食品の加工度が低いほどがんや肥満のリスクが低い⁉ | 最新科学の栄養学と医学が教える!ヴィーガン・ベジタリアンの健康の秘訣と注目トピック解説

最新科学の栄養学と医学が教える!ヴィーガン・ベジタリアンの健康の秘訣と注目トピック解説

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私たちが食べる食品は、あるがままを食べたり、少し手を加えて食べたり、手がかかるので一般的には工業的に加工された食品があります。

加工度が低いほど、食品に含まれる栄養素の損失が少ないので、健康的、という訳です。

 

食品を加工度によって分けたNOVA分類、と呼ばれる分類法があります。

(Carlos Augusto Monteiro. Cad Saude Publica.2010 p2039)

 

J Acad Nutr Diet. 2021 p1542

 

フランスの成人約10万人(うち女性が約8割)を平均5年間にわたり追跡調査。食事中の超加工食品が占める割合の高さと、がん全体、乳がんのリスクの上昇との間に関連が認められました(割合が10%多いと、がん全体のリスクが12%、乳がんのリスクが11%上昇)(1)。

 

また、スペインの20歳から91歳の約2万人を対象に、超加工食品を食べる量に従って4つのグループに分け、全死亡率との関連をみたところ、最も多い人のグループは最も少ないグループよりも死亡のリスクが高く、摂取量が増えると死亡率が比例して上昇するという結果でした(2)。

 

さらに、米国では、健康な20人に、超加工食品の食事とそうではない食事をそれぞれ2週間ずつ食べてもらいました。参加者は自分が食べたいだけ食べ、食べた量を記録しました。その結果、超加工食品を食べた人は、エネルギー摂取量が非加工食品を食べた人に比べて1日約500キロカロリー多く、2週間で平均約1キロ体重が増えました。それに対して、非加工食品を2週間食べた人は逆に平均約1キロ減りました(3)。

 

加工度の低い食品を食べた方が、がんや肥満のリスクが低いみたいですねびっくり

 

 

朝日新聞デジタル 2019年7月11日「超加工食品」とはなにか がんや肥満とも関連?より

 

(1)Consumption of ultra-processed foods and cancer risk: results from NutriNet-Sant? prospective cohort
https://doi.org/10.1136/bmj.k322

 

(2) 死亡率との関連調査(スペイン):Association between consumption of ultra-processed foods and all cause mortality: SUN prospective cohort study

https://doi.org/10.1136/bmj.l1949

(3) カロリー摂取、体重増との関連調査(米国):Ultra-Processed Diets Cause Excess Calorie Intake and Weight Gain: An Inpatient Randomized Controlled Trial of Ad Libitum Food Intake

https://doi.org/10.1016/j.cmet.2019.05.008

 

2022年2月7日公表