計画停電 派遣社員が悲鳴 | Facebookで採用を変える人事コンサルタント日記

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「オレたちを殺す気か!」――。先行きが見えない「計画停電」に対し、派遣社員がカンカンになっている。停電に伴う企業の突然の時短や休業で収入が激減している上、企業が賃金保障をしなくても「問題ナシ」と“お墨付き”を与える通知を厚労省が出したためだ。

 厚労省が通知を出したのは「計画停電」が始まった直後の15日。労働基準局監督課長名で「計画停電が実施される場合の労働基準法第26条の取扱いについて」と題し、〈原則として法第26条の使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しない〉と書いてある。一体どういうことなのか。

「労基法26条は、企業側の『責めに帰すべき事由による』休業の場合、労働者に平均賃金の6割以上の手当を支払わなければならない、と定めています。つまり、厚労省の通知は『計画停電は企業側の責任じゃないからカネは払わなくてもいいよ』という内容なのです」(都内の社会保険労務士)

 厚労省労働基準監督課は「企業には、計画停電に便乗した不必要な休業など、労働者の不利益にならないよう求めています」と説明するが、こうした対応に怒り心頭なのが派遣社員たちだ。

「派遣社員は時間単位で働いているのです。たとえ『計画停電』が3時間でも、収入に与える影響が大きい。しかも、このままだと秋、冬まで続くといわれているから状況は深刻。未曽有の大地震は理解できますが、計画停電が天災といえるのか」(都内の派遣社員)

 派遣ユニオン(東京)の担当者もこう言う。

「仕事量が減って大変という声が続々寄せられており、26日にホットラインを設けて相談態勢を整える予定です。相互扶助を唱えながら、派遣社員らだけがその輪から外されるのはおかしいですよ」

 震災被害の影響が首都圏で深刻化するのはこれからである。

(日刊ゲンダイ2011年3月23日掲載)