香住の海を裸足で歩いた時、僕は一つのことに気づいた。

「どんな手技よりも、この浜辺を歩く方が整う。」

それは少し悔しい発見でもあり、とても嬉しい発見でもあった。

僕はこれまで、

原始反射統合、タッチフォーヘルス、アロマ、音叉…。

たくさんのことを学び、これからもインナーチャイルドや音声心理、陰陽五行などを学んでいこうと思っている。

でも、そのすべての土台にあるものは何だろう。

そう考えた時、答えはとてもシンプルだった。

「自然」

だった。


浜辺を裸足で歩く。

波の音を聞く。

海風を感じる。

木々が揺れる音を聞く。

その瞬間、不思議なくらい頭にあった重心が、足元へ降りてくる感覚があった。

僕は感覚過敏がある。

都会の雑踏や人工的な音、強い光には疲れてしまう。

でも、鳥の声や波の音、葉っぱが擦れる音は、僕の心を疲れさせない。

むしろ、安心させてくれる。


僕は最近、「安心感」という言葉をよく考える。

安心すると呼吸が深くなる。

身体が緩む。

そして、本音が出てくる。

だから僕が目指すセラピーは、

「症状を治すこと」

ではない。

自然の中で安心感を取り戻し、その人自身の本当の声に出会うこと。

そんな時間を提供したい。


今日、サンスベリアの植え替えをした。

一枚だけ葉っぱが黄色くなっていた。

土を見てみると、水はけが悪くなり、根が湿った状態だった。

僕は土をココヤシチップへ変え、根を乾燥させた。

きっと復活してくれると思う。

その時、ふと思った。

サンスベリアは、一枚の葉を犠牲にすることで、植物全体を守ろうとしたのかもしれない。

人間も同じように、人生の中で何かを失うことがある。

でも、その出来事には意味があると決めつけるのではなく、

自然を眺めながら、

「自分にとって、この出来事は何だったのだろう。」

そんな問いを持つ時間があってもいい。

自然は答えを教えてくれる先生ではない。

自然は、自分自身と対話するきっかけを与えてくれる先生なのだと思う。


だから将来、僕が作りたいのは「施術院」ではない。

海の近く。

観葉植物があり、

メダカが泳ぎ、

蓮の花の灯りがともる。

アロマの香りが漂い、

波の音が流れる。

でも、一番大切なのは部屋ではない。

セッションの前に、一緒に浜辺を裸足で歩くこと。

そこで自然と呼吸が深くなり、安心感を取り戻したあとで、本当の対話が始まる。

そんなセラピーを届けたい。


僕が目指しているのは、

「自然に還ること。」

そして、

「安心感を思い出すこと。」

最後に、

「本当の自分の声を思い出すこと。」

自然は、最高のセラピストなのかもしれない。