この本は、イロコイ族と言われる北米先住民が、その地に辿り着くまでの民族の移動のお話です。

 

 

彼らは自分たちの経験や学びを歌にして、口承してきたのです!!

 

アフリカで生まれたホモ・サビエンスは世界各地に広がりましたが、イロコイ族のこの口承伝はユーラシア大陸の東端から本格的に始まります。

 

飢えを常に意識しながら、

天候や災害の影響を大きく受けながら、

彼らは子供の子供の子供の・・・代まで安心して生活できる地を求めて移動します。

 

途中、色々な集団と出会い、すでにそれぞれに特徴があります。

優しかったり、乱暴だったり、臆病だったり、、


出会う中で、彼らは自分たちの特徴がわかっていき、彼らは自身を「歩く民」であり「学ぶ民」と自認していきます。



ユーラシア大陸からベーリング海峡を歩いて渡るパートは、ひとつのクライマックスだと思います。

どういう道具を使えば、

どういうルートを辿れば、

どういうタイミングで渡り始めれば、そして

お年寄りや子供がどのようにしたら渡れるか、、

知恵を出し合って、勇気を出して出発し、アメリカ大陸に到着します。

 


読み終わって、

例えば「年長者を大切にする」など、どの文化でも共通でありそうな道徳的観念も、命を保つために必要な最低限のことも最初は当然何もなくて、

それらが経験や学びによって編み出されていくものだということがとてもよくわかりました。

 

一ヶ月かけて一万年を旅しました。

日常に続いている、でも日常からかけ離れたこの本の世界を毎日少しづつ旅して、いつもの生活が新たな目で見えてくるようでした。



イロコイ族は、現在ニューヨーク州に保留地があるとのこと。

この本は、いわゆる有史以前で終わっているので、白人入植から現在に至る歴史にも興味が湧きました。この学ぶ民がどのような歴史を辿ったのか。。


先日、ずっと行ってみたかった東洋文庫ミュージアムに行ってきました。

 

お目当ては、この空間ラブラブ

 

高い高い天井まで届く本棚に囲まれた部屋!

憧れの空間と感じる本好きの方は多いのではないでしょうか。

 

 

東洋文庫は、モリソンさんというイギリス人が北京に滞在中に集めた各国の本を、三菱財閥の創業者である岩崎弥太郎の長男である岩崎久彌が買い取って作ったとのこと。

 

時代が感じられるハードカバーの外国の本がぎっしりで、もう雰囲気も素敵でしたおねがい

 

 

その本の部屋を通り過ぎると、企画展「大清帝国展 完全版」の展示が行われています。

 

 

 

 

 

特に印象的だったのは、、、

 

誥命

 「こうめい」と読むそうです。清の時代の科挙に合格した人への辞令とのこと、絹糸で織られた布に書かれていて、カラフルでとても美しい。

 

寿字

 西太后自筆の水彩画で、「寿」の字が花を組み合わせて描かれています。とっても繊細。

西太后はとても恐いイメージがありますが、どんな人だったんだろう。

 

纏足の靴

 小さい。これもとてもキレイなのですが、、

この足で一生を過ごしたんだと思うと、なんとも言えない気持ちになりました。

 

 

教科書で見たことのある絵もあって、世界史でキーワードをなぞっただけの記憶が具体的になり、とても興味深い展示でした。

 

 

それから、ミュージアムショップも充実していました!

東洋文庫ミュージアムのファンになった私は、図録ではなくこちらのシールと本を購入しました。

 



 

 

公式サイトによると・・・

 アート・オン・スクリーンは、“映画館の大画面で美術を楽しむ”という全く新しい体験を提案するアート・ドキュメンタリーシリーズ。

 

 

 

天才画家ダ・ヴィンチのすべて

 

ピカソがピカソになるまで

 

フリーダ・カーロに魅せられて

 

 

現在上映している上記3本の中から、ピカソを見てきました。

 

ピカソって、日本では一番有名な画家じゃないでしょうか?キュビズム以降の作品は子供にもわかる感じ。

 

でも、ピカソ展てやらないですよね。

どこの美術館も大事すぎて貸せないのかしら??

私は、常設展示を何点か見たことがある程度です。

 

映画では「アヴィニョンの娘たち」が紹介されるのはだいぶ後半になってからで、生い立ちやパリに出て数年までのエピソードに時間が割かれていました。

 

絵や美術館を取り上げる映画、最近増えていますよね。

本物の絵に接することは特別ですが、色々な解説を聞きながら絵を見られる映画もとても楽しいです。