守る自然・残す自然・お客様の御用を承る蔵として、
100年以上稼行として代々受け継がれている、
埼玉県児玉郡神川町の御用蔵 ヤマキ醸造の見学ツアーに参加してきました。
ヤマキ醸造の製品は「四條司家御料荘園」で有機栽培されていますが、日本だけでなくもっと厳しい基準にも合格し、
トリプル有機(日本 アメリカ EU )の認証を受けています。
ヤマキ醸造の兼松さんによる、約1時間半近くにわたる興味深いお話は、
弥生時代に中国からジャンとして伝わってきた醤(ひしお)の歴史から始まり、戦国時代においての発酵食について、世界の発酵食について、酵素について、味噌や醤油や酢ができるまで、その役割、食欲との関係、原料について、もろみについて、白味噌について、麹について、和食について、日本の四季、樽について、ヤマキ醸造のこだわり、お客様との関わり、60年以上の実績を持つ須賀さんが指導する自然農法について丁寧に説明していただき、
更にその価値を知って、改めて日本の調味料の素晴らしさに感動しました。
高さ2.3m
直径2.7m
容量10.000リットル
もっと小さな樽を作る人は数人いるそうですが、
一滴も醤油をこぼすこと無い完璧な、この大きさの杉の樽を作ることができる職人さんは、
現在では80歳を超えているたった1人、だそうです。
新しく作ることができないとなると、守るしかないのですが、
樽は空にしたら乾燥してダメになってしまうそう。
樽を守るためには、味噌や醤油を作り続けることが大切で、コンスタントに売れ続けることが重要です。
需要と供給のバランスをとること、
ヤマキ醸造のこだわりと信念を理解してくれるお客様が大切。
製品の価値が分かり、売上を伸ばすというよりも継続を重視してくれている企業やお客様に支えられているということでした。
(私達見学者が神奈川在住と知って、兼松さんが教えてくれたのですが、
鎌倉小町通りの焼きせんべいを売っているお煎餅やさんでもヤマキ醸造の醤油が使われているそうですよ。)
ただ安心して口にできて美味しいというだけでなく、
使うことで、原材料にまでこだわった本物の醤油や味噌や酢などを守り、
ひいては世界無形文化遺産である和食という日本の伝統文化を守ることにも繋がっているのかなと思うと、
更に有り難い思いが強まります。
TVなどのメディアにもよく登場される、神川町在住の食の研究家であるアメリカ人女性のナンシーさんは、
この調味料の素晴らしさを世界に発信されています。
日本の調味料、当たり前にあるからこそ、当たり前すぎて知らない日本人が多い中、
昨年辺りから、海外からの見学者も急激に増えてきているそうです。
日本の四季と職人さんの技、そしてそれを大切にする人々があってこそ存在する本物の調味料。
日本の良さを世界に知ってもらえることは嬉しいですね。
4月には、ヤマキ醸造の近くにお住まいのハラさんというかたの広いお庭が一般公開されるそう。
(ハラさんは、横浜の三溪園を寄贈したというスゴイかたです)
ハラさんのお庭には、水芭蕉・桜などが美しく、お茶会など催されるそうで、
4月にもまた来てみたいな、と思いました。
ヤマキ醸造グループ「紫水庵」での豆腐会席コースランチも美味しかったですよ♪
四條流の証書を授与された先生のお料理をいただきました。
(他に道場六三郎さんも四条流の証書を授与されているそうです)
お料理はもちろん、和の器もとても素敵でした。
ヤマキ醸造グループ41代目当主は四條隆彦氏。
初代は四條中納言藤原(曾おじいさんは藤原鎌足)氏。
四條家は天皇家・宮中でお料理を司る家系だったそうです。
現在、宮中とは公家としてのおつきあい。お勤めは赤坂の比叡神社。
宮内庁・裏千家さん・伊勢神宮の宮司さん、鎌倉八幡宮の宮司さんなどにもヤマキ醸造の調味料をお届けしているそうです。
本物の調味料、和食、自然農法を学び、
自分が何を知り何を選びたいのかを考えた充実の1日でした。
お世話になりましたヤマキ醸造のみなさま、
大人の社会科見学にご一緒くださった大好きなみなさま、
ありがとうごさいました♡