祖母は厳しい人だったから、お湯の沸かし方、洗濯の干し方、細かく注意していた。
母は毎朝5時に起きて、家の仕事をしていた。
私が小学校の中学年になるまでは、髪を伸ばす事も出来ず、祖母の作った服は、気に入らなくても着せられてた。
祖父は父が14歳の時に他界しておらず、バブル期の為、父は仕事で忙しく、ほぼ家に居なかった。
祖母は、分からないと思っていたのか、一緒に寝ていた私によく不満を漏らしていた。
人を憎む事を知らない子供には、意味が分からない。
ただ、今だに記憶に残る程、私の心は傷ついていたのだと思う。
30代半ばで、伴侶と死別した祖母も苦労があっただろうと、今の私なら許せるが、まずは傷ついてしまった自分の心を癒す事だ。
皆、大なり小なり、心に傷を持っているだろう。
しかし、傷を持ちながらも今日まで生きてきた自分を、自分で褒めて欲しいと思う。