4月12日(日)野菜ソムリエコミュニティかながわ
「ロコベジゼミ」
柑橘の著名な専門家お二人による、ダブル・講演会に参加してきました。
テーマ『柑橘の可能性と展望を探る』
かながわコミュメンバーの成松さんの司会で進行されました。
柑橘の著名な専門家 真子正史(まなごまさふみ)先生
神奈川県で長く柑橘の研究に携わり、「湘南ゴールド」の育成者。県を退職後、東京農業大学教授を歴任。(来歴・著書などウィキペディアにも掲載されている)
本日の演題『カンキツ品種の多様化と販売戦略~湘南ゴールドを牽引車として~』
1. 果物消費量の減少 とくに若者の果物離れ
2. お供えと贈答による高級化、菓子としての利用
3. 果物に対する消費者の思い アンケートより
4. カンキツ産業を取り巻く背景と品種の多様化
5. 湘南ゴールド育成と推進への取り組み例
6. 品種の多様化と一覧例
7. 導入にあたっての栽培ポイント
8. 販売にあたっての戦略
についてお話しいただきました。
私の中で特に印象に残ったのは、
やはり
幸せを呼ぶ新感覚オレンジ「湘南ゴールド」の魅力☆
レモンイエローの明るく清涼感ある色、その独特な爽やかで華やかに広がる香り、
甘くてジューシー、飲み物や料理と相性が良い、コンパクトな食べ切りサイズ、
「ナリルチン」という抗酸化活性が他の柑橘品種より高い、
柑橘が少ない時期(3月~4月)に出回る、
などなど。
気温や日照など、その年の自然環境にも左右される果実ですが、
栽培にも手をかけ、低温の時は外生りの実を摘果したり、
出荷の際にも品質評価基準に沿って手間をかけて選果もしています。
出回る時期は短いので、見つけたら是非
楽しんでいただきたい神奈川ブランドの柑橘です。
柑橘の著名な専門家 矢野昌充(やのまさみち)先生
国の果樹研究所を退職し、現在、果樹試験研究推進協議会の事務局をされている。柑橘(特にみかんのβ-クリプトキサンチンなど)の、機能性研究の第一人者で、柑橘と健康に関わるご講演多数。
本日の演題『カンキツ果実の健康効果~温州みかんのβ-クリプトキサンチンを中心として~』
「カンキツと健康」の研究成果は、20年程前から農林水産省果樹研究所、京都大学、京都府立医科大学、東京薬科大学、静岡県立大学、中村学園大学などにより、がん予防、医学、疫学、栄養学分野の学術論文数十篇として全世界に向けて発信されています。
最近の研究・今後の展開を中心にお話いただきました。
私の中で特に印象に残ったお話。
みかんの色素で抗酸化物質であるβ-クリプトキサンチンが血中に多い人は
生活習慣病が少ないということを、医学・栄養学雑誌「Plos One」に発表しています。
骨や肝臓の健康を保つにもいいみたいです。
温州みかんの橙色は、β-クリプトキサンチンの色です。
β-クリプトキサンチンは食べ溜めがきくので、
みかんシーズンに、みかんを少しずつ食べ続けていた人は手が黄色くなったりします。(黄色くなるだけで体に悪影響は特に無いようです)
みかんを食べて手が黄色くなることは、β-クリプトキサンチンが体内に蓄積した証拠。
橙色が濃く、甘味の強いみかんほど、β-クリプトキサンチン量が多いとのこと。
美味しく食べて体にも嬉しいのです♪
また、果物の糖分が気になるという人も中にはいるようですが、
糖尿病食では、1日に2回もデザートとして使われています。
(出典:日本糖尿病学会編 糖尿病食事療法のための食品交換表活用編 献立例とその応用 日本糖尿病協会・文光堂)
ビタミン・ミネラル・機能性成分豊富な果物を、健康増進に活かしたいものです。
柑橘の消費拡大・機能性研究の可能性などについて、両先生への質問や、アドバイスを受けたいご意見など、質疑応答&意見交換もありました。
休憩時間には、青果・加工品等の試飲や試食。
(真子先生、杉崎さん、コミュ幹事の皆さま、メンバーの井出さん、運搬重くて大変だったと思います。ありがとうございました!)
真子先生がご持参下さった湘南ゴールドや、コミュニティーさいたまの杉崎さんから小田原のご実家のオリジナル品種の温州みかん、
湘南工房ブランドの「まるごとみかんマーマレード」、「みかんぱん」、「青摘みかんフレッシュ100」、「みかんジュース」、
「みかんぱん」は、包装もみかんらしく工夫されていました。
果樹試験研究推進協会さまからジュース「アシタノカラダ」(βクリプトキサンチンみかん3コぶん)
柑橘の消費拡大に向けて、野菜ソムリエの自分に何ができるか考えを深める貴重な講座でした。
真子先生、矢野先生、
野菜ソムリエコミュニティーかながわの成松さま、幹事の皆さま、
一緒にご参加の皆さま、ありがとうございました。