なぜ、JUNK?!

Vegan というものが清らかなイメージを与えるのか、はたまた禁欲的なイメージをもたらすのか、vegan と junk を併せ持つ私のスタイルに少なからず反感を持つ方もいらっしゃる。。。

「なんちゃって vegan じゃねーの?!」
みたいな。。。
「ホントは隠れてチキンとか食ってんじゃねーの?!」とかね。。。笑

まぁ、そのように感じる方の、その感じ方も理解できます。。。
だからね、そこのところをちょこっと話しとこうかなと。。今日はそんな話。

私の調理の原点は、「焼きそばUFO」にあります。。。笑
料理ではなく、調理ね。(*^^*)
小学1年生になるとすぐ、母親も父親の事業を手伝わなくてはならなくなり、小1の私が夜ゴハンの用意をすることが多くなった。
しかし何せ小学校1年生だ。
料理はいくらなんでも難しいだろうとのことで、カップ麺を作ることが初めてのミッションである調理初体験となった。

幼稚園の妹、保育園の弟と三人で迎える初めての夜の、初めてのカップ麺。
すごいプレッシャーだった。。。
とはいえ、お湯を沸かしてカップに注ぐだけじゃん?!
大丈夫、大丈夫。。。
小さな自分が、小さな自分に言い聞かせる。
そんな自分に向けられる、さらに小さな四つの目は疑いに満ちているようにみえた。笑
「ホントにおいしくつくれんの?!」みたいなね。笑

小さな私がカップ麺の作り方を見ながら、かやくやら焼きそばソースのもとやらをどんどん投入していく。←(ここでソースのもとはホントは間違い。)
そばに妹と弟がぴったりと寄り添うなか、沸騰したお湯を並々とカップ麺に注ぐ。。。そして蓋をして待つこと三分。。。その三分が意外に長かったことが、今でもリアルに思い出される。

三分が経ち、ふたを開けてみると。。。
な、なんだ?!これは?!
そう。。。ラーメンではなく焼きそばなので、お湯をこぼさなければならないのに、私はそれをすっかり忘れていたのだった。。。見るからに不味そうな黒い変な色した、ラーメンみたいな、でも全然ラーメンじゃない物体。。。
悲しい気持ちが小さな三つの胸に、大きく、大きく広がる。。。
「なにこれー!」
妹と弟が叫ぶのも無理はない。。。
美味しそうな焼きそばを思い描いてふたを開けたら、そこには不味そうなものが存在してたのだから。。。

この敗北感!
これこそが、私の初めての調理体験なのだ!
「くっそ!次はおいしくつくろーじゃん?!」それが原動力となり、いろんな料理に挑戦するようになり、やがては料理することが好きになっていったのだった。

実際、共働きの両親のおかげで、私はjunk foodで育ったようなものだ。
カップ麺やレトルト食品、缶詰や菓子パンなどなど。。。
確かにその頃の私はずっと顔色が悪く、顔には吹き出物が多く、慢性の便秘で、不機嫌な子供だったなぁ。。。
炭酸飲料もがぶがぶ飲んでたし。

つまり私の調理の原点も、
もしかするとソウルフードと呼べるものも、私の食のルーツと言えるものはjunk food なのだ。

あるとき、そんな有り様に疑問を持ち、汚れて乱れた食生活から抜け出そうと、vegan をストイックに実践するようになる。
始めた頃は週に一日は断食も。

そんな風にvegan街道を突っ走って来たわけだが、まわりをみると誰もいない。笑
遠くに置き去りにしてきたいろんな人間関係。。。それでもいいやと、そのときは思っていた。 
誰もついてこなくてもいい。
誰とも共鳴しなくてもいい。
自分は孤高な菜食主義者として、孤独に生きたって構わないと考えていた。

2011年の8月。
そんな傲慢な考えに囚われていた私を連れ戻してくれたのは、vegan junkというジャンルを私に示してくれた、当時のお店のプロデューサーだった。
「料理人とは、食する人間がいて成り立つものなのに、なぜ菜食の料理人たちは自己満足的な仕事をしているのか。
なぜ食するお客様の満足を後回しにして、思想や手法を優先にするのか。」
。。。とても衝撃的な発想だった。

その頃の私は、野菜の持つ持ち味こそが尊いもので、なるべく手を加えずに提供することをよしと考えていた。
しかしこの考えを根底からひっくり返された。
茹でただけ。
焼いただけなら、そこには刺激がない。
そして何より、私のパーソナリティを完全無視していては、何物をも成立させることはできないと。
本当に自分の世界観に裏打ちされた料理を完成させたいなら、ルーツに立ち返るべきだと。

そこから vegan junk が生まれた。
Junk food で育ったような私が、vegan となったことで可能になる世界が、プロデューサーによって示された瞬間だった。

そしてその原点に立ったとき、私のなかで汚れた junk food から清らかな vegan へと一直線に延びていた道筋が、上昇する螺旋へと変化した。
つまり、スタート地点から歩いてきて原点に戻ったのだが、そこはスタート地点から一段上の場所にある原点なのだ。
それが成長というものなんじゃないかな。。。

スタートして、
いろんな経験を重ねて
そしてまた原点に戻る。
ルーツに還る。
でもスタート地点に戻るのではない。
ぐるぐると円周を回り続けるのではない。
経験の分だけ成長したのだから。
上昇に向かう螺旋の一段上に上がるのだ。

そんなわけで、
私のルーツであるjunk food の持つ、
舌とココロに与える刺激を持ちつつ、vegan の素材と手法で表現する料理の世界が、私のvegan junk experience となったのです。

決して自分を偽らずに、
これまでのすべての経験を今に凝縮させて、表現する。
形づくる。
プロデューサーが私に教えてくれたことを、これから発展させて広げていくのが、
VEGAN JUNK EXPERIENCE★








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