人事業務アウトソーシング受託会社で国内最大手のエイチアールワン(東京都、武谷啓社長)が6月に浦添市西原のオフィスビルに沖縄センターを開所することが29日までに分かった。同社は2年後には社員約400人体制を目指している。沖縄センターは人員11人で中小企業の給与計算を中心に業務を始め、体制整備を進める。2年目以降は年末調整などの集約業務センター機能や大規模顧客への業務なども手掛け、最終的に実務的な機能全てを移管、順次社員を増やし、約9割を地元採用する考えだ。
エイチアールワンは住友信託銀行やパナソニック、三菱商事、花王、SPAジャパンの大手5社が出資し、2009年10月に設立(統合)した。資本金は5億1935万円。10年3月決算の売上高は約46億円で、本社と大阪オフィスを合わせ、社員約400人。給与計算受託実績は現在、約200社、33万人に上り、人事や経理などの間接業務を1カ所に集約するシェアードサービス、人事給与業務処理、外資系企業向けサービスを受託する主要業務の実績は国内最大という。
沖縄センター開所に向け、同社はIT(情報技術)環境の整備などで2千万円ほどの初期費用を投じ、準備を進めている。
同社は競争力強化を模索する中、人件費などが安い中国への進出を検討していたが、業務過程を一部切り出すなど予想される事業内容の非効率さや為替の危険性などを考慮し10年8月から、あらためて国内に拠点設置を検討してきた。有効求人が少ない沖縄は、優秀な人材でも仕事に就けない若年者が多いとして設立を判断した。
同社の担当者は「沖縄進出を機に、事業の大幅な拡大も目指している。加速度的に求人要請も高まるだろう。今後優秀な人材の確保を目的に、県が推進する人材育成事業へ協力していきたい」と話した。
(4/30 琉球新報)