FIREとは
FIREの種類
FIREと単にいう場合は、資産を削りながら生活をするということになります。端的に言えば、無職で資産(株式・貯金等)で生活をするイメージです。ほかのFIREと区別して完全FIREなどという場合もあります。
セミFIRE(サイドFIRE)は、仕事はしているが収入の大半を資産でまかなっている状態を指します。生活費25万のうち、アルバイトで10万稼ぎ残りを資産(主に配当など)でまかなう状態です。比較的達成がし易いとして人気のあるFIREです。
FIREをするには
FIREをするためには2つの方法があります。
1)インデックス投資で大金をためる
値上がり益を期待するインデックス投資で資産を増やし、一定の割合を毎年換金することで資産を減らすことなく生活費をまかなえます。
1億円必要といわれていますが、堅実な方法といえます。積立NISAを利用できるため、長期間にわたり税制優遇が適用されます。
2)配当金でまかなう
給与に近い状態を実現する方法です。高配当株に投資をすることでキャッシュフローを得る方法です。
計算しやすく給料のように現金を受け取ることができます。配当金でのFIREはサイドFIREが相性が良いとされています。
食費や光熱費を配当金でまかなうといった具合にキリの良い配当金額を引き下ろすことで生活費の一部をまかなえるためです。
FIREの欠点
FIREをすること自体は悪いことではありませんが、それに付随するデメリットも見ておきましょう。
1)節約・高所得が原則
基本的に大金をためる必要がありますから、所得が高く、支出をすくなくする必要があります。
そのため、飲み会や旅行、デートなど移動や消費に大きな制限が出てくるでしょう。
2)結婚
大きな支出といえば結婚。結婚式以外でも、パートナーがいることは、お金がかかるということです。
また、FIREという考え方を受け入れてくれる人とも限りません。投資という物自体に抵抗を感じている人かもしれません。
その場合、支出の増大だけではなく、FIREできる状態であっても、仕事を辞めるという選択を受けて入れてくれない可能性があります。
3)資産の下落
なんとかFIREできても、インデックス投資でFIREした場合は特に注意です。基本的に4%ずつ資産を溶かして生活をする、4%ルールというものに基づいてFIREは実現します。
株式は下落をするものですから、下落をしている最中でも4%を現金化しても大丈夫なメンタルを持っている必要がありますし、最悪の場合、資産のバランスが崩れてしまうかもしれません。
4)減配のリスク
業績の悪化による減配は実質的な減給となり、それによる株価の下落も予想されます。
買い増しできる余力があるのか、減配しても生活に支障はないかなどを考慮してPFを組む必要があります。
5)無職は社会的地位が低い
何千万稼いでいてもフリーランスには家を貸してくれないなどの話は有名です。無職ならなおさらです。
結婚相手や社会的身分においては、単に「生活できる」以上のものが求められます。
FIREできる状態でも仕事を辞めない人も一定数いるのは、そういった所属による身分の保証や契約上の手続きを円滑にするためでしょう。サイドFIREであれば、一応の職はありますがアルバイトになると厳しい部分がでてきます。
クレジットカードの発行も、資産より収入を見ますので、注意が必要です。
また、職務質問等をされる場合や職業を尋ねられる場合、「無職」、「フリーター」「フリーランス」は残念なことに、ネガティブな印象を与えやすいです。公務員などというのは、意外と視野の狭い生き物ですから、「レールに乗れない何か原因があるやつ」というイメージを持たれやすいです。
一般人でも、正社員以外の立場は「正社員になれなかった」という排他的印象を与えるものになりますから、周囲の理解も一定数は必要です。
一番手っ取り早く理解を得られるのは証券口座の画面を見せることです。
デメリットがあってもFIREが流行っているわけ
5つほどデメリットをあげましたが、それでもFIREが流行っているのはなぜでしょうか。
いくつか理由はありますが、結婚に対する認識や減配のリスクがないPFの組み方を勉強している、FIREよりセミFIREを目指している、仕事が嫌いではないが経済的な安心を求めて大金をためている(離職時に生活に困らないようにする)という理由もあるでしょう。
一人暮らしでいい、理解のあるパートナーと住む、景気に左右されにくいPFである、介護や育児で職がなくても生きていける状態にしたいなど、デメリット以上に不労所得のメリットが大きいためでしょう。
むろん、仕事をしたくないという純粋な欲求に従って今仕事を頑張っている人もいます。それでもなお、FIREのデメリットに勝るメリットが存在していることは見過ごせない事実といえるでしょう。
デメリットは誰かにとってはむしろメリットとなることもありますから、デメリットの中身を精査したうえでFIREを目指していきましょう。