月・祝)、9月15日(月・祝)は開館)、7月22日(火)、8月12日(火)
主催:北海道博物館
共催:一般財団法人北海道歴史文化財団
後援:朝日新聞北海道支社、北海道新聞社、毎日新聞北海道支社、読売新聞北海道支社、NHK札幌放送局、HBC北海道放送、STV札幌テレビ放送、HTB北海道テレビ、UHB北海道文化放送、TVhテレビ北海道、STVラジオ、AIR-G’エフエム北海道、FM NORTH WAVE
https://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/exhibition/special/20856/