富士フィルムホールディングスのグループ企業の富士ゼロックスで、2015年から不適切会計処理が行われていた。

 

富士ゼロックスの海外子会社でも同様の不適切会計がおこなわれたことが判明し、4月に公表されていた損失額である220億円から、さらに375億円と約150億円も拡大した。

富士ゼロックスが親会社の富士フィルムに不適切会計情報が流れないよう、隠蔽工作をしていたという。

 

まず、親会社の問題。

 

富士フィルム会長は、昨日の記者会見で「富士ゼロックスへの遠慮があった」と述べている点。

富士ゼロックスの売上高は、富士フィルムの連結売上高の半分近くを稼ぎ出すという最重要な会社。

そのため、富士フィルムが75%もの株式を握っているにもかかわらず、富士ゼロックスの高い独立意識を尊重していたという。

 

ずさんな子会社管理は、独立というより放任。

親会社の経営陣が手綱を握れない会社なのであれば、もはやグループ企業ではない。

 

親会社のガバナンス欠落の責任は非常に大きい。

 

次に、富士ゼロックス単体の問題。

 

富士ゼロックスは、売上至上主義であるという。

 

経営陣にとって、売上や利益などの経営数字に対するプレッシャーは必然。

目標数字達成のためには、現場社員に対してもある程度のプレッシャーは仕方ないだろう。

ただ、高い数字ありきの過度なプレッシャーは、決して良い成果には結びつかない。

 

ギリギリ達成可能な高い目標を定めるというのは、優れた経営者に求められる能力であり、磨いていくべき。

 

と偉そうにいっても、実際にやるとなると、これは本当に難しい。

プレッシャーが適当なのか過度なのかは、社員個々の性格もあり、画一的に答えがでるものではない。

私が目標を決める際は、売上や利益の数字としての伸び率だけでなく、メンバーの能力やのびしろ等も考慮に入れている。