今年の上半期はここ数年に比べて新譜を熱心に聴いていた記憶がないので、上半期ベスト的なものはまとめられません。が、Instagramのストーリーでシェアしてたり、映像作品や書籍をきっかけに聴いた記憶があったりする21曲をプレイリストにまとめてみました。オバマ元大統領が毎年2回くらいやってるあれみたいな感じです。どれだけ需要があるか分かりませんが、Apple Musicユーザーの方はこちら、Spotifyユーザーの方はこちらからどうぞ。
以下ではそのうち5曲について書きます。
1. Jay-Z - December 4th
この曲はジェイ・Z(JAY-Z)の曲でありながら、ジェイ・Zだけの曲ではない—そのことに気づかせてくれたのが、彼の著書『Decoded』でした。この曲を聴き終えると、自分が自分であることを、聴く前よりも少し誇れるような気分になります。だから、この曲をかけるのに、なにも12月4日まで待つ必要はありません。本人による解説を読んで最も惹かれたのは「Meet the Parents」と「Regrets」の2曲でしたが、気づけば再生しているのはこちらのほうが多かったです。
2. Joyce Wrice - Losing
先日のブログにも書いたとおり、ジョイス・ライス(Joyce Wrice)のアルバム『Overgrown』は、今年リリースされた作品の中でヘビロテした数少ないものの一つです。中でもこの曲はお気に入り。この清涼感、キリッと冷やした白ワインなんかを飲みながら楽しみたくなりませんか? 少なくとも僕はそうなります。
これ、どこで話したか忘れたんですが、最近はアンビエント感のあるもの全盛の時代から、こういう明晰・爽快なものに回帰している気がして、『Overgrown』はその流れを象徴する作品の一つではないかと思っています。
3. Mila J - Complete
僕も含めて2010年以降に新譜を追い始めた人には「ジェネイ・アイコ(Jhené Aiko)の姉」と言ったほうが伝わりやすいかもしれませんね、ミラ・J(Mila J)。でも当たり前ですがミラ・Jにはミラ・Jのよさがありますよ。ちなみに本名のミドル・ネームはアキコさんです。うちの母と一緒です。RIEHATAさんがこの曲で踊ってるのをIGの投稿で見て、この曲を知りました。サンプルされているのは、もちろんダイアナ・ロス(Diana Ross)とマーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)の「You Are Everything」です。「あなたがいてこそ私の人生は完全(Complete)なの」という意味ですね。
4. Nipsey Hussle - We Ride
故ニプシー・ハッスル(Nipsey Hussle)の諸作品のうち、悪くはないけど「当時だなー」感が強すぎて個人的にあまり聴く気になれないのが『TMC』(2011年)です。あの電子音の強さが「当時!」って感じで胃もたれしてしまいます。ですが、その続編的位置づけの『X-Tra Laps』(2012年)のほうは「当時」感が少し薄まっていて聴きやすく、中でもこの「We Ride」はLAの朝方を思わせるような爽やかさです。サンプルされているのはジョデスィ(Jodeci)の「Love U 4 Life」です。ニプシーといえば、映画『ボクらを見る目』(原題:When They See Us、2019年)のエンディングに彼の「Picture Me Rollin'」が使われているのを知ってから、そちらもけっこう聴いたので、プレイリストに含めています。
5. タカチャ - Everything
そう、MISIAさんの「Everything」カヴァーです。冗談抜きで今年の上半期最も聴いた曲がこれかもしれません。魔裟斗さんが2009年大晦日の引退試合に臨むにあたり制作された動画全編に使われていますが、この動画、YouTubeにあるあらゆる動画の中で最もかっこいいので、必ず観てください! 「一番辛い道を進むのが一番の成功への近道」—いつも心に刻んでおきたい言葉です。