マンパワー・ジャパンは、派遣先企業1044社を対象に、派遣社員の今後の活用について調査した。調査期間は、10 年10 月14 日~27 日。
今後の派遣社員の活用に対して、どのように考えるかについて聞いたところ、73%が「変化なし」と回答。今後、派遣社員を「減らす」と答えた企業は18%、「増やす」と答えた企業が9%だった。全体的に派遣社員の活用は、現状維持と考えている企業が多い。しかし、従業員数1000人以上の企業では、「変化なし」と答えた企業は52%にとどまり、「減らす」は33%に上った。一方、従業員数1000人未満の企業では、「変化なし」が78%と多数を占め、派遣社員の活用に対する意識が企業の規模によって大きく分かれた。
また、派遣社員を増加させると回答した企業のうち、任せたい業務内容は、「営業事務」32%、「営業・販売」18%、「総務・人事」16%だった。企業規模別で見ると、従業員数1000人以上の企業では、「営業事務」10%と同数で、「テレオペレーター」が10%の需要となった。一方、従業員数1000人未満の企業では、「営業事務」が20%、次いで「製造・組立」が10%だった。
派遣社員を「減らす」と回答した企業において、対象となる職種について、どのように対応するかをたずねたところ、「正社員雇用」と答えた企業が34%で、次いで「社内調整」で対応は23%、「契約社員雇用」が18%だった。
総合すると、従業員数1000人以上の企業ほど、派遣社員を減らし、正社員を雇用または、社内調整して、業務を運営しようとする傾向がうかがえる。 (月間人材ビジネス 1月号)
→昨年12月にプレスリリースされた情報ですが、月間人材ビジネスの記事にもありましたので取り上げてみました。
調査の結果から2011年を占うと、ほぼ横ばいから微減で推移するといった状況でしょうか。ただし、従業員規模の大きい企業ほど派遣の活用に慎重であるということは、全体として停滞する可能性が大いに考えられます。先日のトヨタの事例もしかりです。実際に大企業ほど直接雇用への切替えが顕著に見られるようになってきました。
職種を軸とした調査なので、人材ビジネス各社は今後の対策を講じる上で大いに参考となるでしょう。
あくまで私のヒアリングベースですが、年末から年明けにかけて大手各社の派遣受注は盛り返している印象を受けます。中小企業を中心に派遣需要が戻りつつあるようです。また、派遣会社のシステム投資も若干活発になってきているようなので、派遣法の改正が遠のいたと判断されているのでしょう。