投資で儲けることとは

 配当株投資のところでもお話をしましたが、投資での儲け方は2種類あります。
みなさんがイメージをしているのは「安く買って高く売る」です。基本的な商売と同じやりかたですね。
一方で、企業の利益を株主に分配をすることで株主が株式を保有するリスクに見合った利益を受け取ることもできます。
これが配当収入です。所得税法にも明記されている立派な収入のひとつです。
今回は前回の3つを復習するつもりでこの記事を読んでいただきたいと思います。
 

譲渡益のメリットとデメリット

譲渡益は、値上がり幅を利益としてもらえるため、イメージしている投資といえます。
株価を予測するには、チャートを見て短期で売買をするテクニック、決算などを見て中長期で売買をするファンダメンタルがあります。
そのほかにも、上がっている株を購入する方法等があり、どの手法でも大きな利益を得ることができます。
また、配当金はその受け取り権利の確定が年2回なのに対し譲渡益は市場が開いていれば売買できますから自由度の高い方法といえます。
特に米国のように人口増加と市場や企業の成長が期待できる場所では株価は10年といった長期で持っているとかなり上昇していることがあります。
 
一方で、短期売買だと手数料がかかることや、長期での成長の前に売却をするため利益が少なくなるといったデメリットがあります。
長期での売買でも経済的動向や業種特有の下落等があります。メンタルとの戦いといえそうです。
 

配当収入のメリットとデメリット

 株式=売買の図式が成立している人にとっては保有「しているだけ」で収入が得られるというのはイメージしにくいと思います。
配当での収入は、保有している株式数に応じて企業の利益を受け取れるものです。
理想としては企業が100を設けたら、株主全体として30程度の利益が分配されることです。(株主、企業、労働者の三分割)
 
利益に対して出される配当額を「配当性向」といい、30%程度が理想とされています。
株価に対する配当額を「配当利回り」といいます。100円の株価に対して10円であれば10%ということです。
 
年々も配当額を増やしていることを「増配(増加する配当)」といいます。増配は「高配当」であることより業績の向上を裏付けするものであり、投資家にとっては安心して保有できる条件の一つといえます。
また、一番のメリットは株価の上下落に左右されないという点です。
譲渡益の場合は値上がりをしないといけませんから、下落をしたら上昇しないと利益ができません。
 
一方で配当金は株価ではなく企業の利益によって決定されるものですから、株価の変動には影響を受けません。
その点、長期の保有に向いているといえます。
一方で、配当利回りが高いということは利益を会社に貯めておけないので事業の発展が見込めなかったり利益や業績の裏付けのない配当を出している企業もあります。配当性向が100%に近い会社も存在するので、銘柄の選定は注意が必要です。
 

どっちがいいかという話ではない

 こうした2つの収入について話すと「どっちがいいのか」という話になりますがそうではありません。
 なぜなら、その時の業績や環境によって同じ銘柄でも扱いが違うからです。
 例えば、通信系の業種は比較的安定した収益をだしており、増配銘柄も多いですが、同時に株価も上昇をしています。
ゆえに、譲渡益狙いでもよいですし、配当狙いでもよいわけです。
また、コロナウイルス関連の銘柄は業務提携や医薬品の開発などを受け、株価が上昇していますが武田薬品などは高配当銘柄としてしられています。
キヤノンといった銘柄は高配当でしたが、無配や減配といった状態となりました。
筆者は、高配当銘柄を配当金目当てで保有をしていますが、株価が大きく上昇すれば、あるいはより良い銘柄が見つかれば売却をしてしまいます。
方針は固めておくべきだと思いますが、それに固執することはむしろ市場を見るに際してはある程度の柔軟性を持ったほうがよいかもしれません。
 
以上です。
それでは次回のブログでお会いしましょう。